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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    サカキシンイチロウ
    年齢:
    64
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    長い間、来てなかったなぁ…、となつかしくなり新宿のココ。
    「カフェ・トロワグロ」にやってきます。
    trois.jpgモダンフレンチを代表する巨匠、トロワグロファミリーの手になる星持ちレストラン。
    1980年中盤に小田急百貨店と業務提携。
    当時はビックリしたモノでした。
    そもそもフランスの誇り高きグランメゾンが、百貨店と提携することそのものがビックリの上、そのお相手が三越でもなく高島屋でもなく、小田急百貨店。
    一体どうして…、って業界的にビックリニュース。
    とは言え彼ら、トロワグロブランドを丁寧に、大切にしかも大胆に育てて今や「トロワグロのある百貨店」ってほどに両者は密接な関係性を発揮している。

    troisgro.JPG特にパンブティックは焼きたてパンから、デリ惣菜まで手広く扱いここ新宿でも華のひとつになっている。
    ここのお店のパンも当然パンブティックの。
    パリッと堅い表面に中はムチッとしているココの細焼きバゲットは見事なおいしさ。
    バターも何も必要としない、それそのもので完結している気軽なゴチソウ。
    それをユックリ味わって、料理を待つのもまたウレシ。

    本館8階。
    西新宿の超高層ビルを借景にしたこじんまりとした「カフェ」を作ったのが今から3年前のコト。
    同じ小田急が経営しているハイアットリージェンシーの中には「ミッシェル・トロワグロ」ってグランメゾンがあってそちらは本格的なフランス料理。
    こちらはカジュアルラインで、プリフィックスがメインのスタイル。
    前菜にメイン、そしてデザートがそれぞれ何種類か揃ってて、それらを選んで自分の好みにあわせて今日の献立決める。
    前菜+メイン、あるいはメイン+デザートが基本的なメニューになっているのが百貨店の中にあるレストランだなぁ…、って感じる、オモシロイ。

    仕事の合間というコトもあり、前菜とメインで今日の合理的なるランチ構成。

    d01a13e5.jpeg今日のチーズと小さなサラダという料理。
    青カビ、山羊にハードタイプと3種類のチーズがそれぞれワンピースずつ。
    松の実、オレンジの皮のシロップ煮、ハーブ野菜のオリーブオイルとオレンジジュースであえたもの。
    ライムとはちみつ、ミルクで煮込んだクスクスなどが、大きなお皿にちらかっている。

    それらをそれぞれ。
    別々に食べたり、あるいは組み合わせをたのしんだりと、食べ手としてのイマジネーションに挑戦してくる盛り付け方。
    だからどこにフォーカスすればいいのか、被写体としてはかなり厄介。
    これに限らず、モダンなフランス料理はその散らかり具合に比例して上等な料理になってくきらいがあって、だから写真を撮るのがむつかしくなる。
    これも2枚、同じアングル。
    ほぼ同じところから撮った画像で、その一枚は一番後ろ。
    もう一枚は一番手前にピントを置いた。
    このクスクスがなんともおいしく、舌の上に置いたときにはポッテリ重たく、ところがパラッと唾液を含んでそれがほぐれて、ライムの香りをたたえた切ない甘さを口に広げる。
    チーズのうま味を引き立てる。

    81d11e29.jpegあぁ、ワインがのみたくなる料理。
    チーズだけれど、白いシャルドネ。
    ニュージーランドのリースリングあたりもいいかも。
    口の中にひろがっていくチーズの味を、ワインでやさしく包み込み香りの変化をたのしみたい。
    そしたら次のメインディッシュがやってくるまで、豊かな時間になるのになぁ…、って。

    仕方ないから発泡水をいただきましょうと。
    そのセレクションがほとんどないのがちょっと残念。
    ココはデパート。
    だから地下に降りればいくらだって発泡性のミネラルウォーターを手に入れるコトができるはず。
    なのにこうしてボクはペリエを飲んでいる。
    不条理すぎて、気持ちがちょっと冷たくなっちゃう。

    メインディッシュで選んだ魚はスズキのヴァプール。
    分厚い切り身を蒸したところに、ビスキュイ生地にベーコンの香りをくわえて焼いた帯をクルンと巻いたメゾンらしき見事な一皿。
    緑のソースは菜の花のピュレをつかったポッテリとしたバターソースで、極力クリーム使わずトロミとうま味を出そうってトロワグロ的料理世界をニッコリ味わう。

    9edf57cc.jpegこれも大きなお皿にまるで絵をかくように料理がキレイに盛り付けられてる。
    菜花のソースを煮詰めて絵の具のようにしてそれで草木を描いた部分。
    舐めるとホロッとほろ苦く、緑の香りにむせるよう。
    アーティチョークの芯を蒸し、柑橘酢にてマリネにしたモノ。
    ツルンとなめらか。
    噛むとくチュッと潰れてそら豆みたいな据えた香りを漂わせてく。

    春という今。
    緑がテーマの付け合せ。
    ブロッコリの小さな頭だけを集めて軽く炒める。
    芯はコリコリ。
    蕾の部分もパラパラ食感壊さずに、味はニンニクと赤唐辛子。
    ペペロンチーノ味のそこに、カリッと揚げ焼きしたちりめんじゃこ。
    サクサクそれが奥歯で砕けて、シットリとしたスズキの食感をリズミカルにする。
    それにしてもちょっと不思議な組み合わせだなぁ…、って聞いてみたらば、この皿のテーマは「春の相模湾」。
    だからスズキも相模湾から直送されたものなんだという。
    なるほどちょっと気がきいている、オモシロイ。
    前菜も、メインのお皿もほどよき量で、ご婦人がたならこれで十分かもしれないけど、ボクのお腹には少々いささかたよりなく、もう一皿、メインを追加しようかなんて思ったりする。
    まぁ、我慢…、おいしいモノをほどよき量で満足できるお腹にしようと、アールグレイを食後にもらいゴクリとのんで終わりとす。

    258e419f.jpegこの店。
    実はトロワグロさんが日本で一番好きなお店なのだそうです。
    堅苦しい気取ったレストランじゃなくて、カジュアルなカフェ。
    料理をたのしく味わうために、人の気持ちをおだやかにする軽いしつらえ。
    そしてお料理。
    お腹に負担にならぬ料理で、毎日来ても飽きないようにできている。
    だからココが好きなんだ…、って。

    そうだろうなぁ…、と思いはする。
    料理はおいしく、なにより今のフランス料理のムード、雰囲気をたのしめる。
    けれど料理以外が少々貧弱。
    例えばサービス。
    フランス料理のコトをしらない女性スタッフばかりでやってて、何か特別なコトをたのもうとするとちょっと戸惑う。
    百貨店の日用雑貨の売り場フロアにあるというのもちょっとかなしく、フランス料理をたのしんだあと、売り場にでるとなんだか貧しい気持ちに戻る。
    これがもし、伊勢丹だったらまるで違った環境になるかもしれない。
    あるいはこれが新宿御苑の中にあったら…、どれほどステキでカジュアルなたのしい場所になるだろう。
    次にここに来るときは、好きな靴を履いてそれをずっと見ながら、ひたすら下をみつめて百貨店の売り場のコトを見なくてすむようにしてこようか…、って思ったりもした。
    さて仕事。



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    ふふふ
    最後の靴のくだりおかしすぎです(>人<;)
    すえよしさん / 2012/04/17(Tue) /
    だって…
    > すえよしさん
    贅沢なモノはその前後までが贅沢であってほしいですもの…。
    地が出ちゃいましたか(笑)。
    サカキシンイチロウさん / 2012/04/17(Tue) /
    うわア!
    羨しいです。笑
    伊勢丹は伊勢丹!
    小田急は小田急!
    別物と致しましょう 笑
    小田急のデパ地下野菜売り場は大好きです。凄く 楽しくて 見ているだけで お肌が潤ってきそうです。
    ゆかさん / 2012/04/18(Wed) /
    ハルク
    > ゆかさん
    ボクの母は小田急ハルク派。
    活気があって、特別なモノはないけれど普通のモノが当たり前に揃っているって言っていました。
    あちらは新宿三丁目。
    新宿といえば小田急…、そう思うことにいたしましょう!
    サカキシンイチロウさん / 2012/04/18(Wed) /
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