四ツ谷の駅前、飲食店が建ち並ぶ商店街の入口近くに「エリーゼ」っていう洋食の店がありました。
洋食の店。
炒め料理と揚げ物のどちらもおいしく、だから繁盛。
営業時間の間はずっと行列できるほど。
こうしたお店は大盛り系のお店が多いとこ、ボリュームじゃない、ほどよい品質と上等な味でお客様を引きつけていた、大人のお店。
とても好きな店だったんだけど…。
一年ほど前。
突然、閉店。
しばらくしてから名前を変えてリオープン。
「かつれつタケダ」という名になって、その名の通り揚げ物料理だけのお店になっちゃった。
お店のご主人が、揚げ物に命をかけたいって気持ちもあった。
けれどあまりに忙しくって、フライパンを振りながら、そのかたわらで揚げ物揚げるコトができなくなってしまったというのが一番の理由だったのでありましょう。
今日もやってきたらばお店に4人も人が働いていて、けれど料理をまともに作れる人はご主人ひとり。
考えてみれば、天ぷらの店は天ぷらだけを作って普通、当たり前。
一緒に焼き鳥も焼いてちょうだい…、ってそんなお店が信頼されるはずはない。
いい判断だったのかもしれないなぁ…、フライパン料理を食べたければ四谷三丁目のあの店に行けば堪能できるわけだし、お客様を独り占めしないこうした判断、悪くない。
とは言え、やはりメニューのバリエーションが減った分、行列がいつもできてる状態ではない。
でも飲食店って忙しすぎるよりほどほど、けれどずっと忙しいほうがいいんだよなぁ、と思ったりもする。
デミカツとキスのフライの盛り合わせ。
鶏もも肉がクチャっと歯切れて、パン粉がサクサク。
口の中をちらかるさまがたのしいカツにドッシリ濃厚なデミグラスソース。
それをタップリかけまわした、ここの名物。
豚とは違ったムッチリ感が、ココの花が咲いたようにサクサク口の中を散らかるパン粉とソースにピッタリしてる。
ご飯がすすんでしょうがないのがウレシクもある。
デミソースって一時期、古臭くって重たいだけのソースだって敬遠される傾向があった。
ファミリーレストランのハンバーグなんて、和風ソースばかりになってしまったほどでけれどやっぱり無性にデミグラスソースのコトが懐かしくなる。
スパイシーで焦げた香りが香ばしく、肉をおいしく味わうための大切なモノが揃っているような、そんな気がする、アリガタイ。
キスのフライにタルタルソースがついてくる。
…、のだけれどそれはなるべく使わずに醤油をかけて味わった。
カツやフライの醤油をかけると、油臭さが帳消しになり焦げた風味が食欲そそる…、特に魚関係のフライに醤油はなかなかたのしい組み合わせ。
キャベツに醤油とごまドレッシング。
お皿の上にいろんな味が溢れだし、それらが混じってどんどんおいしくなっていくのがこうした料理のたのしいところ。
ご飯に壺漬タップリのっけて、カリコリ食べて口をリセット。
ほどよく満足、そして満腹、時代にあわせて変わっていた進化の味をたのしんだ。
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