サカキノホトンブログトップなトップ

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トップなトップ

新宿西口の喫茶店。

「珈琲店トップ」という店で、渋谷のこの店には昔、かなりお世話になった。
道玄坂の坂の途中にあったお店で、シットリとした大人の雰囲気。
決して安くはないけれど、値段に見合ったおいしいコーヒー。
そしてカチッとできたサンドイッチがそろってて、それが好きでよく通ってた。

トップっていう名前。
それゆえ一時期、ボクはざくろグループがやっているカレー専門店のトップスの喫茶部門かと思ってた。
まるでそれは勘違いだったのだけれど、それほど品位があって気持ちいい大人のお店。
田舎から出てきてまだ数年の、２０台のボクにはちょっと背伸びのお店。
いろんなコトを学んだ店でもありました。
東横線を日常的に使う学生時代が終わって渋谷の街そのものに縁がなくなり行かなくなった。
けれど先日、新宿に支店があるっていうのを聞いてそれで今朝は、ひさしぶり。

ロゴもマークも昔のまんま。
キラキラとしたテーブルの上も昔のまんま。
全席喫煙オッケーというところまで昔のまんまで、だからか朝からギラギラ系のサラリーおじさんがタバコを吸うため集まってくる。
ギラギラとキラキラの競演という不思議な空間。
嫌いじゃないね、むしろ好き。

ここのサンドイッチの品揃えはとても独特。
中でもオープンサンドイッチが多く揃うのが特徴で、サラミやサーディン。
オイル漬けの牡蠣と、コーヒーのお供というより酒の肴みたいなラインナップ。
今朝はサーディン、たのんで食べる。

たっぷりバターを塗り込めた、トーストの上にほんの少しの粒マスタード。
そこにイワシのオイルづけ。
ひとつひとつがキラキラしてて、まぶしいほどの一切れを口に運ぶと魚の香り。
あぁ、いかん。
薄めに作ったスコッチの水割りを飲みたくなるのが玉に瑕。
罪な食べモノ…、でも旨い。

噛むとジュワッとおいしい油。
ホロッと鰯の身がほぐれ、海のにおいが鼻から抜ける。
こんがり焼けたパンの香りと食感がそれを追いかけ、スッキリ口をリセットをするなんともたのしい組み合わせ。

サイフォンで一杯づつ丁寧に、落としてくれるコーヒーの軽い味わい。
ミルクを入れると一瞬にして「コーヒー牛乳マイナス砂糖」になっていく、なつかしいのがオモシロイ。

それにしてもココのテーブルの上でキラキラしているシュガーポット。

コーヒーがやってきて、お店の人がコーヒーカップを置くと同時にそっとポットをカップの横に置き直し、蓋を持ち上げポットの縁にひっかける。
砂糖を好きなだけお使い下さい…、って言うメッセージ。
それにしても、上手く引っかかってるなぁって思ってみたら、蓋にひっかかりがくっついている。
いいなぁ…、こうした工夫。
しかもポットの裏もきれいにキッチリ磨かれていて、中に収められてる砂糖がなんだか上等なモノに思えるほど。

ミルクを入れた小さなピッチャーもピカピカ。
コーヒーカップにカップソーサー。
お冷グラスに灰皿までにロゴスタンプがきざまれていて、自分のお店に誇りを持ってる。
そんな感じがするのがステキ。
日本の喫茶店の全盛期。
その良き時代をそのまま今に伝える多分、最高峰のお店のひとつ。
このままずっとがんばってくれればいいのになぁ…、って思ったりした、さぁ、仕事。

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