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2024/11/28 (Thu)
東京をナノルそば処
外食の大手チェーンが、蕎麦屋に参入するコト。
もしかしたら流行っているのかもしれないなぁ…、と思わせる店。
新宿の高島屋の近くにできた
「そば処東京」
っていう店。
香港やニューヨークにあるのならまだしも、「東京」って名前をそば屋に付けるという、なんてセンスなんだろうってまずそのネーミングにちょっとビックリ。
高級感がただよう外観、小さな入り口。
まるで小体な割烹料理店みたいな風情。
ドアがなくって大きな暖簾越しに中をのぞき見ることができるんですけど、外から見えるお店の中が間接照明だけで、薄暗くって大人のムード。
じっと見てると呑み込まれてしまいそうな近寄りがたさを発散してる。
えいやっと入ると、丸い大きなテーブルが3つ床から生えている。
そのテーブルが黒御影石なのでございますゆえ、ますますダイニングバー的風情を盛り上げる。
椅子はない。
立ち飲みバルのような空間。
けれどそこで作られてるのは蕎麦という、つまり立ち食い!
なんたるビックリ、ミスマッチ。
一体誰がやってるんだろう?…、って実は、フレッシュネスがやっている。
やっちゃった感がかなり漂う不思議な存在。
前払いで注文します。
商品はもりそば、あるいは肉そばという2種。
これはねぇ…。
港区の芝公園で花開いた某店の名物商品の肉そばを、なぞったモノと言いますか…。
パクったモノと言いますか…。
煮込んだ肉の旨みを加えた付けダレで、そばをスルンといただきましょう…、というそば業界の人が一時期、かなり注目をした料理。
チェーンそば店の「そじ坊」がチェーン展開を企んでテスト店舗をつくってみたり、つけ麺で有名な「辻田」ってトコが同じようなコンセプトの店を開店させたりしたことがある。
今から3年ほど前でしょうか?
そのほとんどが失敗をした。
今は無いお店の方が多いくらいで、なのに今更…、どうしたの?って感じであります。
どうしたの?
肉そばたのんで食べてみます。
ちょっと待ちます。
注文が入って茹でて、水でしめ、丼に盛りそこにタップリ煮込んだ肉とネギを山のようにのせ、つけ汁添えて、さぁ、どうぞととても丁寧に作っているから。
細くて黒っぽいそばがタップリ。
300g近くあるというのも肉そばをメインにしてるお店に共通していた特徴。
突き出し式で作ったのでしょう…、角のないちょうど韓国の冷麺みたいな麺質が、みずみずしくてとてもなめらか。
塩がきつめの付けダレに麺がよく合う。
まだ熱々の煮た牛肉もかなり強めの味付けで、タレをつけずに蕎麦と一緒に口に運ぶとほどよい味になっていたりする。
ざるやせいろと一緒かというと、決してそうじゃないニューウェイブ。
蕎麦の風味や出汁の味わいをたのしむ料理ではなくて、蕎麦の食感と出汁の気配を土台にし、肉を味わうそんな料理になっている。
ちょっと面白い工夫もあって、薬味を使いたい放題ってところ。
しかも薬味が充実してて、大根おろしに揚げ玉にゴマ。
釜揚げしらすに生卵。
白髪ネギやら、ラー油におろしにんにくなどなどただのざるそばたのんでも、十分薬味でたのしめる。
おもしろいのが丸いテーブルの真ん中部分が一段グイッと持ち上がった構造で、それがグルッと回る仕組み。
中華料理の円卓の上のレイジースーザンみたいな具合でなかなか便利。
好きなモノをお好きなだけ…、って今の気持ちに正直でよい。
ワインバーに立っていそうな女性スタッフが働いているのもこの店ならでは。
食べ終わろうとするとニッコリ、蕎麦湯を片手に近づいてきて「薬味のラー油をためされましたか?」って聞いてくる。
肉そば系のお店のどこもがラー油を薬味に食べることを推奨してて、ここも同様。
たしかにラー油をタレに混ぜると、ビリッと味がひきしまる。
ラー油の辛さとごま油のコクのある風味がおいしさ掻き立てるのがとてもたのしい。
商品は悪くないけど、でもこの店をこれからどうするつもりなんでしょ…。
やっぱり出口は海外出店。
それしかないんじゃないなかなぁ…、ってそんなコトを思ったりした、さて仕事。
今日は本当にあったかい。
[0回]
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2010/04/19 (Mon)
丸の内リム:和
Comment(4)
富士一エッグ
新宿にあって、まっこと新宿らしくない店。
「富士一」っていう定食屋。
最近、この界隈はビルの解体工事が結構、頻繁で、だから工事の人が作業着のままお店にズンズン、やってくる。
大衆的なお店はこうした「働く人」が「働く格好」で気軽に入れる雰囲気じゃなきゃダメ。
今でこそ、絶好調の餃子の王将。
かつて白いタイルがピカピカしてる立派なお店をたくさん作り、作業着の人がこれなくなって苦境に立ったコトがある。
日本という国のステキなとこは、こうした大衆的なお店でサラリーマンと作業着の人が同じテーブルで同じ食事をできるトコ。
海外。
特にアメリカなんかじゃこうした景色はとても稀。
いつもはこの店。
お父さんとお母さん、それに若いお兄さんの三人で切り盛りしているお店なんだけど、今日はお母さんがちょっと用事で遅れてくるっていう。
だから少々、てんやわんやでテレビをみながらちょっと待つ。
ハムエッグの定食、食べます。
ご飯に汁にタクワンに海苔。
千切りキャベツの上に、玉子2個とハム4枚で作ったハムエッグ。
黄身まで火を通してくださいね…、ってお願いをして出来たのがコレ。
ひっくりかえして、けれど黄身は潰さずにキレイに焼けたボク好み。
良く焼いた目玉焼きは端っこがバリッとおいしい。
油で揚がるように仕上がって軽くサクサク。
白身の甘味と、焼けたたんぱく質の甘い香りがとてもおいしい。
醤油をかけます。
昔から、目玉焼きには醤油をかける。
焦げた香りが引き立って玉子の甘味をたよりに味わう、ご飯のおかずにしっくりとくる。
玉子を焼いた油がキャベツにゆきわたり、しんなりとしてこれまたゴチソウ。
甘めの味噌と白菜の甘味がビシッときまってる、味噌汁もまたいい感じ。
ご飯ガッツリ、腹一杯。
お店も満タン。
おじさんたちがタバコ、プカプカ。
煙モクモクで、スタバにそれで避難する。
スタバでドリップ。
ちょっと時間をおいてさまして、ゴクゴク飲んで口とお腹をスッキリさせる。
タバコの煙と無縁のおいしい空気もココの、オゴチソウ。
そう言えば今日は「ボーズビーアンビシャスの日」なんだそうでありますネ。
1877年って言いますから、今からもう130年以上も前の今日、かのクラーク博士が北海道を去ったを記念して…、って言うこと。
少年よ、大志を抱け。
なかなか味わい深い言葉ではございませぬか。
野望ではなく、あくまで大志。
それはおそらく「少年の心の中に」あるべきモノでだから「ボーイ」と「アンビション」は表裏一体。
いつまでも少年らしく無邪気で素直で、純粋であれ…、というコトなのかもしれません。
Be Ambitious!
さぁ、仕事。
[0回]
2010/04/16 (Fri)
丸の内リム:和
Comment(6)
こいわしランチ
昼、軽く丼。
新宿の伊勢丹会館に入ってる「安芸路酔心」。
このお店。
入居しているビルを伊勢丹の駐車場側から入ると地下。
ところが靖国通り側から入ると一階にあるというロケーション。
新宿も坂の街なのでありますル。
広島に本店をもつ、瀬戸内料理の専門店。
売り物は牡蛎と釜飯。
夜にくると、土手鍋をつつきながら酒を飲み、釜飯で〆…、って気軽な会食でオジサンたちが盛り上がっているなかなかの店。
昼は魚を煮たり焼いたり、あるいは釜飯メインの定食が手軽な値段でたのしめる。
ココしばらく、肉ばっかりで魚を食べてなかったよなぁ…、と。
それでやって来ることにした。
ここのランチ限定の名物料理。
こいわし丼。
小魚がタップリあがる瀬戸内ならではのおゴチソウ…、それが小鰯。
広島に言って、さぁ、酒でも飲みますかってまず最初にでてくるのがこいわしの刺身。
あるいはこのこいわしを唐揚げにしたのがタップリやってきて、さぁ、宴会…、ってコトになる。
安い。
けれど新鮮なうちにハラワタを処理しておかないとすぐダメになっちゃう。
小さな魚の腹を指でしごいてキレイにしていく、その手間を味わうようなモノ。
そのデリケートを売り物にする、というのもなかなか出来ぬコト。
四角いお重にビッシリ、小さな鰯の半身が80切れほどでしょうか?
つまり40尾ほどのこいわしが、キレイにさばかれズラッと並ぶ。
刻んだアサツキ、それから生姜。
あとは飯にタレというシンプルこの上ない一品。
こいわしの切り身、ひときれひときれが甘辛い出汁にしっかり使って飴色してる。
噛むとネットリ。
青魚の匂いはまるでほとんどなくて、かわりにヒヤッとたのしい食感。
小さいクセしてプリプリ、口の中ではぜるような逞しさ。
ご飯にもしっかりタレがしみこんでいて、どこを食べてもひとしくおいしい、というのがステキ。
コックリ出汁のキチンときいたおすましに、自家製漬け物。
丁寧な昼をたのしんだ。
ところでこの店。
女性はみんな着物でサービス…、というのが売り物。
ひとりひとりの人柄と経験をいかしたおもてなしがまた良いお店でもあるのだけれど、今日、新人さんが一人いた。
着物の裾さばきもままならぬ、ぎこちなさ。
一生懸命のそのさまに、がんばって…、って思ってみてた。
そしたらボクの隣のお客様。
70近くの落ち着いたご婦人が、彼女に商品を提供されるついでにこう聞く。
「お嬢さんは、まだ入ったばかりなの?」
ええ、そうなんですと小さな声で答える彼女に、「着物を着こなすのって大変でしょう?がんばってね」って声をかけてた。
そうだよね…。
がんばって、ってそう思ったら言葉に出して励まそう。
ちょっと反省、これからもっと心がけます、ニッコリと。
[0回]
2010/04/05 (Mon)
丸の内リム:和
Comment(2)
サンショクテイショク
歌舞伎町の中。
今は閉鎖中にして再開発待ちの旧コマ劇の前の角っこ。
立ち食いそば屋の「後楽そば」。
個人的な書類がちょっと必要になり、それで歌舞伎町。
新宿区に住んでいると「役所に用事があるから、ちょっと歌舞伎町まで」って一言が自然に口をついてでるようになっちゃうところがおもしろい。
そう言えば、歌舞伎町の目抜き通りの名前を「区役所通り」という理由が本当にそこに「区役所」があるからということ。
ボクは長らく無知でいた。
せいぜい「元」区役所があった場所に因んでそう呼ぶぐらいだろう…、って。
この役所。
メインフロアの一番人の出入りが多いところになんと、外国人登録専用窓口がある。
これも場所柄、結構、ボクはオキニイリ。
ランチタイムをはるかに過ぎた歌舞伎町というこの街は、まっこと静かで場末感がじっとり漂う。
朝からの雨が歩道を濡らし、センチメンタルな風情すらある。
用をすませて、小腹みたしにと顔を出す。
かつての通勤経路にあった、有楽町の駅ガード下にもある店だけど、このチェーン店。
お店ごとにメニュー構成が違うのかここにはあって、そこにはない。
なつかしの商品にお目もじしましょう…、といそいそと。
やってきまして、食券買ってこれが来る。
三色定食。
かき揚げのった天ぷらそばに、焼きそば、それから炊き込みご飯。
これのそばをうどんに変えた「浪速定食」っていうのもここにはあって、それを選ぶとうどんの出汁も薄口醤油と濃厚出汁でととのえた関西風に入れ替わる。
それもまたおいしいのだけど、今日は昔、なつかしの味。
まだボクが、オーバー100kgの自分の体を維持するために大量の炭水化物を必要としていたころの好物をそのまま味わってみよう…、とそれでオリジナルの三食定食。
そば、中華麺、それからご飯と見事にどれもが炭水化物。
けれど不思議とそれぞれ役割分担がしっかりあって、例えば炊き込みご飯は当然、ご飯の役割。
蕎麦は汁。
焼きそばはソース味のおかずの役割。
だからこれでひとつの定食が成立してたという次第。
どれも味のメリハリはっきりきいていて、中でもここの炊き込みご飯は絶品クラス。
若干、シットリとして柔らかめの炊き上がりではあるけれど、おこげがタップリ混じってて焼きそばや濃いめの蕎麦ツユと一緒に食べても決して負けない田舎風。
これでおにぎり作ったら、おいしくできるだろうなぁ…、ってそんなことを勝手に思う。
そばを半分、やきそば半分、やっつけたとこでお行儀の悪い一工夫。
焼きそばをかきあげそばの丼の中にバサッと入れて、「つゆかけ焼きそば」のようにする。
これが不思議とおいしいの!
関西風のスッキリとしたうどん出汁ではこうはいかない。
醤油の風味が強くって辛味がコッテリ濃厚な関東風の蕎麦の出汁だからこそ、焼きそばくんだりでへこたれない。
色黒出汁に焼きそば炒めた油がキラっとコク、添える。
中濃ソースのスパイシーな香りと味わい。
ほんの少々、酸味を帯びた焦げたソースが和風の出汁に徐々にまじって、味がユックリ変わってく。
より濃厚に。
スッキリとした後口で、和風の出汁の旨味を決して壊すことなく、でも奥行きをあたえてくれる。
ズルズルスルンとお腹がポッカリ、あったかになる。
昔はこれを一気に食べ上げ、それでも満腹にほど遠かった。
今はさすがに最後の方が、なかなかお腹に入っていかない。
それでいいんだ…、って思って食べる。
これから一駅、歩かなくっちゃ!
[0回]
2010/03/24 (Wed)
丸の内リム:和
Comment(6)
新宿、中嶋、鰯のランチ
昼を中嶋
。
新宿にあって珍しいほど、キッチリとして地味だけれども真っ当な割烹料理店。
あのミシュランの星をとりさえしたお店。
カウンターの中に板場。
奥に厨房。
いくつかの個室をもって「旨い物に集中したい」人にもやさしく同時に「会食」なんかにも使い勝手良い。
夜来ると1万円は覚悟しなくちゃいけないお店。
そこの昼。
和食の華は包丁を自由自在にあやつりながら、素材を次々、切り出していく板場の技術。
だから主人はカウンターのまな板の前に貼り付いて、魚を見事な料理にしつつ厨房の中の作業を差配する。
采配見事にふるいつつ、お客様との会話をつなぎ気配りできて、はじめて立派な料理人になるんだよ…。
と、その修業をさせてくれるのが、人を育てるいいお店。
けれど高いお金をワザワザ払ってくれる人を相手に修業じゃ、申し訳ない。
そこで昼。
若い衆だけに任せて料理作りだけじゃなく、店を営業する経験を積みましょう…、と。
お客様に迷惑かけぬよう、素材はひとつ、鰯だけ。
料理は全部で5種類だけで値段も手頃、1000円には届かぬ値段でたのしんでもらおう…、というそんな趣向のこのランチ。
開店と同時にお店は満タンになる。
二人できます…、それで料理を3つたのんでシェアーする。
まずはお刺身。
ちょうど座った場所が板場の真っ正面で、まな板の上でキレイな鰯の半身が次々、刺身にひかれていくのが目の当たり。
見事な手際に惚れ惚れします。
定規で計ったように幅が揃ってきられた鰯に、大葉とゴマ。
それをこんもりお皿に盛りつけ、すったショウガと一緒にどうぞ!
刺身につきもののツマすら置かぬ、実質的な姿形が潔い。
丁寧に小骨を抜いた切り身ではある…、けれどときどきカリッと小骨が奥歯に当たる。
けれど決して不快じゃなくて、魚を食べてるって気持ちになれる。
何より目の前。
たった今し方、これがこうして刺身になったというその臨場感にウットリしながら、次を待つ。
鰯の柳川。
パン粉をつけて揚げた鰯の半身のフライ。
それを柳川鍋に入れ、タマネギ、そして玉子でとじた文字通りの柳川鍋で、グツグツしながらやってくる。
温度を感じる料理はうれしい。
湯気が踊るとそれでお腹がすいてくる。
一切れ箸で持ち上げて、口に運ぶ途中でご飯の上にのっける。
タレでご飯がほんのり汚れる、そこを食べるととても上等な玉子丼みたいでおいしい。
そしてフライをパクッとやります。
衣が出汁をタップリ吸って、ちょっとシットリしてはいるけど揚がったばかりのサクッと香ばしい気配を感じる、おもしろい。
ほどよく固まる玉子の食感…、フルフル、やんわり。
油が混じったタレのコクと濃厚さったらありゃしない。
鰯のふんわかした食感もまたゴチソウ。
最後のひとつは鰯の煮付け。
骨までやわらか。
ほどよく太って、うろこがキラッとうつくしく煮てなお鮮度抜群な美味。
全部で5種類のおかずが揃うここのランチのメニューは他に、フライと塩焼き。
フライを玉子でとじたのものが柳川で、だからそれをほとんどボクはたのまない。
もうひとつの塩焼きは、本当に丸々太った鰯が入荷したときだけの幻メニュー。
いまだ一度もそのご尊顔を拝見することもないまんま、今日もやっぱり品切れだった。
今度来たときあるといいな…、と思いつつ、今日の料理に身をゆだねます。
オゴチソウ。
料亭の出汁に、強めでコクのある味噌をシッカリといて作った濃厚味噌汁は食堂風。
キャベツとキュウリの浅漬けもサッパリとして歯ににぎやかな噛み応え。
炊き立てのおいしいご飯。
おかわり1杯分は無料という、しかも一杯分はほどよき分量。
かならずおかわり促すようなその気配りがボクは好き。
ゴチソウサマとお店を出たら、ズラッと行列。
おいしい料理は人を呼ぶ。
[0回]
2010/03/18 (Thu)
丸の内リム:和
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