昼にやさしい料理を食べたい…、新宿に用事があって行ったついでに安芸路酔心にやってくる。
広島料理のしっとりとした落ち着いた店で、伊勢丹会館の地下にあって周りの喧騒が嘘のようにユッタリとした大人のお店…、この歳にしてココにくると大抵ボクが最年少というお店であります、今日もそう。
着物をキレイに着こなす女性スタッフと、スーツにハッピを羽織った店長。
何事もこの人たちに任せておけば心配がないに違いないって思える安心感と、いつも同じ空気、雰囲気が漂っている安定感がたのしい先味。
熱いほうじ茶、冷たいお水、陶器の箸置き、あさがお模様の割り箸がズラッと並んで、それに冷たいおしぼり一本…、分厚いタオルにウットリします。
割り箸の袋の表に季節のお花。
先日来たときは梅雨のはじまり、だからあじさい模様…、ひっくり返して裏をみるとそこにはじめてお店の名前が見つかる趣向。粋であります、大人的。
小イワシ丼を選んでたのむ。
小魚がおいしく豊富な瀬戸内海で、中でも広島の人が愛でて飽きぬ魚が小イワシ。
新鮮でピチピチしたのを指でお腹を開いて内臓キレイにしごき、たまり醤油に漬け込みそれをギッシリ並べる。
ご飯の上にだし醤油。
小口に刻んだあさつきをタップリ散らして、そこに飴色になった小イワシをギッシリ敷き詰め千切り生姜で風味を添える。
ひんやりしてて、ネットリ舌にからみつく醤油に浸かった小イワシと、パラリとちらかるご飯粒…、カサカサあさつきが歯茎をくすぐり青い香りを吐き出し消える。
旨いなぁ…、本当に旨い、オキニイリ。
ボクがたのんだ分で今日の小イワシ丼がソールドアウトというのがしんみりウレシクて、なおさらおいしく感じるゴチソウ。
それから「瀬戸内カツ丼」っていうのがあって、どんな料理かとたのんでみれば丼の上にさまざま素材のフライがのって、軽く玉子でとじたモノ。
ブリッと歯ごたえたしかなエビに、穴子にタコ、小イワシ、それからゴボウと味わい、食感それぞれ異なる具材をカサッと軽く揚げてる…、天丼の衣をパン粉に代えたみたいなにぎにぎしさとたのしさがあり、これはこれでなんともおいしい。
小イワシ丼には貝の旨味のおすましがつきカツ丼の汁は赤出汁だというのがこれまたうれしくて、しかもどちらも出汁の旨味がドッシリしてる。
ほどよき量で、お腹とココロが満たされて、ゴチソウサンとあとにする。
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