梅雨があけ、夏本番のまさにこの時期…、どんどんおいしく感じる料理が鰻の蒲焼き。
鰻を食べにまいります。
新宿駅の西口、地下にあるお店。
「双葉」に来ます。
おいしい鰻のお店がいろんなところに沢山ある。
この新宿の周りだけでも何軒もあり、それぞれ独特。
例えば「宮川本廛」は、フワフワしてて箸で持ち上げるコトもできないほどに蒸し上げられた江戸前鰻。
ご飯とご飯の間にまでも鰻を入れた「中入れ丼」は豪奢で旨くはあるけどちょっとボクの好みとは違った食感。
思い出横丁には「うな丸」っていうこれぞ大衆うなぎ屋っていう風情のお店があって、ブリっと食感たしかな鰻。
悪くはないけど、お店の人がぶっきらぼうで食べ手が逆に遠慮しなくちゃいけないところが玉に瑕。
いろんなところに支店を持ってる、大衆鰻で有名な「登亭」はバランスとれてはいるけれど、タレが甘くてそっけない。
ボクの好みに一番ピタッとあっているのが、ここ「双葉」。
フックラしてる。
けれどムッチリした鰻の食感は残ってて、関西風と関東風の真ん中みたいな感じ。
民芸調の店の風情も落ち着いて、大人なお店の感じがします。
鰻の大きさ、切り身の枚数で大中小と三種類。
今日は「中」を選んでたのむ。
注文すると、お茶と分厚いタオルの熱いおしぼり。
キャベツと山椒の実の塩もみと、キュウリとしらすの酢の物がくる。
本当はココで、ぬる燗もらって酢の物食べつつ待つのが粋…、なのでしょうけど、お茶を片手にボンヤリします。
江戸のうなぎ屋では鰻をたのしむための「うな重」。
ご飯でお腹を一杯にする「うな丼」という具合に役割分担がある。
お重は漆塗りの木箱で一方、丼の方は分厚い陶器。
手に伝わってくるゴージャス感がまるで違って、それが上等、大衆的の区別になってる。
けれどココ。
全部「丼」。
しかもその丼が、漆のお椀になっているというところがステキ。
四角い箱のお重は持ち上げるのも難儀する。
器に直接、口につけて食べることもままならず角に唇あててワシワシ、ご飯をかき込まなくちゃいけなくなるのが、お行儀悪くてなさけない。
それに比べてココの丼。
手のひらにスッポリなじむ形と、ピタッと貼りつく木の質感。
手に伝わってくるご飯のやさしい温かさ。
そんなやさしいもてなしが、ボクは大好き。
脂ののった鰻がシットリ、前歯で噛むととろけるようで、けれどシッカリ歯ざわり、歯ごたえ残ってる。
ホツホツとした固めのご飯も鰻の食感にピッタリで、やっぱりココのコレが好き。
何よりスッキリとしたタレがおいしい。
甘さ、辛さのバランスが良く、しかもシッカリ香ばしい。
何度も何度も、鰻を焼いてはタレにつけ、鰻の脂と炭で焼かれた風味がタレに移って味わい深くした。
時間をかけてどんどん美味しくなっていく。
老舗の味わい。
専門店のおいしさなのでありましょう。
サッパリとしたキャベツの漬物で口をリセットしながらハフハフ。
そして肝すい…、キレイなおすまし。
出汁の香りが直接鼻をくすぐる上等。
クニュクニュとした肝が奥歯の間を逃げまわり、エイヤと噛むとプチュっとおいしい苦味が走る。
これが元気の素なんだなぁ…。
体が不思議とあったかくなる、力がお腹の底からみなぎる、そんな感じでゴチソウサマ。
土用の丑も、もうちょっと。
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