昼を新宿…、中嶋という割烹料理屋さんにくる。
新宿には珍しく、真っ当にして上等な板前割烹…、夜にくると8000円からのおまかせ料理のお店となる。
昼だけ気軽な定食の店…、イワシを使った料理をふるまう店になる。
若手の調理人だけでお客様のもてなし方を実践しながら学ぶ学校みたいな営業…、初々しくて気持ち良い店だったのだけど、実は先日、来て少々、クオリティーが下がったなぁってちょっと残念に思ってた。
そして今日…、あぁ、良かった、本来の状態が戻って来ているって安心します。
イワシを使った料理は全部で5種類ある。
刺身に煮付け。
塩焼き、フライに柳川鍋とそれぞれ選んでご飯と汁に漬物がつき800円から900円。
頭がさがる値段で提供されている。
しかも仕事はとても丁寧。
例えば柳川鍋なんて、細かなパン粉をつけて揚げたフライをクツクツ、出汁で煮込んで玉子で閉じてる。
パン粉に出汁が染みシットリ…、にもかかわらずカラッと揚がったパン粉の風味は損なわれない、見事な出来栄え。
それからまるまる太ったイワシをじっくり煮込んだ煮魚は小さな骨はそのまま食べるコトができるほどに柔らか。
脂がじんわり、口の隅々潤すゴチソウ。
素材選びの目利きの見事にウットリします。
目利きといえば、ここのメニューで「塩焼き」だけにいまだお目にかかったコトが実はなかった。
焼いておいしいサイズのイワシがなかなか入荷しないから。
今日もダメかと思ってきたら、ご用意できますというではないの。
勇んでたのむ。
たのんだ次の次の注文で本日分は完売でした。
運の良きこと、アリガタイ。
しかもやってきた焼いたイワシの大きいこと…、あと一回りも大きくなればアジと呼べるのじゃないかしらって思うほどに大きく、しかもコロンとまるまる太ってる。
皮目に細かに斜め格子に包丁を入れ、塩をキレイにほどこして焼いたイワシのうつくしいコト。
箸でさわると皮がパリッと音たてこわれ、中からフックラ、身が顔覗く。
当然のように食べると旨い。
青い魚の力強い香りとうま味が口一杯に広がって、鼻から抜ける。
見事であります。
腹を開くと中からキレイなワタがでてくる。
タップリ、しかも色美しく形が壊れてないのにウットリ。
食べるとビリッとほろ苦い。
けれどその苦さが消えるとうま味にたちまち入れ替わる。
これで冷酒を飲んだら旨いに違いない。
けれど今日は昼食終われば用事があって、だから我慢でご飯のおかず。
固めに炊けたご飯もおいしく、自家製漬物、ポッテリとした野太いうま味が広がる味噌汁とどれもが見事にご飯のおかず…、おかわりしました、ニッコリと。
イワシのワタをご飯にのっけて、そこにイワシの煮た汁を、タップリかけてザブっと食べる…、苦味と甘味が一緒に口にやってきて、なんともおいしい。
体の中に元気がみなぎるような味わい、癒される。
昔は魚を食べるのが苦手だったボクではあります。
皮がどうにも食べられなかったり、骨を外すのが面倒だったり…、けれど今ではかつての苦手がたのしくて何よりおいしい魚は皮もうまけりゃ、身離れもいい。
今日のイワシもキレイサッパリ、おいしく味わい、丸裸…、すべておいしく何よりずっと憧れていたモノに出会えたというコトに感動、またこよう。
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