夕方、前からちょっと来たかった店をのぞきましょう…、とそれで早めに軽い夕食。
歌舞伎町のど真ん中。
現在、再開発中のコマ劇の裏。
その周辺には游玄亭の本店や、早い時間からずっと街の行列で人が溢れかえってる、つるとんたんがあるエリア。
一階にはかなり有名なラーメン店。
小さなビルのその2階。
「にぎにぎ一」という寿司屋が一軒。
去年の年末。
この界隈をうろうろ歩いていたときに、へんな店名の店があるよなぁ…、って思ってちょっとお店を覗いた。
お店のライトがついていたのです。
ところがお店の中は静かで、ご主人らしい人がひとりで掃除をしてた。
今年は終わりになっちゃったんです…、ってそれでもワザワザお店をあけて、中を覗いていかれますか?と。
なんて親切で気が効いてるんだろうって思って中に入ってあれこれ話しを聞いた。
フラッと気軽に立ち寄って寿司をたのしくつまんでほしいと、立ち食いカウンターをメインにし、テーブル席をいくつかおいた楽しいお店。
1貫100円の寿司がほとんど。
それ以外に季節のモノや天然モノはちょっと値段がはるものもありますけれど気軽な値段で多分、たのしんでいただけると思いますよ…、とそう言われてて、それで今日。
実は今、職人さんがひとりだけなので、ちょっと時間がかかってしまうコトがあるかもしれません。
そのとき、ご主人にそう言われていたので開店と同時のお店にすべりこむ。
カウンターの前。
テーブル席に陣取って、今日のおしながきを手渡されます。
それにしてもお店のキレイで凛々しいこと。
磨き上げられたカウンターに設えられたネタケースがあり、中に見事な魚が並ぶ。
職人さんがもし増えたらば、あそこに立って自分でネタをみながら注文したい…、ってそんなコトを思ってウットリ。
客席に置かれたテーブルは奥行き浅くて、カウンターに座ってるような気持ちになれる。
ネタをみせてもらってもどれもがキレイで美味しげで、何をたのもうと思ってみてもなかなか注文きまらない。
お任せします。
腹ペコですから、おいしいところをまずはいくつか握ってください!
そうお願いしてしばらくまって、やってきた寿司…、ビックリします。
上品で、ちょっとこぶりな寿司であります。
指になじむ大きさで、舌にのせるとほどよき重さ。
頬張る感じじゃない上品で、まさに「つまむ」感じのステキ。
しかもシャリの味が適度で、ネタの風味を邪魔しない。
シャリでお腹を満たすタイプの寿司じゃなく、ネタの旨みを味わうお寿司。
天然の鯛、ヒラメがムッチリ。
正しく熟成させましたという、白身の旨みが濃厚でネットリ舌にからみつく。
天然マグロの中とろの、スッキリとした酸味もさわやか。
一皿目があっという間にお腹におさまる。
そのうち続々、お客様がやってきます。
常連の人がほとんどで、待つ気満々…、まずは刺身をつまんで酒でもたのしみましょうとそんな感じで、寿司を握るペースがちょっと落ちます…、まぁ、しょうがない。
二皿目にはのどぐろに鯖、白身の魚と続きます。
お皿が完成するごとに、職人さんが自らテーブルに料理を運んでくれるのですね。
そしていちいち、ネタの説明をしてくれる。
今日の鯖は愛媛県でとれたので、ブリっとしまって噛むと脂がキトっとにじむ…、青い魚の独特の磯の匂いにウットリします。
コハダはキラキラ、しかもムッチリ、むせるような香りが鼻からいく。
塩で食べるイカの甘くて、ネットリとしゃりと混じって口の中にてトロトロまるでペーストみたいになっていくのにウットリします。
貝のお皿は驚くべきモノ。
たった今、殻からはずして準備しましたという北寄貝。
ミルクのようにトロンと濃厚な旨みジュースを吐き出して、ほのかでたのしい渋みを残して消えていく。
まつぶ貝はビックリするほどに肉厚で、ジャキっと歯切れて貝独特の甘くてドッシリとした旨みを吐き出しなくなっていく。
今の季節は貝がただでも美味しくなって季節であります…、冬の旨みを堪能します。
白えび、それからウニの旨みもコッテリしてて心がたしかに満たされる。
こりゃ、スゴいや。
一流の寿司屋のネタとかわらぬ品質…、それがこんな値段で気軽に食べられるとは…、って、唸るように感心しつつ次々食べる。
冬ながらというネタもいくつか。
例えばしらこ。
軽く熱をくわえることで下ごしらえして、生臭さなんてまるでない。
食べるとプチュンと白子の粘膜が壊れて中から、トロンとクリーミーな白子の本体がながれだす。
海苔の風味と、シャリのホツホツした食感が白子のとろみをひきたて旨い。
海の滋養が体の中に染みこんでくる…、そんな味わい。
焼いた穴子を塩でどうぞという一品も、穴子の風味がそのまま直接、鼻の奥へとしのびこみ脳天直撃する美味でした。
ほどよくお腹を満たしてなんと、ひとり3000円ちょっとという信じられない値段でたちまちファンになります、また来なきゃ。
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