「天一」にゴチソウ天丼を食べに来る。
伊勢丹の中のお店で、ひさしぶり。
ココで写真を撮ると赤みがかった写真が撮れる…、それというのもテーブルが色鮮やかな朱色をしてて、それにセンサーが反応してしまうんでしょう。
20年くらい前からのことでしょうか…、天一の新しいお店のほとんどが、この赤いテーブル、黒い椅子、メタリックなアクセントをほどこしたインテリアデザインになっていったときにはかなりビックリしたものでありました。
あまりに天ぷらの専門店のイメージとかけ離れていて、「どうなんだ?」って思ったけれど、考えてみれば「和風なイメージ」の中には「渋さ」もあれば「みやび」もある。
日本を代表する建築様式のひとつでもある神社建築をリスペクトしているんだ…、って思えば思えないこともない。
今となってはもう自然。
カウンターで食べる天ぷら定食も良い。
けれどココではいつも天丼。
ドッシリ立派な丼に、ワザワザ蓋してやってくる。
しかも蓋からはみ出すように、中の天ぷらが覗いてる。
蓋を手に取り開けると中からおいしい香りが湯気と一緒にやってくる。
丼つゆをタップリ吸い込みしんなりしてる。
しかも蓋され、ご飯の蒸気で半ば蒸らされたようになっている。
一般的に「揚げ物」はサクサク揚がって乾いた食感をたのしむようにできている。
フライなんて湿気厳禁。
なのに天丼の天ぷらだけは、揚げたて状態を台無しにして愛でる不思議な料理でござる。
けれど、たれにくぐらせることで余分な油がとれる。
ご飯の上にのせてしばらく蒸らしてやるコトで、衣の油とタレが混じりあい濃厚な味がご飯に移って「天ぷら+ご飯」では味わうことができぬ風味が手に入る。
「丼」っていう料理はつまり「ご飯をおいしく食べる」ための料理であって、そういう意味でこの天丼って料理はまさしくただしい丼料理。
特にココの天丼用のご飯はホツっと粒がたってて、歯ざわり軽快…、タレをまとってツヤツヤ輝き、口の中で転がるゴチソウ、オキニイリ。
通常、ここの天丼はエビにきす、穴子にかき揚げ、季節の野菜。
それにシイタケのエビの真丈詰めが具材になっている。
そのひとつひとつがおいしくて、完成された組み合わせではあるのだけれども、「季節の天丼」っていうのがあった。
たまには違ったモノを食べるのもいいだろう…、って。
たのんで食べる。
エビが2本。
尻尾までもがキレイで肉はプチュンと甘い。
カリッと尻尾が香ばしい。
季節の野菜はアスパラガス。
ほのかな苦味がふきのとうのような感じで、洋野菜のクセして天ぷらにピッタリはまる。
ホタテの柱にタラバの脚肉、小柱と小エビのかき揚げと、冬の海の幸がタップリ。
ひとつひとつが味わい深くて、しかもエビの頭がカリッと。
脚がホロホロ、口の中で崩れて香り、頭の中には味噌がタップリ…、蓋を取りそのサクサクが損なわれぬうちにすぐに蓋に退避させ、一番最初に一個パリポリ。
そして最後に残りの一個をサクサク食べて、お腹におさめる。
天丼以外のサイドの料理もシッカリしてる…、中でもサラダ。
レタスにキュウリ、オニオンスライスと具材はシンプル、そこにタップリ、生姜風味のドレッシングをかけまわしシャキシャキとてもみずみずしい。
特に玉ねぎの辛みがキリッと、油で疲れた舌を洗ってリセットさせる。
シバ漬け、大根の葉の浅漬にタクワンそれぞれ歯ごたえさわやか、しじみがタップリ入った赤だしも八丁味噌の酸味とコクが味わい深く、お腹の中がシアワセになる。
またがんばって、やってきましょう…、オキニイリ。
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