昼を新宿…、軽くておいしいモノを食べようと、それで「酔心」。
瀬戸内料理のお店でござる。
松山にいた頃、瀬戸内海を挟んで対岸の広島にいき、このお店で食事をするのがたのしみだった昔からあるお店にして、ボクが小さな頃から老舗。
民芸風の店づくりとか、テーブルの上の小物に至るまで変わらない、昔のままがなつかしい。
お店のホールで働いている人。
みんな和服をキリッと凛々しく着こなしていてこれもこれにてなつかしい。
伊勢丹会館の中にある店。
それも地下。
目立たぬ場所で、けれどお店の開店と同時にザザッとお客様が飛び込んでいく。
みんなシニアな人たちで、女性もいれば男性もいて郷土料理、特に魚がおいしいお店は性別こえてみんなに支持されるものなんだなぁ…、と思ったりする。
最近、若い人が集まる店より、こうしたお店が落ち着くのって、やっぱりボクもシニア予備軍ってことなんでしょう…、それも良し。
小イワシ丼をたのんで食べる。
広島の日本料理屋さんにいったらまずたのもう…、と思う食材。
カタクチイワシの小さなサイズ。
ちょっと太めの指ほどのサイズの魚を例えば天ぷら。
フライにするのもまたおいしくて、揚げるとフックラ、存在感の強いワカサギ。
それをそのまま。
指でしごいて骨とハラワタをとりさって、甘辛ダレに漬けてご飯にビッシリのせる。
注文してから一尾ずつ仕込んでく。
しかも一人前で20尾ほどを使って作る。
だから時間がかかります。
ゆっくりお茶を飲みながら、待ったご褒美にやってきたのがこのうつくしさ。
キラキラ銀色に光ったイワシが、タレをゴクリと吸い込んで身は飴色に透き通ってる。
薬味のネギの細かなことと、そのたっぷりにウットリします。
味がシッカリついております。
ですからそのままお召し上がりくださいね…、と言われてイワシを持ち上げめくると、下のご飯にもタレがかかっていて、どこを食べても味わいシッカリ。
ムッチリ奥歯にまとわりついて、けれどサクリと歯切れてネットリ、ご飯と混じって渾然一体。
ネギがシャキシャキ、モッタリとしてしまいそうになる口の中をサッパリさせてひと口ごとにみずみずさを発揮する。
これです、これです、瀬戸内の美味、オゴチソウ。
一緒についてやってくる、汁がお澄まし。
中にドッシリ、大はまぐりが入っててそれが良き出汁、吐き出している。
朱塗りのお椀の蓋をあけると汁が白く濁ってて、この濁りこそがうま味の元よ…、とウットリしながらふうふう味わう。
わかめに三つ葉が食感、香りを与えてくれて、お腹にやさしいオゴチソウ。
量もほどよく、おなかに負担にならぬところがまたありがたく、ちなみに値段も900円弱…、午後の仕事の元気がでます、また来よう。
関連ランキング:郷土料理 | 新宿三丁目駅、新宿駅、新宿西口駅
ちなみに貝つながりにて、ちょっとスゴい動画をひとつ。
YouTubeにアップされた動画のタイトルは「Clam Eating Salt On Table」ですございますです…、ココロして!
はまぐりをテーブルに置き、まわりに塩を置いておいたらこんなコトになっちゃったっていうもうビックリな内容で、最初は静かにしていた貝が、まるで舌を出すようにペロンとでてきて塩をペロペロなめはじめるのでありますけれど、ソロリと舌を出すその気配。
ひと通り、塩を舐め終わると何食わぬ顔して、再び舌を飲み込んで殻を塞いで、そのままジッとしている様子。
その一連の仕草がとても人間臭くて、生きてるんだぁ…、って再認識。
この動画を元に一本、宇宙生物モノのホラーが撮れそうな内容でもある、オモシロイ。
[7回]
PR