久しぶりにあったゴキゲンな人と一緒に飲みはじめると、もっとたのしく飲みたくなる。
場所を変えて飲み直し…、と気づけばはしごで酒を重ねるコトとなる。
どうしてもその人を連れていきたかった店。
新宿のスタジオアルタの裏側に「イーグル」というバーがある。
古いビルの地下一階。
小さな階段を降りていくと、マホガニーの壁に囲まれた天井の高い別世界がある。
上から立派なシャンデリア。
大きなカウンターの中には、笑顔のバーテンダーがいて、酒も料理もステキにおいしい。
なによりサービスがすばらしくって、まるでクラシックなホテルのバーにやってきたような気持ちにさせてもらえるお店。
にも関わらず…。
サラリーマンが自分のお小遣いで部下の分までおごれる程度の値段設定。
特に女性が絶対よろこぶ、安全、安心、そして明るい雰囲気がある。
東京で知っていると絶対得する。
こうしたお店のおなじみさんになれる大人はステキな大人。
そんなお店があるんですよ…、と。
それでやってきたらば満席。
100席近くはあるお店なのに、ウェイティングまでかかっているという状況で、どうしようか…、とちょっとがっかり。
そしたらお店の人がいいます。
近所に支店があって、そこならテーブルがひとつだけあいているのですがどうですか?って。
そりゃ、ありがたい。
よろしくお願いしますと言って、電話をかけてもらいお店の場所を書いたショップカードをたよりに「昴」という店にやってきました。
上等なクラブのような店作りにて、お店の中にはギッシリ、お客様。
ほとんどの人がスーツ姿で、年齢にして40、50代というアダルト、しかも男性7割といった感じでありましょうか。
今の外食市場において、元気がないと言われてる顧客層がココでは主役というステキ。
そのほとんどが料理を食べてる。
ココの料理は「酒のおつまみ」を超えた立派な「一品料理」揃いで旨い。
おなじみさんは自分のひいきの料理をもっていて、メニューを開く前にまずはそれをたのんで「ボクは、この店に何度か来たことがあるんだよ」って意思表示する。
お店の人も、このお客様はうちのコトを知っていただいているんだなぁ…。
おなじみさんなら、何か得するヒントを教えて差し上げなくちゃ、とひとことふたこと、耳打ちをする。
ボクもいくつか、いつもたのんでる料理をたのむ。
野菜スティック。
キュウリ、にんじん、エシャロット、それにセロリが氷と一緒にグラスに刺さってやってきてそれと一緒に自家製ペイスト。
胡麻とかにみそ、梅干の果肉をあわせて作ったモノで、これだけなめても酒の肴になるほど旨い。
酸味にうま味、それにスッキリした香り。
しばらくするとうやうやしく氷を持ったお皿の上に、レイズンバターのような料理を飾ったモノがやってくる。
かにみそバター。
かにみそをバターと混ぜて筒状にして、レイズンバターのように味わう、酒の肴にピッタリのコレ。
コッテリとした蟹のうま味に、サラッと口溶けの良いバター。
それからココにきたお客様のほとんどがとる「霜降りビーフ」。
これも大きなお皿の上に氷を盛って、そこに生の牛肉。
それから白髪ネギ。
お店の人が、薄切りにした生肉に白髪ネギをのせクルンとくるむ。
カウンターに座ると目の前で、お店の人が見事な手際で肉でネギをくるむ様子を見ることできて、だからカウンターじゃないとダメってお客様もいたりする。
キレイに包んだ生肉を再び氷の上に並べて、さぁ、どうぞと。
ほんのりすっぱい醤油のタレにトプっと浸して味わう一品。
ムッチリとした牛肉が、奥歯にからみついてくるような肉感的な食感に、シャキシャキとしたネギの歯ごたえ。
噛みしめるうちに、肉のうま味がじわっと口に広がってネギの辛味がピリッと味をひきしめる、ひんやりとした生肉がお酒で火照った喉やお腹をクールダウンしてくれる。
酒と一緒に食べるに適した、とても上等なオゴチソウ。
それからピザ。
具材はアンチョビとマッシュルームというシンプルさ。
ザックリとした昔懐かしいピザの生地。
サイズは小さめ。
タップリチーズで、ピザというよりとろけたチーズを手づかみにして食べる料理のようなコレ。
昔の喫茶店で売ってたピザを、限りなく上等にしたような味わい。
なつかしい。
料理をタップリたのしんでいただこう…、とそのためココのお酒は安い。
特に今。
一部のスコッチやバーボンが、なんと一杯200円。
アーリータイムスをソーダ割りにしてもらっても200円にて、昔風味のピザをバーボン飲みつつ味わうなんて、なんて大人なたのしみだろう…、って。
ほどよく飲んで、お腹を満たしおごちそうさまとお店を出る前、割り勘したらなんとひとり2500円にも満たない値段。
ひさしぶりに来て、なんてステキな店なんだろう…、って再確認をする夜となる。
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なんだかまだまだ話し足りない…、〆をしながらもうちょっと、飲んで今日の〆にしようかとそれで四谷三丁目。
ヘイ、タクシー!と車を止めて乗り込みお好み焼きを食べにくる。
「ワイワイ」っていう、小さなお店で、けれどかなりの実力派…、広島風のお好み焼きをおいしく作ってくれる店。
ワイワイって名前だけれど、いつも静かでのどかな雰囲気。
お店はワイワイしてないのです。
ここのお店のご主人は、もう何十年もおそらくココでお好み焼きを焼き続けているはずなんだけど、まるで手際がよくならない。
見ている方がハラハラするほど、ぎこちなくってときどき次はどうしよう?って、手を止めながら料理を仕上げていくのですネ…、ベテランなのに初々しい。
これもひとつのエンターテイメント…、そう思いつつ鉄板の上を見ながら出来てきたのをみんなでハフハフ食べ、騒ぐ。
仕事のコトやこれからの日本のコトを熱い鉄板を囲んで熱く語る夜。
なんだかしみじみシアワセを、感じて熟睡…、Thank God It's Fridayな夜のコト。
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