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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    昼、伊勢丹のキッチンステージでランチをとる。



    定期的に変わるメニューが、今日はスペイン料理。モダンスパニッシュという料理分野を日本に紹介して、根付かせたシェフの料理を味わえる。
    それでちょっとワクワクしながら来たワケです。
    いつも通り食事の前に手渡されるレシピを兼ねたリーフレット。
    「スタイリッシュなスペインのフィンガーフード」とコメントがあり、このスタイリッシュなってスペインという単語にかかるのか、フィンガーフードの方にかかるのか不明瞭にて、ちと笑う。
    おそらく「スペインのスタイリッシュなフィンガーフード」ということになのだろうと思うことにする。



    ちなみに厨房の中はかなりドタバタしてます。
    ずいぶん作業が多いようで、調理スタッフがひとりずっと、つききりになり野菜を丸く型抜きしてる。
    前菜のピンチョスが6種。どれもとてもデリケートな形をしていて、仕込みながらの調理でそれで時間がかかる。
    それに、大量の端材が出るのが気になって、なるほど、もしかしたら、スタイリッシュとは大量にゴミを出すことなのかもしれない…、と思ってしまう。



    ぼんやり待ってやってきたのがこのお皿。
    軽く二口。大きく口をあけて一口という大きさのピンチョス6つ。
    サンドイッチ以外は基本的にオープンサンド。
    パンを油で揚げたものを土台に上に、料理をさまざまのせたモノ。
    むっちりとした鶏レバーのパテ。エビとカニのマヨネーズ和え。サーモンクリーム。ネギとパプリカのムースと食感、味わい、風味も多彩。ナイフフォークが置かれているけど、思わず手で持ち口に運んでパクリとしちゃう。



    スパニッシュオムレツはジャガイモのホツホツとした食感がそのまま残って、なかなか上等。
    大量なゴミを出した末にできてる根菜類のミルフィーユ。ビーツにニンジン、紫いもにサツマイモ。それから大根と同じ形に抜かれてスライス。それらが次々、前歯を叩いて歯切れる食感はかなり贅沢。
    なるほど、たしかにスタイリッシュな食感します(笑)。
    イベリコハムとモツァレラチーズを挟んだ小さなサンドイッチ。これを「BIKINI」と彼らは呼んでて、BIKINIサイズって意味じゃないよね…、って笑って食べた。



    グラスに入ったガスパチョは、トマトの酸味、甘味と旨み。赤パプリカの香りと風味。オリーブオイルがなめらかで、喉をやさしくかけおち体を潤すおいしさ。
    串に刺したコンディメンツが、ガーリックトーストとスイカというのが夏らしく、気持ちが好きっと涼しくなった。

    メインはカルドソ。サラサラとしたスープかけご飯のようなスペインのお米料理のひとつでござる。



    これがもう少しぽってりと粘り気帯びるとメロッソになり、夏にはさらっとこういう食感の料理がうれしい。シーフードのと野菜のカルドソが用意されてて、おじさんてきには野菜が気になりそれにする。
    お皿の中は見事に緑。グリーンアスパラ、ほうれん草、角切りのカブが食感添えてズッキーニやら枝豆、インゲン。いろんな野菜の味や旨みや苦味が口に広がるたのしさ。
    ただ味が少々たよりなかった。なによりいつも以上に時間がかかったうえの状態。同じ厨房、スタッフでもプロデューサーが変わるとこういうことになる。
    料理の世界は深くて、そしてむつかしく、だからとてもあいらしい…、と思って帰る。仕事です。


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    料理にスタイリッシュさは必要か?
    と、たまに思います。
    スタイリッシュな料理を食べてもスタイリッシュな人になれるわけでもないし…
    何より、「それが何でできているのかよくわからない」ことが疑問を引き起こす種なのかも知れません。
    お化粧ガッツリで、もとの顔の造りがよくわからない人に違和感を感じるようなものかも。

    野菜の端材も捨てているのだとしたら、本当にもったいないですね。
    端材を集めて「18種類の野菜のポタージュ」なんていう料理も、ある意味ではスタイリッシュなのかな、と。

    そんなことを考えつつ、サツマイモの素揚げ(お弁当のおかずの残り)に舌鼓を打つ肌寒い朝でした。
    RHEIAさん / 2015/08/25(Tue) /
    ほどよいスタイル
    > RHEIAさん
    スタイルにもいろんな種類があるんだと思うのですね。
    ファッションの世界は、自分がたのしければなんでもありの自由な世界。
    けれど食事。
    特にお客様をもてなす飲食店の料理において、スタイリッシュであるべきはお客様であって、料理ではないとボクは思います。
    偉そうな料理は大嫌い(笑)。
    サカキシンイチロウさん / 2015/08/25(Tue) /
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