夜、家の近所にて軽くすませる。
ちゃんぽん酒場「哲」という店。
今年の春に友人に教えてもらってためしてみたら、なかなかコレが本格的。
しばらく通っていたのだけれど、ちょっとご無沙汰。
ひさしぶりにきたらばちょっとお店が暗い。
節電モードなのかなぁ…、と最初は思った。
けれど暗く感じたのは照明が暗いだけじゃなく、いつもは二人でやってるお店の中に今日はひとりだけ。
無口でひたすら料理を作るのに徹するおじさんでひとりきり。
いつもはもう一人、元気でニコニコしたおばさんが外でサービスしているのだけど、そのおばさんが今日はいない。
だから余計に暗いように感じてしまう。
もしかしたら、人を雇うコトができなくなってしまったのかなぁ…、ってちょっと心配しつつ、ならばちょっと奮発して、応援しようかとあれこれたのむ。
厨房の中に向かってあれこれ、それこれ…、まずは餃子とそれから一品料理をたのむ。
メニューがちょっと前と変わって、一品料理のサイズが2種類。
おつまみサイズが出来ていて、それじゃぁ、それをと焼豚炒めってのと茄子の芥子炒めをとった。
少量の料理を作るのにもキチンと鍋を振らなきゃいけない。
手間のかかるコトを厭わずやる、という一生懸命。
がんばってるな…、って思います。
ちゃんぽん酒場という名の通り長崎ちゃんぽんがメインの店で、夜は軽くお酒も飲める。
ラーメン屋さんで餃子をつまみに飲む酒ってなんだか気軽でおいしく感じる。
かつて郊外にあったラーメン屋さんの夜の売上の半分以上は、餃子+ビールやチューハイで出来ていた。
それが道路交通法が変わってお酒を気軽に飲めなくなっちゃって、餃子までもが売れなくなった。
ちょうど最近、焼肉屋さんでユッケが売れなくなったと同時に、ビールまでもが売れなくなった。
それで売上までさがっちゃった…、と。
何かが売れなくなるとそれだけ分の売上がさがるだけじゃない飲食店。
なかなか微妙で、難しい。
ココの餃子はいい意味で、素人臭くてボクは好き。
プルプルした皮。
ホツホツとした肉の食感と、ザックリとした食感が残った野菜がたっぷりはいって、具材は全部手作りなんだろうっていう感じ。
料理上手のおかぁさんが作ったみたいな餃子で、結構、これがおいしい。
特に皮がパリッと焼けているのが、さすがプロの厨房仕事って思ったりする。
焼いた豚肉はプルプルと。
中国料理の肉の扱い方ってちょっと特別で、歯ごたえなくさせやわらかに、脂プルプルというのが彼らが好む食感なのでしょう。
プチュっとお皿にマヨネーズ。
そこに七味をたっぷりふって豚肉にマヨネーズを塗りたくり、千切りキャベツと一緒に食べると一気に場末感とでもいいますか。
運動部の練習が終わったあとの食事のような雰囲気がする…、悪くない。
料理を食べてる途中でいつものおばさん登場。
足りぬ食材を買出ししてたようでして、ニコニコしながら、あら、いらっしゃいと。
お店の中が明るくなった。
なにより厨房の中のおじさんの鍋ふる後ろ姿が、なんだかホッとしたような感じがするのが、見ていてちょっとホッとする。
ここの名物のブラックチャーハン。
たまり醤油とカラメルで黒い色をつけているのネ。
炒め油はラードでだから香りが甘い。
コッテリとしたうま味とパラパラした米粒の食感が、これまたプロの手際を感じる。
具材はシンプル。
刻んだチャーシュー、玉ねぎに炒った玉子に青いネギ。
全てがご飯の味とパラパラした食感を引き立てるために存在している。
ただ味がちょっと塩辛くおじさんちょっと疲れてる?って思ったりする、しょうがない。
そしてちゃんぽん。
典型的なる長崎ちゃんぽん。
キャベツにもやし。
かまぼこ、イカゲソ、そしてエビ。
大きく分厚いキクラゲがゴロゴロたっぷり。
口の広い丼の上に一杯。
麺が見えぬほどにタップリドッサリのっかっていて、野菜を食べるって感じがステキ。
シャキシャキ、野菜の食感たのしい。
スープに野菜の味が入って、甘くて旨い。
なによりゲソの強いうま味が印象的で鶏ガラスープのコクと混じってかなり濃厚。
パンチがあってでもやさしくて、ちゃんぽん@東京としてはかなり好きな方に属する。
ただ、麺がストレート麺ではあるのだけれどちょっと細めなところが残念。
顎にガツンと来てくれれば、もっとおいしく感じるのになぁ。
ちゃんぽんの濃厚スープをゴクリゴクリとやりながら、ブラックチャーハンを口に運ぶとウマさにウマさが重なって、お酒を飲みたくなっちゃうところが困りモノ。
それにしても正直な店。
多分、冷凍庫なんてほとんど使わず済ませてるのでしょう。
食べる寸前まで凍った料理があまりに多くて、そうした料理はみんなおんなじ味がする。
自然はそもそも個性的なモノ。
料理の世界も同じかもネ…、って思ったりする、どうだろう。
そんなコトを思う今日、実は「冷凍食品の日」だったりするのだそうであります。
冷凍の「10(トウ)」、それに冷凍食品の標準保管温度がマイナス18度というコトで今日が冷凍食品の日…、なるほどマイナス18度かぁってなんだか感心してしまう。
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