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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    そういえば、新宿の「銀座アスター」って一体、どうなっているんだろう…。
    522e3a9a.jpegぼんやり思って、それで来てみる。
    伊勢丹の明治通りに面したところの向かい側、かつて映画館のビルがあって、その1Fと2Fにレストランがあり、最上階には宴会場を持っていた。
    かつて会社で打ち上げといえばそこの宴会場を使ってするのが恒例で、ところがそこが取り壊されて新しいビルに変わってしまった。
    下半分はH&M、上の方にはレストランが何軒も…、その一軒がこの銀座アスター。

    597aee0a.jpegエレベーターにのってビルの5Fで降りるとなるほど。
    昔の雰囲気がそこにはあります。
    シックな中国家具が並ぶレセプション。
    明治通りに面した場所がダイニングルームになっていて、大きな窓からあふれる光り。
    開放的で、けれどシットリ、落ち着いていていい店になって帰ってきたんだなぁって。
    ダイニングルームを囲むように個室があって一番奥には宴会場。
    とは言え今では昔のような大きな宴会がないのでしょう…、それほど大きな部屋の用意はなくい。
    時代にあわせてお店は進化していくってコトなんでしょう。

    ランチタイムのセットが2000円から3000円で用意されてて、ちょっと贅沢。
    前菜、スープにメインディッシュ、それから点心、デザートとそれでかなりお値打ち。
    けれど食べたい料理があって、それでアラカルトメニューからいくつか選ぶ。

    まずはスープを。
    ランチ限定のフカヒレスープがあってそれ。
    香港風にとろみのついたオイスターソース風味のスープ。
    やさしいトロミがついていて、ほどよくサイズの揃ったヒレと蟹の身、それからモヤシが浮かぶ。
    モヤシはキレイに髭をとり、しかも太さの揃ったところだけを使って姿も上等…、味もトロンとコッテリとしたうま味があって昼のお腹をやさしくあたため、次の料理の準備をさせる。

    98217854.jpegメインに選んだ料理は上等焼きそば。
    牛ヒレ肉とセロリを具にしたあんかけそばで麺はいかが致しましょう?
    そう聞かれるのがココの昔からのうれしいところ。
    タップリの油でよぉく焼いてください。
    ちょっと揚がったような感じにしていただけると幸せですけど…、って。
    そうお願いして、しばらくまって、やってきたのがこの一品。

    見事であります。
    細い蒸し麺をこんがり焦がし小山にもってそこにトロリと具材をのせる。
    拍子木状に切られたヒレ肉。
    卵白と塩で丁寧に揉まれてそれから油通ししているのでしょう…、驚くほどに軟らかでサクッと歯ぎれる。
    中国の人は肉に対して驚くほどの情熱と執着心で「やわらかになれ」と調理をしていく。
    そこでなくした歯ごたえを、野菜なんかで補い料理に仕上げてく。
    だからこの「肉にセロリ」の組み合わせって、かなりの定番。
    ヒレの風味とセロリの香りの相性もよいのでしょうね。
    それにあわせてゆりの蕾を彩りにして、目にも鮮やか。
    蕾のコリッと表面歯ごたえ軽快で、ところが噛むと、トロンと粘りをだしてくるその独特な食感たのしく、ゴチソウそばにしてくれる。

    1f834aac.jpegそれにしてもココの麺。
    やっぱり好きです。
    極細。
    しかもかなり痩せた、つまり歯ごたえそっけない。
    もちもち感も、ムチムチ感も、スベスベでもない日本の麺が目指す食感をほとんど持たない小麦の塊。
    それを蒸して仕上げているから、熱をたしても時間がたってもあまり食感かわらない。
    多めの油で炒めると、鍋に触れたところはこんがり揚がり、それ以外のところは蒸した麺のまま。
    焦げたところを口に含むとホジホジ、チキンヌードルを半分戻したような食感。
    そこにタップリ、とろみのあんがからんでそれではじめておいしくなっていく。
    麺そのものの味や食感味わうための麺でなく、ソースや具材、あるいはあんをタップリからめてそれをおいしくさせるために存在している麺なんだなぁ…、って。
    練った芥子をそっと乗せると、あんの油がスキッとうま味にかわってく。
    黒酢をかけると、麺が若干シットリ味に変わってくれて、セロリの苦味が甘みに変わる。
    堂々、メインの風格のあるゴチソウ焼きそば、オキニイリ。
    サービスもよく、背筋の伸びるいいお店です…、仕事で次は使ってみようって思ったりした、さて仕事。



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