新宿で昼…、小龍包を食べるコトにする。
新宿で小龍包といえば高島屋の中にある台湾から来たお店が有名。
けれどいつ行っても行列なのでありまして、たしかに並んでまで食べる価値のある料理であろうと思いはするけど、他にもほどよくおいしいお店があるのです。
ペンシルビル。
細ぉいビルの5階にひっそり。
立派な大飯店だったらば、エレベーターホールくらいの大きさしかないんじゃない?って感じのお店。
「厨房阿杏(ああん)」て言う店名で、中国から来た女性の点心師が作るとても丁寧な、小龍包を味わえる。
二年ほど前にはじめて来たとき。
大丈夫かなぁ…、と思うほどお客様が少なかったけど来るたび、お客様が増えてくる。
今日もほとんど満席で、最後のテーブルもらって食べます。
厨房の見える半分個室のようなテーブル。
件の女性の点心師がずっとこきざみに手を動かして小龍包を作ってる。
蒸し小龍包はおどろくほどにデリケート。
薄い皮が細かな襞をなしてクルクル、上へ上へとよじられて小龍包の形をなしてる。
中のスープが見て取れる。
一番てっぺんのよじれた生地が一際、分厚くなったところを箸で摘んでれんげにのせる。
揺するとタプタプ、スープも揺れる。
箸でチョコンと生地に穴あけ、唇をつけチュチュっとすするとコッテリとして濃厚な肉味スープが口の中へと流れこむ。
サラッとしていて、けれど唇が貼りつくようなゼラチン質を感じるスープ。
小さな団子状のひき肉。
そこからタップリ流れだすスープをすすりなめらかな生地と一緒に団子を味わう。
こんな料理を作り出す、中国の人の美味に対する探究心の凄さに感服。
それからココの名物の焼き小龍包。
こちらは焼いて仕上げるために、形はほとんど同じだけれど分厚い生地で作ってる。
小さな肉まんみたいな形。
フックラとした生地でそれを一旦蒸して、油を注いで底だけバリッと焼きあげる。
これも同じく生地に傷つけ、チュチュっと吸うと肉汁がドバッ。
その肉汁が蒸し小龍包より若干、コッテリ。
濃厚味で、それを生地がちょっと吸い込みシットリしてくる、その食感がツヤっぽい。
底の部分は焼けたというより、揚がった感じ。
サクサク、バリバリ。
シットリとした中の団子の食感と、好対照で思わず笑顔がでてしまう。
トッピングされたゴマ。
それがプチプチ、かじるとはぜて、刻んだネギが青い香りを発散させる。
噛んでいると生地がムチムチ、どんどん食べ応えがやってくる。
ランチはこれら小龍包とメインの料理にご飯とスープがついてひとセット。
10種類のメイン料理からひとつ選べる。
かなり魅力的な品揃えにて、しばし迷うけど来るたび必ずたのんでしまう料理がコレ。
油淋鶏。
油で揚げた鶏肉に、酸味のきいたタレをかけて食べる普通は前菜的に食べるモノ。
けれどここのはメインディッシュ仕様になってる。
鶏のむな肉。
それを二枚にそぎ切りし、軽く叩いて薄く伸ばして衣をつける。
揚げるとサクッと、表面軽く仕上がる。
そこに甘みを加えたお酢。
沸騰させて揚げた鶏の上にジュジュっとかけて出来上がり。
だからタレの味がジンワリ染みこんでご飯のおかずにもピッタリしてくる。
刻んだレタス。
揚げ物なのに食べてるうちにどんどんお腹がすいてくるような、たのしい料理…、オキニイリ。
セットについてやってくるトロミのスープ。
鶏を炊いてとったスープで、スープ自体は透き通っている。
キクラゲ、ニンジン。
ネギが刻まれタップリはいり、トロミの中にユッタリ揺れる。
溶いた玉子をチリチリさせて、喉ごしなめらか。
塩以外の調味料はほとんど使わず、スープのうま味と素材の味だけ。
だからとてもやさしくて、飲むと滋養が体にしみる。
黒酢を少々。
それからタップリ胡椒をふると、酸辣湯の味になってく。
それにしても黒酢って、なんて独特。
昔はなかった味の世界で、今となってはそれがなかった時代のコトを思い出すのに難儀する…、こうした味のモノって他にどんなモノがあるだろう…、って思ったりした。
どうだろう。
一緒にいった人が選んだ料理が2つ。
ひとつは酢豚。
黒酢ではなく甘酢の酢豚。
ケチャップ味がなんだかとてもなつかしい。
しかもココの酢豚がちょっと変わっているのが、豚肉を塊でなく細く切っているトコロなのですね。
それをカリッと揚げている。
だから表面積がとっても大きく、甘酢をタップリ吸い込み味がとても濃厚。
野菜はかなり控え目で、ほとんど肉っていうのがとっても嬉しかったりするゴチソウ。
もうひとつは回鍋肉。
塊のまま茹でた豚肉。
それを薄くそぎ切って、味噌でいためて仕上げるやり方。
本格的で、ココの料理人がシッカリ腕のある人だって、饒舌なほど伝える出来栄え。
キャベツがキュキュッと。
けれどキャベツと同じくらいの分量のネギを使って仕上げる。
本当の回鍋肉はキャベツじゃなくてネギで作るモノっていわれるけれど、日本のデフォルトと本場の流儀の良いとこどりでこうして作る。
いいんじゃないかとそう思う。
それにしてもやっぱり中国料理は仲間と一緒に食べるのが、おいしいネ。
中国料理って分け合う料理。
味わい多彩で、いろんな料理を食べることで味のバランスがとれてくる。
なにより盛り付けカジュアルで、最初っから分け合うようにできている…、料理がいくつか並んだ途端にそこがパーティーみたいな景色になっていく。
今日もゴキゲン…、オゴチソウ。
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