水道橋の事務所で仕事を終えてそれから昼を「七條」。
神保町にある洋食店。
実は昨日。
エビフライを食べたっていう日記を書いたら今日、会う予定の友人が、ボクもエビフライを食べたかったというので、それで。
ココのエビフライは旨いんだよね…、と、移動途中のココで待ち合わせをして食べるコトにしたワケでした。
山高に盛った千切りキャベツ。
それを背にしてエビが3本。
どれも見事に大きくて、天をつくようなめでたい姿。
パン粉をギッシリ。
トンカツ屋さんのパン粉と違って、細かく砕けてタップリ海老にしがみついてる。
だからシャンっとシッポを上に立っているのがなんとも立派。
ナイフでザクッと切るとスパッと、おどろくほどに呆気無く、ブリンと切れる。
切れてけれどもパン粉がまるで剥がれ落ちない。
刻んだ玉子がタップリ入ったタルタルソースをつけるって感じじゃなくて、乗っけてパクリと口の中へと放り込む。
エビの香りとブチュンと歯切れるたくましい身。
甘い、そして香り高い。
口いっぱいにエビのうま味が広がって、揚げたパン粉の匂いがフワッと香ばしい。
これにご飯にスープがついて、1200円という値段ですからコストパフォーマンスは抜群のココ…、土曜の昼に超満員。
オフィス街という場所です。
しかも奮いオフィスビルの地下という、まるで目立たぬ場所にある。
数名、スーツをきたおじさんが土曜出勤のランチにやって来てはいる。
けれどそれ以外のお客様はみんな普段着。
つまり、ワザワザこの店に来るため神保町にまで来ている人たちばかり。
朝から雨です。
しかもどしゃぶり。
この店の周辺に、何かたのしいモノがあるかというとせいぜい、古本屋街。
ショッピングセンターがあるわけでなく、娯楽施設があるわけでもなく、この店でおいしいモノを食べる時間がメインの目的。
やっぱりこの店、スゴイなぁ…。
メンチカツをボクはとる。
メンチカツにはいろんな流儀が存在してて例えばコロンと俵型に作った肉汁ドバッというタイプ。
肉を細かく挽いた上、中に牛脂をタップリいれればナイフを当てた途端に透明なお肉のジュースがほとばしり出る。
最近、はやりのメンチはそうしたスタイルで、けれどココのはその対極。
小判型に形を整え、中には荒挽き。
重宝で叩いて仕上げたミンチだけにて、肉汁そのまま、肉がシッカリ掴んではなさぬ。
口に入れ、噛みしめはじめてジュースがジュワッとにじみだしてくる。
地味ではあるけど、ボクはそうした「肉をおいしい食べる」メンチが大好き。
スパッと切って、中を見る。
ほんのりレアのロゼ色で、それがユックリ、目の前で熱が通って茶色くなってく。
塩と胡椒で風味をつけてスパイス類はあまり使わず肉の風味を堪能できる…、ひさしぶりにて堪能す。
追加で牡蠣フライをとって分けます。
大きな粒の牡蠣のフライ。
サイズを吟味しているんでしょう…。
4貫ついたその4粒が、どれもキチンと同じサイズでパン粉も浅付き。
噛むとサクッと歯切れてパン粉が軽くちらかる。
それと同時に、口いっぱいに牡蠣のうま味がひろがっていく。
ただかつて。
ココの牡蠣フライはもう少しだけ、レアで仕上がり牡蠣がトロンとなめらかだった。
生牡蠣として食べることができる牡蠣だからこその優雅な仕上がり。
今でも同じような牡蠣を使って作っているのだけれど、生で食べることを好まぬ風潮が最近強くて、それで心持ち、強めに揚げるようになってしまったというのですネ。
うーん、残念。
確かに牡蠣はその生体の構造的に菌が入ると絶対外に出さぬように出来ている。
自己責任ではあるのだろうけど、それでもお店も自己防衛をと言うことなのでありましょう…、なんだかちょっとなやましい。
ココの千切りキャベツは独特。
惚れ惚れするほどの超極細で、しかも薄く仕上げてくれる。
だからフワフワ。
普通の千切りキャベツがもってるシャキシャキしてる歯ごたえもない。
フンワカ、モサッと口の中にてほどけてただただみずみずしさを発して消える。
相当多くをつまみ上げ、口の中に放りこんでもあっけないほどすぐ無くなってく…、つまりタップリ空気を含んでいるからでしょう。
キャベツを食べてるというよりも、そこにほどこしたドレッシングを水と食べてるみたいな食感。
揚げ物メインのこの店の、料理をおいしく食べる工夫でありましょう。
クミンシードをくわえてちょっとカレーの風味がするポテトサラダ。
ムッチリ、しかも酸味強烈。
マヨネーズであえてもいるけどお酢を使って味をシャキッとさせている。
一口食べると胃袋キュキュッと引きしまる。
ここのソースはユニオンソース。
これがとてもたのしいソースで、味も濃度もウスターソースと中濃ソースのちょうど真ん中。
サラッとしていて酸味がシャキッと立ち上がる。
甘みは控え目。
スパイシーでエビフライにピッタリしてる大人風味のおいしいソース。
野菜や肉の端材を煮込んだランチスープもしっかり手作り、すべてが変わらぬココの味。
食べてる間もずっとお客様がやってきて、行列作って入れ替わってく…、繁盛店で食べる食事ってやっぱりおいしい、体もお腹もあったまる。
関連ランキング:洋食 | 神保町駅、竹橋駅、九段下駅
[0回]
PR