打ち合わせを終え、移動する前に食事をすませておきましょう…、と九段下にあるビストロにくる。
ル・プティ・トノーっていうお店。
虎ノ門や麻布十番にもお店があって、どこも個性的な場所にある。
公園前とか路地裏だとか。
木々の木陰を借景にした雰囲気のある立地選びが、とっても上手。
お店に入る前より、食事を終えて店を出たとき、ステキな場所で食事をしてた!って思える場所を、かれらは好んで選ぶのですね。
ここのお店もそんな場所。
表通りはかなり交通量のおおい幹線。
なのにそこから入った路地は、昼もしんみり薄暗くけれど風がやさしく抜けて、空気が軽く感じる通り。
そこにひっそり。
ほどよき隠れ家感があってこの界隈に溶け込む雰囲気。
11時半開店というこの店。
お店の前に着いたのが11時10分くらい。
どこかで時間をつぶさなくちゃ…、って思いつつもお店を覗く。
お店の中の開店準備はすっかりできてる。
陽気な笑顔のギャルソンと、目が合いニッコリ。
ボンジュール。
お店の中で舞ってもいいですか?って聞いた。
そしたらなんと、待たなくってもいいですよ。
ランチの準備はできていますから…、って、お店の中に入れてもらってさっそく食事がスタートします。
なんだかウレシイ。
お店に入る前からサービス精神旺盛なコト…、アリガタイ。
10種類ほど用意されてるメインの中から、一つ選べばそれにあわせて値段が変わり、サイドの料理も決まるという定食スタイル。
パスタやリゾット、魚や煮込みがメニューを彩っていて、けれどやっぱり定番料理。
ステックンフリッツをたのむことにする。
フランス料理のビストロでワタクシ的にあって欲しい料理はこれら。
キャロットラペにオニオングラタン。
パテドカンパーニュに、ステックンフリッツという4種類。
これさえあればワインも飲めるし、体もポッカリあったまる。
お腹もふくらみ、元気が腹から湧いてくる。
だからメニューにそれらを見ると、まず確実にたのんでしまう。
しかも今日の前菜代わりの小皿料理が、キャロットラペと言う偶然。
椅子に座ってニッコリとして、気持ちは小躍りしながら食べる。
コツコツ奥歯をたたく、食感ゆたかな細切りニンジン。
オレンジジュースでちょっとしんなりさせていて、そこにビネガー。
それから植物油であえていただく。
細かくきざんだエシャロットが、香りと風味をそえてさわやか。
ニンジンらしい土の香りも力強くて、頭の中がフランス色になっていく。
小皿料理と一緒にグラスワインが選べるんだけど、これから仕事。
酒が顔にすぐでるたちでありそれでグレープフルーツジュースを代わりにもらう。
ジュ・ドゥ・パンプルムースでございます。
フランス語の中でも好きな言葉のひとつ…、パンプルムース。
元気があって優雅でしかもおいしそうな言葉の響き。
足高のワイングラスに入ってて、飲むとカンパリオレンジを飲んでるみたいな味がする。
メインのステーキ。
ガッシリとしたリブロース肉。
時間をかけてジックリやいて表面ツヤツヤ。
肉のうま味を中にシッカリ閉じ込めて、おいしく焼けたフランス風のステーキ一枚。
レタスやハーブ野菜をシャキシャキ、冷たくしたのに軽く塩をふり、油とビネガーであえて作ったグリーンサラダ。
ドレッシングをただかけるだけじゃない。
葉っぱのすみずみ。
裏にも表にもやさしく味をゆきわたらせる。
まさに野菜に「ドレスを着せて」おいしくさせるひと工夫。
野菜がちょっとしんなりしたのも、またおいしくて、口がサッパリ。
みずみずしくなる。
それと一緒に山のようなポンムフリッツ。
フレンチフライでござります。
フランス風のフライドポテトで、つまりフレンチフライと言う名。
けれど本場のフランスにあっては、あまりにこれは当たり前にて、ただのジャガイモフライと呼ばれる。
二度揚げをしてガリッと仕上げる。
噛むと最初はサクッと前歯に乾いた感じ…、ところが中はホクホク、シットリ。
食べてる間に芋のスベスベした食感が、口一杯にひろがっていく…、ステックンフリッツって名前の通り、肉と芋。
ステーキとフライドポテトがほぼ同格に扱われているステキの一品。
塩だけでやき、ディジョンを添えて、ガリッと食べる。
まずは歯ごたえ。
奥歯で千切れる肉の食感。
それき続いてジュワッと肉汁。
口に広がる肉のうま味と脂のコクが、頭をガツンと叩いて消える。
あぁ、生きている!って感じのゴチソウ。
焼いたバゲット。
表面カリッ、中がフックラ。
考えてみれば今日の昼食。
料理のほとんどが、外はカリッと中はジュワッと外と内側のコントラストの違いをたのしむ料理だったりするオモシロさ。
食事の間のサービスも、テキパキ、しかも的確、気持ちの良い店、またこよう。
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