サカキノホトンブログ近江屋の朝

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近江屋の朝

ひさしぶりに近江屋で朝…、お茶の水にてちょっと用事がある朝で、ひと駅前で降りてテクリと歩いてお店にやってくる。

今日はちょっと静かであります。お客様はボクひとり。
通りに面した大きな窓から、差し込んでくる朝の光がぼんやりお店の中まで届く。
お店全体がやわらかな光に包まれ滲んで見える…、うつくしい。
奥へ奥へと深くつながる鰻の寝床のようなお店。入り口部分にはパンの売り場にケーキを飾るショーケース。
そこで買ったパンやケーキを奥のカウンターやテーブルで味わうコトができる仕組みがたのしくて、今日もそうして味わい、食べる。

調理パンを２種類選ぶ。
トレイに乗せて、奥で食べますとひと言告げて、５００円ほど追加で払うとお店に置かれたジュースバーから好きなだけ、何度もとってたのしめる。
このやり方をもう何十年も続けているのがステキであります。
しかもジュースやコーヒーだけじゃなく、ボルシチなんかもあったりして、ランチなんかでも十分満足できる分量、クオリティー。

季節でジュースが変わるところもまたたのしくて、今日は何があるのかなぁ…、って思ってやってくるのも一興。
今日はイチゴとぶどうにキウイ。
もともと「近江屋洋菓子店」というのがここの正式名称…、つまりケーキに使う果物の端材を使って作ってこうしてふるまうのでしょう。水と果物をジャジャっと混ぜて作っただけ。甘さが足りなかったらどうぞ…、とガムシロップが置かれてはいるのだけれど、そのまま飲んでも十分おいしい。
それにココアを合わせてとって、今朝のご飯がひと揃え。

いつも来る度、どうしてもとってしまうのがこの調理パン。
トーストの上に白いソースをタップリ塗って、そこに玉子をポトンと落とす。玉子の周りに細かく刻んだベーコンをタイルのように張り巡らして、焼いて仕上げたうつくしきパン。
黄身の黄色と白身がドレープなしながら優雅に固まる姿が見事。
よく焼けて顎をガツン！を打つような、歯ごたえのあるパンがおいしい。ちょっと甘めで、あとにほのかにバニラの香りがただよってくる…、お菓子と料理の間を行ったり来たりするような、不思議な味わい。
これを見る度、日本の人の手のする仕事の丁寧と、繊細なコトにウットリします。

トーストブレッドでツナを挟んだサンドイッチも固めのパンと、ツナのフィリングのネットリ感が口でひとつに混じりあう、たのしい名作。
キャベツとニンジン、玉ねぎ、それから牛すじ肉がタップリ入ったボルシチ風の煮込みスープがまた旨い。
味はほとんどついていなくて、牛すじ肉の脂の風味と野菜の旨味で味わう趣向。塩と胡椒が置かれてて、それで好みに味を整えたのしむと、いくらだってお替わりしちゃいそうなおいしさ。今日も堪能いたします。

近江屋洋菓子店神田店

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