新春のこの時期…、あそこに行って明けましておめでとうございますを言わなくっちゃ年が明けない…、ってそんな店がいくつかあってそのひとつ、ラインに来ます。
水道橋の駅からテクテクちょっと歩いた路地の中。
いつもの看板見つけてニッコリ。
今年もお願いいたします。
電信柱によりそうかわいい看板を、同じアングル、ほぼ同じ時間帯で何度も何度も画像にしてて、季節によって違った画像になるのがステキ。
冬はコントラストが低くてなんだかくすんだ感じになってしまう。
看板がなんか寒そうで、ご苦労さん。
お店に入ればあったかいんだ…、と足が急いで階段あがる。
ところでなんと…。
知らない間にお店の後ろに、「フライドチキン」って看板が出来てるじゃない?
びっくらこいた。
たしかに今年…、いや、間違った昨年だ…、フライドチキンがブームになるってかなり言われてでもどうだろう。
ブームってほどじゃなかったような。
最近、外食のトレンドを必死に作ろうとしている人たち。
あれが流行るとか、あれが来るとか一生懸命言ってお店を持ち上げるけど、肝心のお客様の気持ちはそれほど動かない。
笛吹けど人は踊らず、業界人が勝手に踊り、覚めた市場は冷めていく。
新しいモノをとっかえひっかえするのじゃなくて、自分の大切なオキニイリをなくさぬように守るコトこそ今の市場の気持ちじゃないか…、って思ったりする。
例えばこんなお店を守る。
無くなってもらっちゃ困るお店でありますゆえ。
お店のドアをそっと開け、「明けましておめでとうございます」と、大きな声で元気にいいます。
それに続いてお店の人が、おめでとうございますってニッコリほほえむ。
これが一番のオゴチソウ。
いつもの席にそっとつき、いつものように注文します。
ハムのトーストサンドイッチ。
それからコーヒー。
セットにしてね…、とお願いをして、しばらく待ってやってくるコレ。
なんとキレイにうつくしい。
ここ独特のレタスのサラダ。
コールスローのような姿で、けれど味は塩と胡椒とほんのすこしの油だけ。
ドレッシングあえというよりも、おひたしみたいな感じでシットリみずみずしい。
千切りにしたレタスを塩でもんでるのでしょう。
一緒にキュウリの千切りまぜて、シャキシャキの中にカリカリとしたキュウリの固い食感が前歯をくすぐりとてもたのしい。
半分ほどを食べてそれからタバスコかける。
酸味と辛味がレタスをシャキッと元気にさせて、朝のお腹が目を覚ます。
それからハムのサンドイッチ。
いつもキレイに焼けているパン。
今日はそれがいつも以上にこんがり焼けててウットリします。
なにより焼きむらがないのがステキで、しかも焦げた香りが甘い。
ここのパンはトーストするのに適したパン。
山高状のイギリスパンで、つまりパンを燒き時に蓋せず生地が膨れるに任せて焼いた軽いパン。
中に沢山気泡が混じって、トースターで焼くとサクッと乾いて仕上げっていく。
ネチネチ、粘ることもなく挟んだ具材の食感をしっかり支える。
トーストとしてよく出来な上、サンドイッチ用のパンとしてもよく出来ている。
オキニイリ。
中の具材はペロンとハムが一枚と、薄くスライスしたキュウリが三枚。
ボクが作るともっと沢山具材を挟む。
けれど不思議なほどにこれら具材の存在感が見事にあって、びっくりします。
ハムをたくさんはさめばハムの味がする…、ってワケじゃないのね。
キュウリをたっぷりはさめばみずみずしい緑の香りがするわけでもない。
パンと具材のバランスで、サンドイッチは出来ているというのところにウットリ。
調味料もほんの少しのマヨネーズ。
それから塩とマスタードという最小限で、なのにシットリ。
マヨネーズのみずみずしさと酸味に風味がシッカリ口に伝わってくる。
これもすべて、パンがカラッと乾いて仕上がり、しかもそもそも生地が軽くできているからに違いない…、素材選びの成否がそのまま料理の出来栄えを決めていくんだ。
そんなコトが勉強できる…、オモシロイ。
小さな玉子のゆで卵。
新年願掛けをかねてスルンと剥いてやろうと気合をいれて殻に挑むも最初は少々、難儀しました。
玉子がおそらく新鮮だったに違いない。
殻にピッチリ、膜が貼りつきそれがなかなか外れてくれない。
白身をなるべく傷つけぬよう、どこかにとっかかりが出来るはずだと試行錯誤をしながら剥くと、自然にツルンと剥けてくところが見つかった。
結果、ペリッと大きく二つに割れて剥け、キレイな玉子を手に入れる。
何事も初動が大切、試行錯誤をしながらきっかけみつけたら、ココぞとばかりに一気呵成に攻めることこそ成功の秘訣なんだと思ったりする。
そしてコーヒー。
カフェラインというお店の名前でありながらココのは昔の喫茶店風。
ドリップコーヒー…、それもかなり香ばしく強めに煎った豆を使った濃厚タイプ。
単純に味が濃いというのではなく、酸味と渋みが強めにできてる。
酸っぱいコーヒーが果たして旨いか?というと、もう好き嫌いの問題だろうと思うのだけど、喫茶店的小さなカップで、時間をかけてゆっくりたのしむコーヒーに適しているとボクは思う。
飲んでるうちにどんどん味が変わってくる。
熱々のときには強く感じた酸味が徐々に、甘みにかわってうつろっていく。
砂糖をいれると酸味がやすらぎ、砂糖の甘みを帳消ししながらうま味に変わる。
今日もコレにたっぷり砂糖、そしてミルクをそっと入れ、大人のコーヒー牛乳みたいにしてたのしんだ。
ゴチソウさまってお店をでると「今年もよろしくお願いします」とニッコリ外までお見送り…、こちらこそ、よろしくお願いしますと応えて、朝の仕事に向かいます。
関連ランキング:パスタ | 水道橋駅、九段下駅、神保町駅
[0回]
PR