東京駅でちょっと時間がありました。
時間は朝でも昼でもない時間帯…、けれど今日は急な移動にて、ここで腹ごしらえでもしておこうかと、それで喫茶店へとやってきました。
駅の前…、大丸百貨店の上の方。
「イノダコーヒ」がお店をそこに構えてて、そこで軽くと…。
遅い時間はほぼ満席な状態が、ずっと続いてときに待たなくちゃいけなくなるような名物店も中途半端な時間にくると案外、暇で窓際にあるカウンターを独占できた。
波打つように設えられた、その凸凹の出っ張り部分をはさむようにして、二人がちょっと親密な位置関係ですわれるステキ。
ビロードの椅子。
真紅の生地が光を受けて、コッテリとした色気を発する。
この写真のこの部分だけをみるとまるで、オペラハウスの桟敷席。
外に見えるのは八重洲の街。
ボンヤリしながら、料理を待ちます。
そういえばこの店。
イノダコーヒーじゃなくて、イノダコーヒっていうのもステキ。
「コーヒ」とそっと「ヒ」を置くように発音すると、京の言葉のようにも聞こえる。
なんだかちょっと、オモシロイ。
まずはコーヒー。
ココのコーヒーにはあらかじめ、ミルクと砂糖が入ってる。
それがデフォルト。
しかもそこに砂糖を沈めたままで混ぜずに。
だから最初は、そのまま飲むと砂糖を入れぬミルクコーヒーの味がする。
ちょっと酸っぱい。
そして渋みが強くって、なのにちょっとだけ水っぽさを感じさせる不思議な味わい。
スプーンの上に小さな角砂糖が乗っているのを端にどけ、軽く数回かき混ぜる。
ほんのすこしだけ甘みがまして、あらあら不思議。
水っぽさがまるでなくなる。
コーヒーの味の輪郭がはっきりしてきて、後味スッキリ。
小さな角砂糖を入れてグルグル入念に、かき混ぜてやると今度はコーヒー牛乳みたいな味になっていく。
砂糖は甘みをくわえるだけのモノじゃないのね。
コーヒーの酸味や苦味をコントロールする、大切な相棒なんだと実感します。
さて、目当てのメインがやってきました。
ビフカツサンド。
ココのサンドイッチはどれも関西風のドッシリとしたサービス精神旺盛のモノ。
そして、これが中でも一番。
分厚いステーキ。
こんがり焼けたトーストブレッド。
パンに滲んで茶色く汚したソースがおいしい彩り添えて上にベロンとグリルドベーコン。
しかもそれが銀皿の上にドッシリ構えてやってくるのに、もうウットリと顔が崩れてカメラを構える手も喜びます。
カプリと齧るとこれが難物。
分厚い上に、かなりしっかりとしたステーキ肉で、ところどころに筋が残っているのですネ…、だから前歯で噛み切ろうにもちょっと難儀してしまう。
ナイフとフォークが添えられているのも、これはサンドイッチというよりもビフカツをパンで挟んだ料理だからね…、というコトなのかもしれません。
スッキリとした酸味がたのしいソースの味わい。
カサカサ、歯ざわりやさしいパン粉にこんがり焼けたパンも上等…、顎をモグモグ動かして、味わいベーコン齧って風味を整える。
あぁ、シアワセと思ってニッコリ、さぁ、行こう!
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