Facebookを本格的にはじめると、いろんなコトが学べてビックリ…、例えば今日、ランチに使った「むさしの」という店もそこで教えてもらった。
ボクの行動範囲に、すばらしい立ち食い蕎麦のお店がありますよ…、って。
「立ち食いとは言え椅子が置いてありますけれど」と但し書き付きで教えてくれた。
調べてみたらボクの会社から本当に近い。
この界隈は会社から九段下の駅に向かうところでもあり、何度も歩いているはずなんだけど、そんなお店、あったかなぁ…、って。
やってきたらば、確かにあった。
のっぺりとした普通の建物にのれんがかかっているだけで、その気になって探さないと見つからないほど小さなお店。
ドアを開けると正面に厨房、メニュー、券売機。
真ん中が通路で、両側の壁に向かってカウンター。
セルフサービスのそば屋であります。
冷たいそばに温かいそば。
トッピングが全部で10種類ほどもありますか…、好みを伝えてしばらく待つと厨房の中で料理をつくるご主人が値段を告げる。
その金額分、お金を券売機に入れてボタンを押すと食券がやってくるという、不思議なシステム…、しかも金額ボタンの押し方がかなり独特。
百円単位のボタンと、10円単位のボタンが並んでいて今日のボクは520円。
500のボタンと20のボタンを押してお釣りを待つという、なんだかボクが住んでる世界と違った世界に飛び込んだ…、そんな気がしてウットリします。
温かいそば。
とろろ昆布と、いんげん豆の天ぷらをトッピングしてください。
茹でたそばを丼に入れ、具材をはってそこに出汁をかけまわし、どうぞとやってくるこれに輪切りの赤唐辛子をちょっとのっけて、まずはゴクリと出汁をのむ。
丼に口をつけた瞬間に、カツオ節系のスッキリとした出汁の匂いがただよってくる。
かなりシッカリした風味。
しかもスキッとやさしい味わい。
出汁そのものがおいしいからで、ありましょう…、かえしや醤油は控えめで一口目にはなにやら味がたりないような不安を覚える。
麺は太めでもっさりしてる。
ツルツルとすすりこむのは難しく、けれどこの蕎麦の風味がとても鮮やか。
香りがよくて、その蕎麦らしさを邪魔せぬ出汁にこれまたウットリ。
出汁は少々、ぬるめでそれを麺がタップリ吸い込む。
しばらくすると長細く伸ばしたそばがきみたいになって、ネットリ喉にからみつく。
なんとおいしい。
お店の入り口のところに貼り紙…、「当店は化学調味料を一切使っておりません」というあの誇らしげな言葉の意味を噛みしめるようにしながらゴクリと、スープと一緒に麺をモグモグ、口の中へとかきこんでいく。
とろろ昆布も味わい深く、出汁を吸い込みトロンととろける。
赤唐辛子がときおり口に飛び込んできて、パキッとからくはあるのだけれど出汁が力強くて辛さをキチンと受け止め、むしろ甘さがきわだつ感じ。
それからいんげん豆の天ぷら…、キュッキュと豆が歯茎に痒く、衣が出汁を吸い込んで油の香りがふくよかになる。
なんておいしい…、一口目よりも二口目、二口目よりも三口目と食べ進めるに従ってどんどんおいしくなってきて、お腹の中がやさしく、たのしくあたたまる。
サイドの料理はおいなりさんやおむすび、それから海苔巻きがある。
行ったら絶対、海苔巻きをたのんでくださいね…、ってそう教えてもらったので、迷わず海苔巻き。
干瓢巻きなのだけれど、これが大きい。
太くてずっしり。
かんぴょうを巻いた巻物は細巻きだ…、って頭の常識、覆る。
巻き置きなのだと思うのだけど、海苔が決してべたついてない。
一口パクリ。
ご飯は酢飯でスキッと酸っぱめ。
甘み、うま味は最小限で芯になってる干瓢もシャキッとさっぱり…、煮こまれ方も浅くて固め。
豊かな風味のここのお出汁と相性ばっちり、大きだけじゃない価値観を感じてなんだか幸せになる。
なんでこんなにステキなお店を今まで知らずにいたんだろう…。
一軒隣の中国料理のお店にはもう4年ほど前からときおり通ってた。
小さいお店で目立たなかったって言うコトもあるのだろうけど、調べてみれば営業時間が驚くほどに短くて、だから近所を歩いているときはいつも暖簾がでてない時間帯だったのかもね…、って合点する。
会社からユックリ歩いて5分以下という、ココがなんだか愛おしくなる、オキニイリ。
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