会社に行く途中、思いついて途中下車…、市ヶ谷に寄る。
5年ほどをすごした街です。
四番町に家を買い、企業買収やら新規事業の立ち上げやらにうつつを抜かしていた前半。
コンサルタントとしてボクは、こんな持論があった。
中小企業の経営者が自社ビルを買ったり、自宅を新築したりするのは事業が絶頂期にあるコトの象徴。
慢心するとそのあとは衰退するにまかせるように出来ているんだ。
だから注意をしましょうね…、と。
ところがその持論がボクにもピッタリ当てはまった。
お客様にはそう言って、忠告するのを怠らなかった。
なのに自分のコトはまるでわからず、まさに「紺屋の白袴」のようなコトが起こってしまう。
結局、その家をかって4年目にして経営していた会社は破綻。
事業を精算すると同時に、自分の生活も、リセットしなくちゃいけなくなった。
だからこの町。
自分の人生をいろいろ見直す舞台となった、思い出深い町でもあります。
世界中が行動範囲だった生活から、徐々に活動範囲が狭くなり、この町にいることが多くなっていく。
当然、食べるお店も家の近所のお店が多くなってって、例えばこの店。
「そば処瓢箪」ってお店では、しばしば朝のお腹を満たしていたのです。
夫婦二人で仲良くやっているお店。
間口は狭くて、お店の入り口から奥に向かって一直線にカウンター。
反対側に同じようにカウンターがあり、ピカピカ、年中磨かれているウォータークーラーに冷たい麦茶が入ってる。
一番奥には食券機。
先払いにて食券買うとき、蕎麦にしますか、うどんにしますか聞かれるのです。
おなじみさんはお店に入ると同時にまずは蕎麦かうどんか一言告げる。
おはようございます!って言うに続いて、蕎麦を作ってもらいます…、と。
かつてのように言ってニッコリ。
お店の人も昔のまんま。
メニューもさして変わっておらず、昔のまんま。
かき揚げそばを選んでたのむ。
熱いかき揚げ。
ここのお蕎麦はちょっと太め。
角張っていて色黒で、ぬんメリしていて唇分入るときにかなりの迫力がある。
蕎麦の上に大きなかき揚げ。
かまぼこ一枚。
茹でたワカメとそれから刻んだネギがタップリ。
冷たいものを次々重ねて、けれどスープが冷たくならぬほどにスープが熱々で、フーフーしながらズルンと食べる。
カツオの香りがポワンと漂う、濃厚スープ。
醤油の風味は少々、やさしめ。
関東風の蕎麦の出汁と、関西風のうどんのお出汁のちょうど真ん中みたいな感じがボクは好き。
なによりココの蕎麦で特徴的なのが、かき揚げ天ぷら。
具材はネギと春菊、刻んだ紅しょうが。
それから干しエビという組み合わせ。
衣がチリチリ、かなり細かく花が開いたように揚がって出汁を含むと、クシュッと壊れて油を吐き出す。
油が出汁にコクを与えて、おいしくさせる。
クシュクシュとした天ぷら衣が、蕎麦にからんで蕎麦そのもののヌメっと肉感的な感触を一層ムッチリ、つややかにする。
あぁ、なつかしい。
冬に近づくこれからの時期、この熱々が一層おいしく感じるゴチソウ。
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出勤までにはまだ少々の時間があった。
それでもひとつ、かつてのオキニイリの場所にやってくる…、スターバックス、市ヶ谷駅の上の店。
数ある東京のスターバックスの中でも、好きなお店のひとつであります。
かつての自宅の近所にあった。
身近で良く来た…、というコトもある。
窓が広くて、一日中、明るくまるで日当たりの良いテラスでコーヒー飲んでるみたいな気持ちになれる。
とは言え、最近、出来てる新しいスターバックスに比べるとインテリアだとか機能だとかはさすがに劣る。
けれどお店のスタッフの、正確にして明るくしかも親切なコト。
なかなか他に類を見ない。
人が作り出す雰囲気が、良いお店って本当に良い店。
だからずっと好きだった。
ひさしぶりにやってきてその雰囲気が変わってないのにニッコリなります。
カウンターで商品たのんで待ってたら、店長さんがやってくる。
おひさしぶり…、って挨拶をする。
チェーン店というのにこうして、ひとつの場所で同じスタッフがずっと変わらず働いている、それがなんだかウレシクてもらったカップが一層あったか。
ビターでちょっと甘いココのドリップコーヒー。
その味わいも今日はなおさらおいしく感じる…、しばらくノンビリ時間をつぶす。
こんなステキなコーヒーで潰され、たのしくムダになっていく時間て、なんてステキと思う朝。
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