東京駅で仕事を終えて、それで牛たんを食べましょう…、と。
東京駅の周辺は、ちょっとした仙台牛たん専門店のメッカのようになっている。
駅の中には利久がある。
改札外のキッチンストリートには喜助があって、八重洲地下街にはチェーンのねぎし。
しかもエキナカ物販店には仙台の伊達が出店を持っている。
震災後、この傾向に拍車がかかってるよう。
被災地支援というコトもあろう。
けれど、JR東日本としてみれば「東海道への出口」ではなく「東北への玄関」なんだと東京駅を位置づけたいって意思を感じる。
何はともあれ、おいしいモノ。
しかも「本場」のおいしいモノが気軽に食べられるのはありがたい。
今日は改札の中に入るだけの時間がない。
何しろ利久はこの時間にはおそらくスゴい行列でしょう。
日本全国に30店以上あるお店の中でも、ココが一番の繁盛で毎日ほぼ、どの時間帯でも満席状態、先を急ぐ用事もあって、それで改札の外の仙台…、「喜助」を選ぶ。
昔、仙台の牛たん専門店を食べ歩いたコトがあって、一日で10軒近くを食べ比べ。
感心したのが、どこも一定以上のクオリティーを保っているというとこで、本場っていうのはこういうコトなんだなぁ…。
とびきりおいしいモノがあるのが本場じゃなくて、スタンダードを満たせぬ店が淘汰されてく場所が本場…、そういう意味で日本の美味の本場は多分、東京じゃなくて大阪のような街なんじゃないかと思うワケです。
さて今日の定食。
通常の牛たん定食一人前。
仙台牛たんの店の定食には判で押したように「1.5人前」ってメニューがあるのが不思議。
ここにもあった。
それから最近、どこの店でもタンの根本の部分を使った厚切りプレミアム商品を出してもいて、ココもそうした料理があった。
そうしなくちゃいけないって、誰かが決めたわけじゃなく、いいことはみんなでシェアしてみんなで一緒に良くなっていこうよ…、ってムードがあってボクは好き。
ご当地料理って、そうしたモノに違いない。
お役者のような権威的なモノがあれこれ決め事をする。
それにみんながぶら下がってるようなコトでは、絶対本物にはならないだろうと思いもします。
して牛たん。
ほどよくかたくて、サクッと歯切れ噛むとジュワッと肉汁が出る。
ほどよき弾力。
タンパク質の強烈なうま味と脂のコクが広がる。
なにより炭で焼いたからこその香ばしさにウットリします。
「焼いた肉」ってそもそも肉がどんなに上等なモノであっても、焼き損じたら台無しになる。
強火の遠火で一気呵成に焼き上げて、脂と炭がキスして上がる煙の香りをまとわせる…、そしたらなんでもおいしくなるようにできている。
って、そんなコトを思ったりする、この牛たんはそんなタン。
テイルスープも上出来で、まるでお湯かとおもうほど透き通っていて、なのに口に含むとドッシリ、うま味が舌にからみつく。
口の中に入れた途端にホロッとほぐれるほどにシッカリ炊かれたテイルは、やわらか、しかもうま味を未だに中に閉じ込め吐き出していく。
パラパラとした麦飯に、出汁のうま味をたたえた山芋とろろをかけてズルンと口にかきこんで、夜のお腹がたのしくシッカリ満たされた!
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