不本意ながら朝のご飯を食べ損なって、神田まで来て昼にする。
実は来たいお店があった…、「ポンチ軒」というとんかつの店。
赤坂に「フリッツ」というとても好きな揚げ物料理のお店があって、家の近所であったこともあり良く通ってた。
ところが昨年閉店をして、あぁ、もうあのエレガントな揚げ物を、食べることができなくなっちゃうんだ…、ととてもさみしく思っていたら、なんと名前を変えて開業。
超高層ビルの一階という尖った場所から神田小川町の路地裏というやさしい場所に移した上に、値段も神田価格になって懐にまでやさしいお店になったという。
それで来なくちゃとずっと思ってて、良い機会にてやってくる。
小さなお店。
L字型のカウンター。
中にキッチン。
4人がけのテーブルが5つくらいはありますか。
お店のどこにいても厨房の気配を感じるコトができるのがいい感じ。
カウンターの一番端に座ってしばらく待つことにする。
たのんだのは上ヒレかつ。
ヒレの芯をぶつ切りにしてパン粉を付けて揚げるから、揚がる時間が少々かかる。
15分ほどと言われてのんびり。
テーブルの上の自家製ソースや柚子胡椒。
名古屋の小さなメーカーが作っている「スーパー特選太陽ソース」。
スパイシーでドボドボかけても辛くなく、うま味と風味が口の中に広がる名品…、これとココの自家製とんかつソースを混ぜて食べるとうまいのですネ。
そんなソースの準備をしながら、まずはご飯に豚汁が来て、そして間もなくやってくるコレ。
コロンとしたヒレ…、粗めのパン粉をギッシリまとって3個付け。
一個を真ん中からスパッと切って食べやすいようになっている。
その断面をみるとツヤツヤしてて芯の部分がまだロゼ色で、箸でつまむと肉汁がうっすら浮いて表面濡らす…、これです、これ…、コレをずっと見たかった!
一口で食べようと思えばできる大きさで、けれどそれも勿体なくて、カプッと前歯で噛み切ろうととするとジュワッと肉汁が出る。
あまりにそれがタップリで、唇ばかりか噛み残ったパン粉までもがびしょ濡れになる。
それが今度は勿体なくて、結局一口でパクリと頬張る。
口の中がヒレカツで満たされパン粉が散らかる感じにウットリしながら、噛むとパン粉がザクッと崩れ豚ヒレ肉に独特のネットリとした食感、奥歯を包み込む。
うま味もしっかり、脂の香りが甘くておいしくソースいらずでそのままうまい。
芥子をのっけてソースをタップリ。
酸味とうま味とスパイシーな風味が衣の風味をひきたて、後味スッキリ。
そして千切りキャベツをシャクッ。
注文ごとにキャベツを切る。
とんかつが仕上がる間、冷水につけシャキッとさせる。
水気をとってお皿にタップリ。
だからキャベツの香りや甘味が鮮やかなままで口の中に飛び込んでくる。
そのまま食べても十分おいしく、フレンチドレッシングをかける一層甘みが引き立つ。
脂で疲れた口がスキッとリセットされる。
それからこの店。
カレーをちょっとだけ分けてもらえる。
小さなソースポットに並々。
ひき肉をたっぷり入れて仕上げたサラッとしたカレーで、甘みや酸味が控えめでただ純粋に、辛さと風味を味わうコトができるようになっている。
ご飯にのっけてカレーライスのようにして食べるのもよし。
カツをカレーにひたしてカレー風味の揚げ物にしてカプッと食べると、油や脂をまるで感じぬカレー煮込みの豚肉みたいな感じになるのもオモシロイ。
厨房の中では赤坂時代からのおじさんひとりに、職人顔した若者ひとり…、ホール側には女将さん風の女性がニコニコ働いている。
夜のメニューも赤坂ゆずりで、居酒屋使いもできるようになっていて、また来なくちゃって思ったりする…、久しぶりの旧友に出会ったような気持ちになった、オキニイリ。
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