昼を「KITTE」で食べてやろうと東京駅。
先日、完成したばかりの日本郵政のビルの中にできた商業施設、5階・6階のツーフロアが飲食フロアーになっている。
平日とはいえランチタイムは大賑わいで、いくつかの店に行列が。
中でも一番人気のようにみえるのが、北海道の根室からやってきている回転寿司のお店のようで、本格的なランチタイムの前というのに30人ほどが行列してる。
ボクは「豚捨(ぶたすて)」…、松坂牛の専門店。
伊勢に本店のある松阪牛を使った豪勢なすき焼きで有名な店。
老舗であります。
豚捨ってへんてこりんな名前にはじめて連れて行ってもらったときにはビックリした。
名前の由来を聞いてなるほど。
日本の牛はかつて働くために育てられてた。
畑を耕すコトが目的。
だから食べておいしいモノではなかったのですネ。
もっぱら食べられていたのはニワトリ。
ゴチソウのときには豚を潰して豚肉。
ところが食肉用に育てた松阪牛を食べたらこれがおいしくて、「豚肉を捨ててしまいたくなるほどおいしい」というので「豚捨」。
歴史を感じる由緒正しい名前でござる。
ここに限らず他にも東京初登場という地方の名店がズラッと並ぶ。
今、東京の商業施設では東京「初」というのがブーム。
デベロッパーは地方の隠れた名店を引っ張りだすのに必死…、東京はいつの間にか「東京発」を発信できないただの消費地になったのかしら…、って心配にもなる。
まぁ、しょうがない。
昼はすき焼きは提供せず、牛丼、あるいはステーキ丼がメインですよというコトで、牛丼選んでたのんで食べる…、ズッシリとした丼の蓋に「牛」の文字がめでたい。
蓋をあけるとなんとも独特…、牛肉の佃煮みたいな色合い、香りの牛肉がご飯の上を覆い隠してやってくる。
食べるとこれが味わい深い…、ザラメと醤油で焼き上げる関西風のすき焼きの鍋の最後に残った焼き汁、それをタップリ吸い込んでガリッと焦げた肉の欠片を上等にした。
佃煮よりもみずみずしくて、味がギッシリ凝縮された濃厚味にウットリします。
噛むとジュワッと脂がおいしく口どけて、他の具材はスベスベとした玉ねぎだけというのも見事なほどに潔い。
口が疲れる程のおいしさ…、ご飯がどんどんすすんでたのしく、別添された千切り紅しょうがを乗っけてワシっとかきこむと、なるほど牛丼…、オモシロイ。
温度管理もしっかりとしたサイドのサラダもなかなかゴチソウ。
出汁の風味がおいしい赤出汁もメインの牛丼に負けず劣らず上等で、さすが老舗の料理と思う…、分量以上にお腹も気持ちも満足できる。
お茶をゴクリと飲んでリセット…、ココのお店も次々、人がやってくる。
かつて丸ビル、新丸ビルがにぎわった、そのにぎわいが今はココにやってきている…、次はどこに向かうんだろうって思いもしました、店を出る。
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