移動の途中の東京駅で、とんでもハップンな景色に遭遇。
東京駅の八重洲口側…、南北に向かって走る大きなコンコースにズラッと並んだかなり大きな液晶パネルで、デジタルサイネージって言う奴ですか?
艶やかな京装束をみにまとったキレイどころがニッコリしながら笑顔で次々お辞儀をしていく…、まるでブレードランナーの強力わかもとのCMみたいなサイバーな様にビックリしまして、何事ぞと思ってみてると最後に「為次郎」というお店の名前にラーメン丼。
「すぐ、そこどすえ」とおねぇさんが指差す先にお店が一軒。
「そば処為次郎」という看板、のれん、そしてそこには券売機。
立ち食い蕎麦のお店かと思ってボタンをみるとビックリ。
蕎麦だけでなく、うどんもあるしラーメンもある。
売り物は京都らしくにしんそばで、それがなんと1000円という、「あっ!と驚く為次郎」(笑)。
お店の人が「立ち食いではなくお料理をサービスさせていただきます」とわざわざいいに来てくれたりする。
ちぐはぐ具合に戸惑う人が多いのでしょう。
何を食べようとちょっと迷って肉そば。
値段は「どすえ価格」の900円。
なかなかこうした強気の値段はつけられないよな…。
一体どこがやっているの?
まさかJR西日本あたりが新業態を作ったのか?と、思って調べてみたらばなるほど。
お菓子の八つ橋を作ってる「本家八ツ橋西尾」が経営しているらしい。
本拠地京都では、甘味のお店はやっていても蕎麦のお店はやってはいない。
甘味のお供のお凌ぎ代わりに、京風ラーメンを提供してて、だからなるほどデジタル広告には蕎麦ではなくてラーメンが紹介されているんだなぁ…、と。
それならラーメンにすればよかったと思うまもなく、蕎麦がきました。
ポッテリとした陶器の丼。
蕎麦が見えぬほどタップリの牛肉。
それから九条ねぎ。
あぁ、京都らしいと期待がジンワリ湧いてきます。
使い捨ての、なのに驚くほどに上等な箸。
それでグルンと丼の底からかき回し、蕎麦を持ち上げると出汁の香りが鼻をくすぐる。
なかなか濃密。
煮込んだ肉の香りより、強い出汁の匂いがしてきて、ちょっと気持ちが盛り上がる。
なのにひと口。
ズズッと汁をすすり上げるとたちまち失望にかわります。
味が薄い。
薄味というのと、味が薄いというのはまるで別物で、麺の湯切りが悪いんじゃない?って思ってしまうほどに薄味。
香りはあるのに、出汁の風味も味わいもまるで感じず口の中に残る味はほとんど甘み。
しかも肉の脂の匂いが最後に残る。
蕎麦の風味はまるでなし。
しかもネチネチ、奥歯に貼り付くような麺。
900円も払えばもっとおいしいそばが、このお江戸にはたくさんあるんどすえと言いたくなってしまう。
なんでこんなお店を作ってしまったのか?
そうだ…。
本当の京の味は新幹線にのって京都におこしやす…、と、大家さんのJRがよろこぶ店にしたのかなぁって思って笑った。
テーブルの上に置かれた黒七味だけはピリリと辛く味わい濃厚、さすがに今日の文化でござる。
サービスについてやってくる八つ橋は、食べず、もらわず置いて帰ることにした。
広い東京、いろんな店があるものですな、自由なことは素晴らしきコト。
まずくもなくておいしくもない…、そんな料理が一番たちが悪い料理で普通そうした料理を食べた日記は書かぬ、旨い不味いは主観の産物、あくまで私見、ごめんなさい。
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