オフィスの近所の小さなお店、雲林房という店にくる。
担々麺と麻婆豆腐の専門店。
四川料理の代表的なる辛い料理を、ただただそれだけ。
カウンターだけの小さなお店で売り続けているお店。
特殊な商品。
しかもかなり個性的な料理だけで商売すると、お客様が限定されて繁盛させるのがむつかしくなるというのが飲食店の定石で、けれどココはずっと繁盛し続けている。
辛いだけじゃない。
スープがどっしり、しっかりしていてだから辛味や痺れだけがフワフワ漂い彷徨うようなコトがないのですネ。
旨味と一緒になってこそ「辛いけれどもおいしい料理」になるわけで、劇辛だけが売り物じゃない。
スープのうま味を引き立てるための辛さと痺れという世界観。
だからときおり無性に食べたくってしょうがなくなる中毒性に満ちた料理となるのでしょう。
ランチタイムには近所に勤める人たちが行列をなす。
ほとんどの人たちの目当ては担々麺で、汁なし、汁ありのどちらか選んで注文してる。
いつもは汁なし担々麺を食べるんだけど、今日はちょっと趣向をかえて、麻婆豆腐をのせて味わう汁そばにする。
鶏ガラと帆立の旨味がシッカリとしたベースのスープ。
醤油をくわえて風味をつける。
そこに中華鍋で煮込んだばかりの熱々の麻婆豆腐をザザッとかける。
お待たせしましたと手元に届くその丼の上でタプンととろみ混じりの豆腐が揺れる。
粗い挽肉。
赤唐辛子。
そして黒い山椒の粉がタップリ散らされ、見るから辛く、見るから旨そう。
油が蒸発しながら一緒に、痺れる香りが鼻をくすぐる。
思わずクシャミがでそうになった。
追加でパクチーもらってドッサリ。
細くて麺線シッカリとした麺が最初はバッサリ歯切れる。
そこに豆腐がツルンとまじり、あぁ、やさしいと思った直後に赤唐辛子がビリッと舌をつねってきえて、それに続いて山椒のドッシリとした痺れが襲う。
ナッツや胡麻が甘みをくれる担々麺と違って辛味が舌を直接刺激する…、豆腐の熱さも辛さに拍車をかけるこの麺、刺激的にてオキニイリ。
口の中から汗をかき、頭のてっぺんから汗がダクダク迸り出る…、体の汗はハンカチひとつで拭うこともできるけど、口の中にかく汗は水を飲もうがどうしようもない。
むしろ冷たい水までがトロンと粘って熱いように錯覚するのが、四川の痺れのスゴイとこ。
旨い、痛い、辛い、痺れる、でも甘い。
自分は一体何を食べているのかわからなくなる、でもおいしい…、という「うろたえる食べる」たのしさを、みんな求めてやってくるのでしょう、無言でハフハフ、ズルズル食べてスッキリとした顔でみんなお店をでてく…、 ボクもそんなひとりであります。
食べて終わってお店をでると、生ぬるいはずの風がひんやり、冷たく感じる。
しかもそのあと、次の予定に向かってグイグイ歩いていると、口の中がひんやり冷たい…、山椒の しびれ成分に風があたると、それを「冷たい」と頭が変換するのでしょうネ。
日本以上に蒸し暑い四川地方という土地が、作った知恵に満ちたお料理…、夏こそおいしい辛く痺れる食べ物に、元気をもらって、さぁ、仕事。
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仕事のお供にセブンイレブンの100円コーヒー。
もしかしたら今年上半期最大のヒット商品かもしれないなぁ…、って最近、感心しているモノであります。
レジの横にマシンが置かれて、カップを買って自分で抽出するスタイル。
ボタンを押すと、豆を挽く。
その瞬間に、コーヒー豆からおいしい香りが飛び出してくる。
あぁ、おいしいって。
まずは鼻が味わうゴチソウ。
このマシンが登場してから、セブンイレブンの店の中の空気がおいしくなった気がする。
以前、セブンイレブンと言えばおでんの匂いが年がら年中、お店の中にただよっていた。
ファミリーマートはフライドチキン。
どちらもズシンと気持ちが重たくなる匂い。
ところがコーヒーの豆の匂いの清々しさに、最近、セブンイレブンに来るのがちょっとたのしくなった気さえするのがスゴいとこ。
アイスコーヒーをもらいます。
氷の入ったプラスティックのカップをどうぞ…、と。
ペロンと蓋を剥がしてマシンにセットして、ボタンを押すとブイーン、プシュプシュ、カップに熱いコーヒーが注がれたちまち冷やされていく。
小さなサイズでは物足りず、大きなサイズでもらうと氷の量が少々足りずすぐに氷が溶けてなくなっちゃうのがなやましいとこ…、でもおいしいから許しちゃう。
これで必要なくなったのがマクドナルドの100円コーヒー…、こんな便利があっても必要なくならないのがスタバの高いラッテというのがなんだかちょっとオモシロイ(笑)。[5回]
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