神楽坂をちょっと上がったところで昼食。
南山と言う店。
韓国料理の専門店で、夜はサムギョプサルと生マッコリ。
〆の冷麺がおいしい、で有名な店。
昼は〆の冷麺だけを気軽にたのしむことができる。
しかも韓国冷麺じゃなく、盛岡冷麺と言ういささか変わったこだわりで、結構、人気があるお店。
ここ数日の暑さは異常。
朝からすでに暑く感じる。
毎朝、ベッドルームの窓が火照って、それでめざめてしまうほど。
慢性的な睡眠不足。
食欲不振と言うワケじゃない。
けれどなんだかスッキリとしたモノを食べたく、それでたまたま神楽坂上でちょっと打ち合わせがありフラリと来ます。
坂の上から飯田橋駅の方を眺める。
するとユラユラ、陽炎みたいに空気が揺れる。
くらくらしそうな昼のコト。
お昼時も終わろうかという、そのタイミングにてお店に入ると、まだ満席でちょっと待ってテーブルにつく。
選んだお店がにぎやかなのは、まるで選んだボクまで誉めてもらっているようで、ニッコリします。
そして名物、盛岡冷麺。
なんともキレイで、姿スズヤカ。
スキッと見事に透き通ったスープがまずは美しく、そこにクルンとツヤツヤとした麺が静かに横たわる。
迷い一つなくきっぱりと、クルンと丸まるその様に、目を細めつつ喉ならす。
具材は清楚に最小限。
煮た牛スネ肉。
茹でた玉子に刻んでゴマとあえたネギ。
スイカが夏の色合いをなす、目に鮮やかなうつくしさ。
刻んだキムチや、煮込んでほぐした牛バラ肉や、あるいは辛味を加えるための、カクテキ漬けた漬けダレが一緒についてくるのだけれど、それらで汚してしまうのが勿体なくてそれでそのまま。
まずはスープをススッと啜る。
旨いのです。
スッキリしてる。
雑味ない、肉のうま味と甘味がそのまま口の中に広がっていく。
塩と肉のうま味以外に余分な味がまるでなく、なのにとても複雑でコッテリとした味わいがある。
滋養が体のすみずみに行き渡るような力強さに力がみなぎる。
舌の上を転がしながら、スープの味を染み込ますようにしながら味わって、目を閉じゴクンと飲み干すと、呆気ないほどサッパリ味が引く。
切れのいい味とでもいいますか。
あまりに潔い幕切れに、次の一口が待ち遠しくなる、そんな味。
スープも見事なら、麺も見事でうろたえるほど。
手打ちの麺でゴリゴリするほどコシがある。
ツルンとなめらか。
粘り気がなく、だからひときわそのツルツルが際立って、勢い余って口になだれ込んでくる。
前歯でかめず、奥歯に当たってまとわりついて、噛むとバスっと歯切れてく。
歯切れた麺が舌をツルツル撫で回し、スープのうま味をまき散らす。
この東京で、ボクはここのこの冷麺が一番うまいと思ってる。
来るたびヤッパリここが一番うまいと思い、今日も今日とてそう思う。
ムッチリ煮込んだ牛すじ肉のムチュンと歯触り肉感的で、甘辛味がとても濃厚。
その味わいもスゴいのだけど、それにまけないスープの味わい。
その肉感的な食感に負けぬ麺のたくましさ。
カクテキのタレをちょっと使って試してみたけど、おいしいスープが雑になるのが勿体なくて途中でやめた。
それほど味の基本が見事。
ランチタイムはミニビビンパがセットになる。
あまり期待をしてなかったけど、これもきちんと作られている。
もやしにゼンマイ、小松菜と5種類ほどのナムルが乗っかる。
どれもしっかりそれぞれの味がのせられていて、とても丁寧。
なかでも大根ナムルがおいしく、ちょっとビックリ。
あんまり好きじゃなくって大抵、残してしまう。
けれど知らずに食べたらこれがおいしくて、食わず嫌いがなくなりそう。
かためのご飯もまたおいしくて、何を食べてもやっぱりおいしい、オキニイリ。
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