九段下にある「三希房」って言うお店でランチ。
季節替りの時期に必ず来たくなる店。
食べたくなる料理っていうのがあって季節になると、どうにもこうにもウズウズしてくる。
特にこの時期。
春から夏に移ろう季節。
かき氷だったり、冷やし◯◯っていう料理がお店の軒下。
入口脇に、暖簾やポスターがかかっておいで!と手招きをする。
今年もそんな季節になって、それでこの店。
三希房。
四川料理の名店でして、年中繁盛。
平日のランチタイムなんていつも一杯で、待ちの行列ができたりする。
担々麺やら麻婆豆腐が目玉料理で、特にこうした熱くてヒーヒーする食べ物はこれから熱くなるとおいしくなってくる。
汗掻くことで暑気払い…、暑さに負けぬ元気をもらうという趣向にてだってそもそも四川地方は夏蒸し暑くてまるで日本の夏のよう。
そんなところで生まれた食べ物。
熱さにおいしいモノがたくさんあるのだろうけど、ココの夏の名物は「冷やし坦々麺」でござって、今年もそれがやってきた。
真っ白な丼の中に白みがかったオレンジ色のスープがタップリ。
ポツリポツリと真っ赤な水玉がういている。
モヤシに挽き肉。
刻んで炒めた漬物にネギがパラリと彩り添える。
目からやってくる情報自体は、普通の担々麺のように見える。
丼陶器の上にびっしり。
細かな水滴がついているのをみると、なるほどこれは冷たい丼なんだなぁ…、って。
さわってみると確かに冷たく、スープをすするとヒヤッと背筋がシャキッとなるほど冷たい。
素晴らしいのが冷たくしてなお、スープの旨味とコクがしっかりしていてしかも香りがピンッ鼻から抜けて広がっていく。
冷たくすると香りや旨みが弱くなるのに、これはそうした心配無縁。
箸で麺を引き上げると、極細で縮れの少ない麺がスルンと飛び出してくる。
シコシコです。
ザクッと歯ぎれる軽快な麺…、しかも小麦の香りが一際強くそこにスープの旨みや辛味、山椒の香りがのっかり確かに担々麺の味がする。
熱くてヒーハーするような強烈な味はなりを潜めて、その分、旨みや香り、風味をジックリ冷静に楽しむコトができるシアワセ。
もうひとつのココの名物。
麻婆豆腐の定食ももらって一緒に食べ比べ。
こちらは容赦のない熱さ。
やってきた器の中をみるとびっしり、その表面に山椒の粉。
そしてゴロゴロ、赤唐辛子。
もうこの段階で、お腹の中が汗をかいてく。
スプーンですくってひと口食べると、まずは辛味が舌をつねってそれから山椒の痺れが来ます。
舌が麻痺するたのしさに、辛さや熱さをわすれてしまう。
痛くておいしい。
フルンとなめらかな豆腐が舌を撫でる感覚すら痛くって、水を飲んだらトロンと甘い。
麻婆豆腐を口に含んで、それから冷たい担々麺のスープを飲むと、サラッとしているはずのスープがヌルンと粘って甘く感じる。
どちらか片方だけたべても当然、美味しい。
けれどその両方を繰り返し食べると美味しさ一層、つのる。
白いご飯を口に入れると、舌がホッとするのもたのしい。
麻婆豆腐の辛味になれると、今まで気づかぬいろんな味が次々舌にやってくる。
例えば担々麺のスープの中にまじる酸味が、梅の香りがしていることや、麻婆豆腐がタップリ含んだ豚の脂の香りが甘くて濃厚なこと。
何より汗をタップリかいて、気分爽快…、夏になる。
野菜がたりぬように感じて、それであんかけ焼きそばたのんでわけあった。
ココの焼きそば…、具材たっぷりでなんとも贅沢。
白菜、しめじ、イカにエビ、片栗粉をつけ湯通しをした豚ロース肉にきくらげにネギ。
ゆりの蕾も彩り添えて、殻付きアサリが風味をくれる。
揚げ焼きにした麺がパリっと香ばしく、麺がなければ海鮮野菜の炒めものとして、一品料理に十分なるだけの実力があるオゴチソウ。
何しろ角度を変えて撮るたび、料理の印象が異なるほどに具沢山にてウットリします。
オイスターソースの香りと甘みに、トロンとやさしいトロミがタップリ。
辛味、痺れで疲れた舌がおだやかになる…、週末ランチ限定の飲茶ランチもあるという、またこなくちゃぁってニッコリ思う、オキニイリ。
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