サカキノホトンブログ民芸的なる志な乃の蕎麦

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民芸的なる志な乃の蕎麦

富山から、とってかえして仕事の前に腹ごしらえ。

新宿御苑の近くにある「志な乃」って言う蕎麦の店。
かなり昔からあるお店。
東京メトロの新宿御苑の駅の界隈。
結構、蕎麦屋が目立つエリア。
特に近所に大木戸矢部って蕎麦がおいしい日本料理店が店を構えてから続々と、蕎麦を売り物にするお店ができた。
ココはそれよりずっと前からこうして蕎麦屋をやっている。

渋い店なんです。
自ら「民芸風蕎麦の店」と名乗ってる。
理由はお店の中を見れば一目瞭然。
まるで田舎の茶屋にきたような、民芸調の店作り。
お店の人も絣の前掛け、三角巾。
蕎麦の産地で蕎麦農家のおばぁちゃんが家でやってる蕎麦屋みたいな風情があってオモシロイ。

レジの横に鉄の茶釜が置かれてて、そこでお茶が湧いている。
そこから柄杓で湯飲みに注ぐ。
これまたなんだか民芸風のおもてなし。

ざるをたのんで、それと一緒にけんちん汁を選んでたべる。
ここのけんちん汁はかなりのモノです。
大根、ニンジン、ゴボウに里芋。
具沢山にして、全部がクタッと煮こまれている。
野菜の甘みと出汁のうま味。
それに味噌が風味をそえてかなりコッテリした風合い。
しかも野菜を炒めた油がコクと香りの強い胡麻の油でそれで、香りが濃厚。
まずは熱々の汁を味わい、蕎麦が茹で上がるのをニコッと待つ。

厨房の中には調理担当のおじさんがいて、彼が蕎麦をタンタン刻む。
寡黙な人。
けれど顔があうとニコッとはにかみながら笑顔をつくってお辞儀を返す。
なかなかステキなおじさんで、注文のたびに小気味いい音を立てつつ勢いつけて蕎麦を切り、そして手振りで茹でていく。

出来上がった蕎麦はかなりの大盛り。

普通の蕎麦屋の１．５倍。
気取った高級蕎麦屋にくらべりゃ、優に３倍はある分量。
ボクの後からやってきた営業途中のサラリーマンたち。
大盛り頂戴って注文したらお店の人が「うちの大盛りはスゴイですよ」って言っていた。
それにもかまわず、「みんな大食いには自信ありますから」ってたのんで、やってきてから後悔してた。
だってちょっとしたサラダボール一杯分ほどの麺がやってくるんですもん（笑）。

ボクは控えめに普通のサイズ。
それでもタップリ。
ツヤツヤとした蕎麦の小山が目の前に。
まずは数本…、ススッと持ち上げ、タレにトプっと浸してすする。
ココのタレは色白さんで醤油の風味は控えめで、その分、出汁の味わいがかなり濃厚。
昆布とかつお節の味がドッシリしたおいしいつけダレ。

麺は太くて硬いです。

手切りのために太いところと細いところがありはするけど、基本的に平打ち麺のような形状。
フェットチーネとリングイニの間の太さ。
しかもツルンとその表面はなめらかで、噛むとムチッとかなりの歯ごたえ。
噛むたのしさのある独特の蕎麦。
更科風のバッサリとした口で暴れる感じはない。
けれどドッシリ、口に居座りのたうちまわり奥歯を叩く。
蕎麦の風味をまきちらしつつ、口を蹂躙するような力強さがボクは好き。
蕎麦の香りがおいしくて。
その味わいもたのしくて。
だから薬味を使わずそのまま、タレだけつけてモグモグ食べる。
ときおりけんちん汁で味をかえながら、ひたすらモグモグ。
驚くほどの分量を決して飽きることなくストンとお腹におさめてごちそうさま。
特徴がある店っていいなぁ…、ボクは好き。

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2011/03/15 (Tue) ボクのご近所レストラン Comment(0)

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