サカキノホトンブログ中入れ丼

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中入れ丼

昼にどうしても鰻が食べたく、それで近所の宮川本廛。

築地に本店のある江戸前うなぎ料理の名店。その分かれの一軒で、新宿通りという大通りの一本裏側。目立たぬ場所にひっそりとある。
居心地のよいテーブルに、座敷、小上がりが用意されてて、昔からあるうなぎ屋さんとかお蕎麦屋さんとかの典型的なしつらえの店。
土用の丑が平日で、その日に食べ損なった人たちでしょうか…、かなりにぎやか。ご近所のおじさま、おばさまたちがニコニコしながら料理を待ってる。

鰻を食べるということの楽しみの中には「待つ」というのも含まれていて、かなり待ちます。
だって鰻はまってる間にどんどんおいしくなっていくから。
鰻の焼けるおいしい匂いと、周りのテーブルからきこえてくる会話もたのしく待ってる時間が退屈じゃない…、なんだか大人になった気がして、それでこれ。

「中入れ丼」がうやうやしくもやってくる。

うな重、うな丼と２種類あって、「重」は鰻の蒲焼きが冷めぬようにと、保温材としてご飯を少々、器に装うコトで生まれた食べ物で、一方、「丼」はご飯をおいしく食べるためのモノ。
腹ペコおじさん的には丼。けれどせっかくだから鰻もタップリ食べたいなぁと。
そういう時に重宝するのがこの「中入れ丼」。
何が中に入っているのか？というと、鰻の蒲焼き。
丼にご飯をいれてタレをかけ、そこに鰻。それから再びご飯にタレ。最後に鰻を乗っけて蓋して出来上がりというどこを食べても鰻な丼。

まずは鰻を一口食べて、フックラとした食感たのしむ。
お江戸の鰻の割には蒸しが浅めで、ねっとりとした鰻の食感もたのしめる。箸を差し込みご飯をそっと持ち上げると中から鰻。
ご飯で蒸されてシットリしてて、タレもこなれて米としっかり一体化。一口ごとに元気が体にやってきます。
肝吸いの味もキリッとしていて、味わい深き夏のごちそう。アリガタシ。

築地宮川本廛四谷店

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[5回]