サカキノホトンブログボクとおんなじ、グレースの朝

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ボクとおんなじ、グレースの朝

グレースで朝。

朝晩、寒くなってきました。

今朝もなんだかベッドから出るのがちょっとつらくなるよな冷え込みで、それでエイヤッと布団をめくる。
熱いシャワーを足からユックリお腹に向かってかけながら、目覚めをそっと呼んでやる。
体があったまった途端に、グーッ。
恥ずかしいほど大きな音でお腹が朝のご飯をねだる。
お腹が空くとはステキなコト。
ちょっと早めに家をでて、いつもの駅に向かう方向と反対側に歩いていきます。
そしてココ。

大きな窓にドアまでガラスが入った明るい店に、弱々しくあれはすれども朝の光が注ぎ込む。
気持ち、あったか。
「目玉焼きがメインのセットを下さい」って言ったあと、玉子は黄身まで焼いてください…、ってお願いしようとしたらば先に、「玉子は良く焼き？」ってはじめて聞かれた。
なんだかウレシイ。
よろしくね…、って言って新聞開いて読みます。
シアワセな朝、いい予感。

ヒックリ返さずフライパンに蓋をして、蒸気で焼いてくれるフックラ。
それでもシッカリ、黄身まで熱が通ってて、シットリとした味わい、食感。
白身はプルプル…、ボク好み。
白身の端が茶色く焦げててチリヂリしてる。
口に入れるとそこがサクサクこわれて、舌に触って消えていく。
甘い香りとタンパク質のうま味が広がる。
サイドのハムにもシッカリ焦げ目がついていて、ご飯がおいしい。
ハフハフ食べる。
湯気たつ味噌汁。
パリパリ、クリスピーなサラダ野菜にポッテリとしたドレッシング。
味わい多彩でおいしくて、朝のお腹がゴキゲンになる。

それはそうとレストランや喫茶店という場所でなんだかちょっとうれしくなるときって、こんなとき。
ボクの好みと、お店の好みがピタッとあっているようなとき。

例えば、目玉焼きについてやってくるのがソースじゃなくて醤油だったり…。
例えば、海苔が味付け海苔だったり。
このお店にはかなりたくさんの、「ボクと同じ」があるのがうれしい。
関東に来て、やっぱり寂しいと思うのは海苔が焼き海苔。
味付け海苔じゃないところ。
随分、慣れてはきたけれど大衆的でご飯を一杯食べたい店やシチュエーションでは、やっぱり海苔は味付け海苔がありがたい。

目玉焼きの上に醤油をタラっと垂らす。
パッと醤油が白身の上をちらばって、茶色い水滴になっていく。
玉子の油が醤油をはじいて水玉にしてそれがススッと白い表面をながれてく。
けれど白身は醤油の色に染まることなく、焼けたまんまの白さを保ち食べられるのを待っている…、なんてシアワセ、オゴチソウ。
ちょっと濃い目に仕上がった味噌汁ふうふうしながら食べて、海苔でパリッとくるんだご飯でお腹を満たして、ごちそうさま。

ホットコーヒーをもらいます。

湯気がゆらゆら、カップの上に漂っていてそれがおいしい。
カップに口つけススッとすする。
中が熱々。
だからそっと、空気をタップリ含ませながらズズッと吸い込む。
空気とコーヒーが口の中でであって香りが、スキッと上がる。
音を立ててはならぬ西洋料理の世界の中で、ワインに空気を含ませるためズズッとちょっと音を立てるのだけはＯＫ。
晩餐会なんかじゃやっちゃいけないことだろうけど、親密な会食、あるいはワインバーなんかじゃおそらくＯＫ。
液体の中で眠ってた、風味や味や香りを空気で呼び覚ます。
ズズって音は、「ほら、目をさましなさい」の合図だったりするワケですね。

コーヒーだって多分、おんなじ。
今日は酸味がおとなしい。
甘みをシッカリ感じる味わい、そしてなにより焦げた香りが香ばしい。
新聞読みつつ、ジックリ飲みます。
カップの横のサービス券。
朝限定でもらえるこれも、そろそろ１０枚揃いそう。
またこなくっちゃって思ったりする、さて、仕事。

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