昼を近所の新記で、友人とする。
平日の夜に重宝していたこのお店。
週末にくるのはとてもひさしぶりにして珍しいコト…、メニューをみたらなんと週末限定の「飲茶セット」というのがあって、これがなんとも魅惑的。
せいろに入った点心と、好みの小皿料理をひとつ、それにお粥が食べ放題でデザート用の甜点心にお茶がポットでつくという。
香港のユッタリとした朝のたのしみのようなセットの内容…「こりゃ、ためさなくちゃ」と早速選んでお願いします。
せいろの飲茶は3種類。
小籠包に肉焼売、それに蒸した餃子が一個づつ入っている。
肉焼売には芥子と醤油。
蒸した餃子は中にシッカリ味が入って、何もつけずに味わえる。
小籠包には刻んだ生姜に黒酢がついて、細かなところにもシッカリ心くばりができてる。
10種類ほどの料理の中からひとつ選べる料理は揚げワンタンをたのんでみます。
パリッと皮が揚がってサクリと口の中で散らかるゴチソウ。
中にはムチュンとしたエビのすり身がタップリ入ってて、ひと噛みごとに幸せになるボクの好物。
ポットでもらえるお茶はプーアール茶でコクリと飲むとお腹がスキッとさわやかになる。
お粥は香港風のネットリとしてなめらかなお米の潰れた濃厚なモノ。
レタスの葉っぱがスベスベシャキシャキ。
豚ひき肉が味わいを出し、一口ごとに体の中に滋養に満ちたうま味が広がる。
食べれば食べるほどにお腹がすいてくる。
朝のお腹にスルンと滑り込み、おはようございますって体の中で笑うよう。
それにしても中国風のお粥のたくましいコト…、お腹の中に知らずについた傷や痛みに蓋して修復してくれるような力強さを感じてニッコリ。
甜点心は杏仁豆腐とごま団子。
メニューに2つ写真がのってて、どちら一つを選ぶのかって思っていたらなんと両方やってくる。
まずは熱々のごま団子。
揚がった胡麻のドッシリとした香りが鼻をくすぐるゴチソウ。
スベっと軽いもち粉の皮に包み込まれた中華風の餡。
牛脂を使って練り上げた甘みがあって、しかもコッテリ濃厚なアンコで、なのに不思議とさっぱり、胸焼けしない。
なぜなんだろう…。
日本のアンコはあまりすきじゃないのだけれど、中華風のは食べられる。
口の中での口溶け感がいいからかなぁ…。
スベスベとしたお餅の口にやさしい食感と、胡麻をミッチリつけて揚がったサクサクとした表面のコントラストがまたたのしくて、噛むと口の中でそれが一体となる、その美味しさにニッコリ、笑顔になっていく。
サラッと甘みが控えめの砂糖シロップに浮いた杏仁豆腐のひと味たりぬさっぱり感。
甘くて冷たいスープのようで、スプーンですくってスルンと食べると、お腹がヒヤッと目を覚ます。
これだけ食べて、1280円という値段がちょっと申し訳ない。
時間をユックリかけて味わい、週末の昼の時間を無駄に過ごすのもステキじゃないかと、そう思う。
一緒に昼を付き合ってくれた人がたのんだランチ。
開店してからずっとここの定番セット。
好みの麺と、好みの丼をセットにできるというモノでバリエーションが結構あるのがたのしいところ。
とは言え、たのむモノは決まってますが…。
フィッシュボールとすり身の厚揚げ。
どちらも魚のすり身を使った練り物食品。
フィッシュボールはムチュンと前歯で歯切れると、ブリンと弾ける弾力のある歯ごたえたのしい。
一方、厚揚げの方はフッカリ。
日本のはんぺんを揚げて表面を焦がしたような、フックラとしたやさしい食感。
どちらもそれぞれ味わい深い。
それからツルンと喉越しのよいエビワンタンが具材で揃う。
香港麺と日本風のラーメンのどちらかが麺で選べて、当然、極細香港麺。
細くてチリチリ縮れてて、ひ弱く見えてこれがかなり頑丈で熱々スープの中に沈んでそれでもバッサリ、歯ごたえがある。
塩がベースの鶏のうま味をたたえたスープを、タップリたぐりよせて口をみずみずしくするオキニイリ。
ただデリケートなスープのためにそのときどきでちょっとづつスープのコクが変わるのだけど、今日はなんとコッテリ濃厚…、当たりの昼とあいなった。
丼は豚バラ肉をトーチと一緒に蒸して仕上げた排骨で、脂が甘くておいしい一品。
それをご飯の上にどっさり。
オイスターソースで風味をつけて、味わい豊かな香港的なる食堂ご飯。
折角だから何か一品、料理をたのもう。
野菜がいいね…、とメニューをみたら「モヤシと黄ニラの炒めもの」がある。
シンプルだけど絶対おいしいに違いない。
コレといって特別な食材を使ったわけではないのにおいしく、自分で家で作っても絶対こんなふうにはならない。
だから、たのみたくなってしまう。
シャキシャキとしたモヤシの歯ごたえ。
黄ニラの匂いと、トロンと奥歯で粘る食感。
塩とスープで味をととのえ、みずみずしくてシャキッと口がひきしまる。
これだけ食べても当然おいしく、けれどコレを口に含んでお粥を食べるとそのシャキシャキが際立つおいしさ。
時折、赤唐辛子が口に入ってピリリと辛味を足して消えてく。
香港麺と一緒に食べると、これまたシャキリと歯ごたえたのしく、主役、脇役見事に手と手をたずさえておいしいお昼のできあがり。
このお店…、近所のおなじみさんを徐々に獲得しているようであります。
今日も男の人が一人でやってきて、小皿料理をつまみつつビールをグビリとたのしんだあと、香港麺で〆という大人なランチをたのしんでいた。
それもメニューを見ないでソラで、お店の人とやりとりしながら…、かっこいいなぁって思ったりした、使い手を大人に見せてくれるこうしたお店はステキと思ったりする。
今日はのんびりしています。
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