ロイヤルホストが珍しく、テレビコマーシャルをやっている。
イタリア料理フェアーというモノで、スパゲティーがおいしくなったというコトを熱っぽく、かなり強烈にプッシュしている。
「食べてみた人じゃないとわからぬ衝撃」なんて、あまりにキャッチーにして攻撃的な内容で、かつてのロイヤルホストは絶対使わぬフレーズでしょう。
それだけ必死になっているのか…、ならば食べてもみましょうか…、とやってきてみた。
ロイヤルホストでスパゲティーに類する料理を食べるのって、ひさしぶり。
ココに来るとたいていは、ステーキあるいはハンバーグ。
特にやってきたのは九段下にあるロイヤルホストグリルでして、だからなおさら、スパゲティーは蚊帳の外にて注文したことすらない始末。
かつてスパゲティーはファミリーレストランの花形料理のひとつだった。
けれど今ではまるで様変わり。
若い女性に、今食べたい料理は何ですか?って聞くと、答えの中に、必ずあるのがスパゲティー。
ところがファミリーレストランで食べたくはない料理は何?って質問の、答えの中にもスパゲティー。
技術を使わずシステムで料理を作ろうとするとハンバーグだとかステーキだとかはおいしく作れる…、けれどスパゲティーはシステムなんかじゃおいしくできない。
しかも他の料理に比べてあまり値段がとれない。
だから片手間料理になってしまう。
大飯店で食べるラーメンがおいしくないように、ファミレスみたいなお店のキッチンでできるスパゲティーはおいしくできない。
そんなコトが業界標準になってしまった今であります。
さてさてどんな具合でしょうか?とやってきてみる。
フェアーメニューのパスタは4種。
トマト系が二つとそれからオリーブオイルで仕上げるモノが2種類あって、中でも一番、味のバランスがむつかしそうな「魚介のラグー、アドリア海風」っていうのをとって試してみます。
ちょっと意地悪…、業界的(笑)。
魚介のラグー。
海の幸が豊富なイタリアの南の方では、魚介類。
特にイカを細かく刻んでミートソースのようにする。
魚介の旨みを引き出して、それを例えばトマトソースで煮こんでミートソースのようにすることがある。
これはそのまま。
オリーブオイルとニンニクと、魚介の出汁で味ととのえる。
アサリをたっぷり。
贅沢仕様のボンゴレビアンコみたいな風貌、そして味わい。
香りたかくて悪くはないです。
特にこのパスタのコシにハリ、歯ごたえたのしく、しかも肉感的な噛み心地は他に類をみない見事なモノ。
たしかにこれは「食べてみたくちゃわからない」新食感でござります。
聞けば「ヴェリーニ」っていうブランドの低温乾燥熟成パスタを使って作ってるという。
これってかつて壁の穴が使っていたスパゲティーと同じ製法…、だからムッチリ、日本人好みの噛んでたのしい仕上がりになる。
しかもそこにシーフードのうま味がシッカリしがみつく。
かなり沢山のミンチ状の魚介がポロポロ、そぼろのようにちらかってアサリの殻にたまるほど。
その食感もホツホツコツコツ、軽快にして味わい濃厚…、ぜひこれで明太子とか醤油味の和風スパゲティーを作ってほしいと思いもします、オキニイリ。
セットもためしにたのんでみます。
野菜のスープ。
トマトサラダにフォカッチャ、グリッシーニというセットの内容。
たしかにイタリア料理っぽい内容で、それぞれそこそこ。
スープはポッテリ。
イタリア家庭料理の代表的な食材でもある白いんげ豆を沢山いれて、その澱粉で自然なトロミがついている。
しかもそれがホツホツたのしい歯ごたえがあり、スープというより豆のお料理みたいな感じに仕上がっている。
舌にドッシリのって広がる。
お腹をやさしくあったかにする食べ応えのあるスープ。
トマトサラダにはバジルの香りのドレッシングがかかってて、イタリア的なる香りがしてる。
けれどサラダのベースになっているのはカットレタスだったりするのがさみしい。
せめてルッコラあたりを使って作ってくれれば、イタリア気分も盛り上がろうモノ。
フォカッチャ、グリッシーニは出来合いのモノ。
アリタリア航空の機内食ででてくるような感じで、それもイタリア気分といえば言えなくもなく、けれどちょっとさみしい感じ。
とはいえかなり頑張っているって感じます。
パスタは絶品…、他のレシピも試してみたいと感じる味わい、けれどパスタ単品で1000円半ばという値段にていまどきかなり有名なイタリアンレストランでもそのお値段でサラダにコーヒーついたセットをだしてるのよね…、ってその点だけはかなり残念、なやましい。
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