またまた、なぜか恋しくなって、まいどおおきに食堂にきてご飯。
野菜を沢山食べましょう。
そう思いつつ、ショーケースの中をジックリ見ていくと、いつもと違った景色が見える。
いつもはトンカツ。
あるいは唐揚げ。
アジのフライが目にはいる。
そこは男っぽさがプンプン漂う、満腹天国のようにみえてた。
そうした料理はいつきても代わり映えがしない料理で、チェーン店の料理のように見えてしまう。
けれど野菜の料理をみると、季節、季節を感じてたのしい。
家庭的なる料理があれこれ。
これはいいなぁ…、ってニッコリします。
とは言えメインを何かひとつ。
それで焼き鯖。
焼きたてという訳じゃない。
表面がちょっと乾いた感じになっていて、けれど皮がパリッとキレイに焼けていたであろう気配があった。
脂の強い青い魚が、自分の脂を吐き出しながら皮を自ら焼いていく。
大根おろしがサイドについてて、典型的なる定食屋さんのメインディッシュの姿に惹かれて選んでとった。
手にしてお盆にのせようとすると魚の香りがポワン。
よだれがジュワッとやってくる。
肝心の野菜の料理を選ぶ決め手が見つからずそれでまずはひじきの煮物。
立派に太く、元気なひじきの甘辛煮。
ココの煮物は甘み控えめ、出汁の風味がシッカリしててやさしい味付けなのが好き。
ニンジン。
それから油揚げ。
煮加減も程よく、噛むとシャクッと繊維が奥歯で潰れて海の香が鼻から抜ける。
肉を食べてできる元気と、おふくろ系の料理を食べてできる元気はちょっと違うネ。
しんみり体の中に染み込み、長い時間、元気が持続するような気がして、なんだかとてもアリガタイ。
それから高野豆腐の煮物。
シットリ出汁を煮含ませ、それを玉子とじにしたもの。
母が得意な料理であります。
小さな頃、この高野豆腐の玉子とじの高野豆腐ばかりを食べて、よく叱られてた。
口に含んで舌と上顎で高野豆腐を潰して出汁を吸う。
出汁を吐き出した高野豆腐をスパスパ、口の中でもてあそぶようにするのが好きで、お行儀悪いってよく叱られていたのであります。
それをちょっと思い出し、しんみりしちゃう。
この出汁、関西風にすっきりしててけれどコクは十分、昔の母の味に似ていてニッコリしました…、豚汁、それから梅干しでお腹をやさしく満たす夜。
そういえばこのお店。
比較的早い時間にやってくると、おじぃちゃんやおばぁちゃまが一人で食事をしてる。
自分が好きなモノだけを、目で確かめて自分の好きな量だけとってたのしめる。
一人暮らしには便利な店で、それは老若男女を問わず全ての人に言えるコト。
数回前に来たときに「ライスの小あります」と大きな文字で書いた札が出ていたけど、なるほどライス控え目な人たちがここにも来始めたというコトだったのでありましょう。
ボクも今日は小ライス…、ほどよき満足、オゴチソウ。
ちょっとたのしい動画をひとつ…、ヘミングウェイの晩年の海洋小説「老人と海」と題材にしたストップモーションアニメ、そのタイトルも「the old man and the sea」。
the old man and the sea from Marcel Schindler on Vimeo.
何がスゴイって、すべてがサインペン一本で描き出された絵だけで構成されている。
にも関わらず迫力があって、「老人と海」という小説の持つムードというのが伝わってくる…、変に色がないとこが一層臨場感を引き立てていて、BGMもその臨場感を引き立てている。
最近、ストップモーションアニメ的なる作品がYouTube上に結構、次々、アップロードされていてどれもが独自の世界観を発散している。
一つの表現方法として確立されたのだろうなぁ…、って思ったりするオモシロイ。
[7回]
PR