夜、思い立って「ねぎし」に来ます。
かつて東京で仙台風の牛たんを食べようと思ったら、まず「ねぎし」でしょう…、って具合の名店だった。
新宿という街に集中的に出店をしていてずっと、それ以外の街にはなかった。
だから当時のボクの頭の中には「牛たん」というのは、仙台名物というよりも「新宿に来たら食べる料理」のようにインプットされていたほど。
今ではねぎしも新宿以外の街にも展開、新宿名物ってコトではなくなった。
しかも本場の仙台から仙台牛たんの専門店が次々やってきて、牛たん料理そのものも珍しいモノじゃなくなってこの店の存在価値ってどこにあるのって感じになった。
BSEのときに牛たんを確保できないで、豚肉に走ってしまった。
そのときちょっとブランドイメージを落としましたか…。
吉野家と同じ感じかな。
それでずっとご無沙汰だった。
けれど最近。
お店を次々リニューアル。
オープンキッチンを真ん中に置き、明るいレストラン風のお店にしてる。
それがちょっと気になって、やってきてみて感心しました。
明るく、気持ちの良い空間。
そういえば昔この店は「ジャズが流れる大人の空間」で牛たん焼きを肴に飲むのがたのしいお店。
けれど今、飲み系の店は苦労をしてる。
それで明るい食堂系にイメージシフトをしているのでしょう。
けれどBGMはジャズのまま。
今の時代のジャズのムードって、こういう感じなのかもしれないってニッコリしながら牛たん定食をたのむとほどほど、品質もよし。
安めの料理は豚肉だとかにまかせておいて、たんは若干高めだけれどおいしく分厚いモノを使ってという割り切りが専門店的でいいな…、と思う。
昔、贔屓にしていた店がピカピカになって戻ってきたような気持ちになって、それで追加で「和風タンシチュー」も一緒にたのむ。
牛たんも好きではあった。
けれどこの店が好きだった、一番の理由は実はこの料理。
デミグラスソースで煮込んだ、タンシチューを自慢にしているお店はそれまで沢山あった。
コッテリしていて焦げた香りが特徴的で、けれどココのは和風味。
トロンととろみがスベスベしてて、味噌を隠し味にコクをだしてる。
けれどスッキリ、後味が良い。
だからご飯のおかずにピッタリ。
ひさしぶりに食べたこれ。
牛たんゴロゴロ。
ニンジン、じゃがいも、玉ねぎと具材の種類は昔のまんま。
けれど、牛たんの量は確実に昔よりも多くなってる。
最近、日本の飲食店の料理はどんどん痩せていく…、昔と同じと言いながら、同じ名前で見る影もない貧しい料理を出して平気なお店がほとんど。
なのにココではこうしてシッカリ、レベルアップさせている。
土鍋でグツグツさせて出してくる提供方法も、昔ながらでありがたく、ハフハフしながら食べると体もあったまる。
麦とろホツホツ、とろろもスベスベ。
かつてココのとろろにはもれなくうずらの玉子が入ってて、それが苦手でいつも抜いてもらっていたけど、今では玉子はついてこないのがデフォルトのよう。
衛生的を考えるなら、当然そうなるに違いない…、いまだに生の玉子を平気で使うチェーンって一体どうよって思うおじさん、ちと、頑固者(笑)。
ナッパの漬物についてやってくる青唐辛子の味噌漬けがいささか辛味に欠けるのと、テールスープのうま味がもっと出ていれば完璧なのにと思いはします。
けれどそれでも満足できる…、また来ましょうかと思う今日。
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