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2025/02/01 (Sat)
鼎泰豊
そして昼。たのしい旅の仲間と最後の午餐を取ります。鼎泰豊。
台湾を代表するお店のひとつで、お店も数軒。どこも流行っているけれど、この店だけは最初集客に苦労した。
どんなに有名で、どんなにおいしい店でも場所が悪いと最初は苦労する。
それをどこまで耐えるか、そしてどのように耐えるかというのが成功できるかどうかの境目になる。
この店、さすがにシッカリ耐えて、今日も12時前というのにほぼ満席。帰るときには50分ほどの待ちができてた。繁盛店。
食堂風の清潔だけど合理的で質素なお店。店の真ん中にガラス張りの厨房がありそこで次々料理ができる。できた料理を調理人が運び出し、食卓近くでサービスしているウェイトレスに手渡し、それが提供される。
その臨場感がこの店ならでは。
まずは突き出し的なる料理。キャベツを発酵させた漬物。もやしの和物。掘ったばかりのタケノコを茹でたモノと、どれも食材のおいしさいかしたシンプルだけどおいしい料理。
中でもタケノコの甘さにウットリ。びっくりします。
そしてココの名物、蒸籠の蒸し物あれこれ。
小籠包にエビの焼売、それから野菜の蒸し餃子。どれも熱々。蒸籠の蓋をとると蒸気がもくもくあがって、霧が晴れると中からゴチソウが登場してくる。
目にあたたかく、おいしいもてなし。
小籠包は豚の旨味を味わう料理。海老シュウマイはその小籠包の旨味の上に、エビのすり身とエビをのっけて味わう料理。野菜餃子は名前の通り細かく刻んだ野菜だけ。小松菜と豆苗がメインの野菜は渋みと香りが、まさに野菜。
どれも皮の生地が薄くてなめらかで、舌をツルリとくすぐり撫でて、次の瞬間存在感を潜めて具材の味だけになる。
作ったばかりの皮だから。すべて人の手で作ってるから。だからこんなに繊細で同時に頑丈。箸で持ち上げても決してやぶれぬたくましさ。
それにしても小籠包のスープタップリ。みずみずしいコト。ちょっと箸でつねって皮を傷つけただけで、レンゲにスープだまりができちゃうほどで、チュチュっとすすると口いっぱいに肉の旨味が広がっていく。
ゼラチン質がかなりの部分をしめているのでしょう…、唇が濡れて乾くと貼り付くようなその食感にまたウットリ。
日本にもあるお店ではある。メニューもほとんど同じだけれどココにこないとない料理もある。
焼いた排骨は台湾ならでは。薄く叩いて伸ばした豚肉。脂をほとんど持たぬ部分で調味粉はたいて焼くと意外なほどにサッパリしてて、肉がホロリとほどける繊細。
スーラータンもなぜなんだろう…、台湾で食べると美味しい。豆腐が違うのか、それとも台湾の空気がおいしくさせるのか。
蒸した肉まんは〆の代わりに。
小籠包と違って小麦粉生地を味わう料理で、フッカリ、やさしくお腹にたまる。
空芯菜のいためもので口をシャキッとひきしめて、そして最後の甘い点心。
薄く伸ばした生地であんこをくるんで蒸し上げたモノ。
この皮の薄さとハリが独特で、食べた途端に口にペットリ貼り付いて、軽い噛みごたえと共にササッととろけて消える。
中の餡子は細かく潰したこしあんで、ドッシリ甘く、なのにスキッと後味が良い。
皮を薄くしたキンツバだとか、焼かずに蒸した松ヶ枝餅と、いろんなモノに例えられるなつかしさと気安さがあり、けれど何にも例えられない独特がいい。
何より見事な模様を作ったてっぺん部分に、ニッコリ、両手をあわせたくなる。
ちなみにこの店のようにおいしい小籠包のお店は他に何軒もある。
この店が作っていない珍しい、しかもおいしい小籠包のお店もあって、けれどやっぱりこの店にくると違うと思う。
違いはなにか?
それはお店の人たちの笑顔の量が溢れるばかりで、他を圧倒しているから。
お客様にサービスするときに笑顔であるのは当たり前。椅子を整理するときや、従業員同士で話をしているときまで笑顔で、みているこちらも気持ちいい。
ひっつめ髪に整えて背筋がしゃんと伸びた姿が、かつてのサービス王国を謳歌していた時代のロイヤルホストを思い出させる。スバラシイ。
[4回]
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2014/06/27 (Fri)
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