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スミズーラ

来週に控えるめでたいイベントの打ち合わせをするため六本木。
レスタジなるレストランにて下見をかねてミーティング。
お客様が食べたいモノに忠実に…、って気持ちを大切にしたイタリアンレストラン。
久しぶりにホームページをみたらば「私たちのお店はスミズーラにこだわります」…、みたいなフレーズがくわわっていた。

スミズーラ。
ひさしぶりに聞く、ボクの好きなイタリア語。
そのまま訳せば「あなたのお気に召すままに」。

ボクが一番最初に知ったのが紳士服の世界でのこと。
「Ermenegildo Zegna」のスミーズーラってシステムで洋服を作っていたことがある。
フルオーダーとは違い、もともと用意されたいくつかのパターンの中から自分の体に合うのを選んで、それをベースに細かな部分を変更する…、というつまり「カスタマイズ」という方法。
まずは担当の人と徹底的に話をします。
例えば、南国の海辺のリゾートホテルのメインダイニングに着ていくためのスーツを一着作りたいんですけど…。
ならば、なるべく柔らかい生地でユッタリとした着心地だけど、だらしなく見えないようにスタイルだけはカチッとさせて…、と次々アイディアが湧いてきて、結局、ザックリとした黒麻の生地で、でも形だけは英国風に仕立てあげ、包みボタンにパッチポケットでカジュアル感を出したスーツが出来上がってきた。

「ワタクシだけ」を手に入れようと思ったら、自分の気持ちを正しく伝えるコミュニケーション能力がまずは基本…、ってそのとき思った。
そしてココ。
さすがに昼のランチでは、ワガママをいう時間の余裕もほとんどなくて、けれどディナーやあるいはパーティーでは、こちらの気持ちを伝えれば伝えるほどにお店の人の目の色変わって、情熱的な対応になる。

前菜代わりのサラダをバリバリ食べながら、打ち合わせにつぐ打ち合わせ。

メインはラザニア。

フレッシュトマトの風味さわやかな軽いソース。
パスタシートの間に、煮た牛肉のすねをほぐしたミートソースや茄子やブラックマッシュルーム。
アーティチョークにゆで卵と、具材タップリ。
盛りだくさんで、ナイフフォークで切り分けながら口に運べるシチューのようなそんな味わい。
パスタ料理というよりも、パスタを使った野菜の料理…、ってそんな感じがなかなかに良い。
ニコニコしながら、ハフハフ食べる。

表情豊かなテーブルには思いがけぬ幸運がくる。
…、って、ボクはそう思います。
お店のサービススタッフにとっても、満足げな笑顔であったりちょっと不満げなしかめっ面は次の的確なサービスへのヒントになる。
だけどただただ無表情に黙々と食べてる人には緊張をする…、って。
お客様に何をしてあげればいいのかわからなくって、結局、クレームを生んじゃったりする。
お客様に接するって、ときにむつかしいコトなんですよネって、勉強会なんかでもそんな悩みを打ち明けられたりするなやましさ。
ボクらはとてもわかり易い客。

デザートもらう。

パンナコッタに洋梨のピュレをクリームと一緒に冷やし固めたアイスクリーム。
それにフルーツ。
フルーツソース。
日本のお菓子のおいしいことって、世界随一。
特にこうしたフレッシュで繊細にしてやさしい味わいのお菓子は日本の独壇場だ、って思います。
アメリカなんかでデザート食べて、あら、おいしいって思ったら、まず間違いなくそこには日本のパティシエがいる。
あるいは日本人のシェフがどこかで目を光らせてる。
そう思ってもいいんじゃないかなぁ。
ただどうしても、かなわないのがその街、その国の伝統的で大衆的なお菓子の世界。
例えば南イタリアのババであったり、カンノーリであったりの容赦ない甘さと香りの素朴な世界は日本じゃなかなか味わえない。

ババが食べたい。
ちょっと思った、作ろうか？
きたるイベントの骨子もかたまり、あとは銘々、当日に向け準備をするのみ。
たのしい企み…、がんばろう。

夜、丸の内の新丸ビルのかつ吉に来る。

つい最近まで通ってた、水道橋にお店があって、そこから三田線一本でやってこれる新丸ビルにこうして支店があるステキ。
そういえば、今通ってる千石の近くに「ワンズバーガー」ってハンバーガー屋があり、そこも新丸ビルに出店している。
三田線つながり…、おもしろい。

漬け物あれこれ。
冷たいお茶にふっかりとした熱々おしぼり。
ボール一杯の生野菜。
全部、かつて通ったお店のまんま。
三種類の漬け物の中にラッキョがあったのがこの上もなき幸せのコト。

それにしても新丸ビルのレストラン街。
呆気ないほど人が少ない。
通路はガラガラ。
ほどほど混んでる店もあるけど、どこも待たずに入れる程度。
大丈夫なのかなぁ、このフロア。

料理はおいしい。

シットリとしたヒレのお肉がムチュンとちぎれ、肉汁ジュワッとほとばしり出るみずみずしさをパン粉がカサッと包み込む。
ここのヒレカツは絶品なカツ。
ぶつ切りのエビを卵白などでガシっとまとめ、衣をつけて揚げたエビカツ。
プチュッ、プチン、プルン、プチュン。
プリプリ、プッチュン、「プ」で始まる味、歯ごたえ、風味。
かにコロッケが二個もついてて、実はコレを選んだ理由がこのコロッケを食べたかったから。
ポッテリとしたベシャメルソース。
コクがあってなめらかで、そこにカニの身、風味が混じる。
カサカサ、カラカラ、パン粉の食感、香りが混じり濃厚にして旨味抜群。
こうした昔ながらの洋食料理を最近、たのしむことがなかなかできず、それでどしても食べたかった。
予想以上のなめらかに、ウットリとなる。

味噌汁、ご飯でお腹一杯。
お店を出ます。
外はガラガラ、寂しい限り。

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2009/08/27 (Thu) ダイアリー Trackback() Comment(6)

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無題

めでたいイベントと言えば、明日からMacの新しいOSである、Snow Leopardの発売日ですね。とはいえ、私はアップグレードしない予定です…。Leopardのままで十分だなと思いますね～。大して不便でもないですし。

りりこりあさん / 2009/08/27(Thu) / URL

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MOTTAINAI

かつきち美味しいですのにね.

東京はお店が多すぎますよね.
しかも店毎に違う美味しさがあったりしますしね.

この地では,人は,なんというか味よりも常連である事を優先している気もします.
ある意味互助会なのでしょうか.
そういう場所に移民の人が店を開く事の不都合さ,そういうものも感じます.

なんというか,日本の人は1つの食事に美味しさとか'得'というか,そういうものを求めすぎていると感じます.
自分もそういう傾向があるのでなんとなくそういうのはよくないなと最近思います.

それにしても揚げ物が食べとうござります.
三河屋でおばちゃんにコロッケを奢られとうございます……

佐藤Rさん / 2009/08/27(Thu) /

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PowerMacは

> りりこりあさん
ボクのマックはPowerPCで、IntelMacじゃないもんですから、新しいOSも猫に小判な状態です。
ちょっとうらやましくはありますが、まだまだ我慢です。

サカキシンイチロウさん / 2009/08/27(Thu) /

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一度で判断できぬこともある

> 佐藤Rさん
洋服も何度も何度も着続けて、やっと体にしっくりくるようなそんなことってありますよね。
レストランも多分、同じことなんだろうって思います。

好店１０年、客を変えず。
好客１０年、店を変えず。

って言葉があるんだそうです。
なかなかに難しいことでございましょう。
三河屋のおばちゃんにおごられるコロッケ。
ありゃ、最高のご馳走です。

サカキシンイチロウさん / 2009/08/27(Thu) /

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素晴らしいお言葉.

好店１０年、客を変えず。
好客１０年、店を変えず。

味わい深いですね.
伝えていきたいと思います!

佐藤Rさん / 2009/08/27(Thu) /

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どんなに数が少なくとも

> 佐藤Rさん
人間関係と同じですよね。
友達も数の多さよりも、その付き合いのあり方の方が大切なように思います。

サカキシンイチロウさん / 2009/08/27(Thu) /

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