サカキノホトンブログスキヤキ

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スキヤキ

打ち合わせを終えて、家に帰る途中で軽くお茶。

お茶のお供にサンドイッチでも食べましょうか…、と、オー・バカナルにてパンを買う。
銀座の外れ。
泰明小学校の前にお店を構えるフレンチのビストロで、店の一角にベーカリーショップがある。
ここでサンドイッチを買ってお店で食べるコトもできる趣向でだから、かなりシッカリとした出来栄え、味わい。

ハムとチーズのカスクート。
ジャンボンフロマージュと俗に呼ぶバゲット使ったサンドイッチを一本もらう。
食べやすいように４つに切ってくださいネ。
お願いすると、サンドイッチを包んだ薄紙のまんまザクザク。
ちょっとびっくりしたけれど、薄紙の下の部分を切らないようにすればそのままペーパーバッグに入れても形が崩れない。
取り出したとき一本まるまま、そのまんま。
こりゃいい工夫だ、覚えとこ！

セガフレード・ザネッティのお店の店頭。
お店の一部というよりも街の一部をなしていて、アイスカフェオレの一番大きなサイズをかって、これを表で食べさせて。
そうお願いして、カフェのテーブルのようにする。
ビターでけれど豆そのものが甘みをタップリ含んだコーヒー。
ミルクの風味に負けぬおいしいエスプレッソが、体をシャキッと元気をつける。

それにしてもオー・バカナルのこれ。
本当においしい。
ヴィロンのジャンボンフロマージュもおいしくはある。
けれどココのこのサンドイッチ。
ガツンと味が強くていいネ。
ハムもチーズもバゲットも、全部パキッと塩が効いててワインと食べるとおいしいだろうなぁ、って予感をさせるオゴチソウ。

甘いパンも一緒に食べたい。
それでバナナクリームのダノワーズ。
筒状に作った生地に、フレッシュバナナとバナナのピュレとカスタードクリームを混ぜて合わせて詰めたモノ。

ダノワーズ。
フランス語でデンマーク風を意味する、サクサク、幾層にも重なったパイ生地で作ったデニッシュペストリー。
手に持ち上げるとズッシリ重たい。
カサカサとした生地がこわれてパラッと落ちる。
ひとつひとつの層の間に、焼かれる前にはバターが練りこまれていた訳でして、それがトロトロ、クリーミーになっていくのが背徳的でたまらない。
バナナの香り。
ネッチリとしたカスタード。
吸い込みながら噛まないとドロンと反対側から中のクリームが落ちてきそうなサービス精神旺盛に、ウットリしながらおやつを終える。

夜は家飯。

簡単にできるおかずをいくつか。
人差し指大の茹でたエビが安くって、それを使ってまずは前菜。
アボカドをすいくいとってボールに入れる。
スプーンで軽く潰しつつ、レモンの汁とタバスコくわえる。
そしてそこにマヨネーズ。
塩と胡椒で味をととのえ軽く練り上げペーストにする。

アボカドにタバスコってよく合うのです。
特に若いアボカドがもってる青くて生臭いところ。
それがタバスコと出会うと、不思議なコトにスッキリ、なくなってしまう。
若々しくてみずみずしい、森のバター的甘い香りだけが残ってとても食べやすくなるのですね。
エビとアボカドソースが一緒に口にやってきて、トロトロムチムチ異なる食感一度にたのしむ。
食欲スキッと湧いてくる。

瓜と茄子を塩で揉む。
軽く浸かって浅漬になったモノをゴマで汚して食べる。
カリカリ、ポリポリ、サラダ的。
カッパを一本。
考えてみればこれも中には瓜系野菜…、売り食べる夜、夏の夜。

そしてスキヤキ。
火が入っても硬くなりづらい赤身の和牛を安く買い、醤油と砂糖と日本酒で関西風に焼きあげる。
味を見ながら、好みの味に仕上げてく。
割り下なんかに入ってる出汁やうま味の成分がない分、素直に肉のうま味を味わえる。
焦げた砂糖がカラメル化して、香りやコクが肉をおいしくしてくれもする。
焼いた豆腐に結んだしらたき。
ネギに春菊、エノキタケ。
昔からスキヤキにいれておいしいモノだけ選んでいれる。
どれもがおいしく、どれもが他の味を邪魔せぬ見事な出来栄え…、長い時間をかけてこうして作られたレシピはやっぱり最高ネ…、と納得しながら夜とした。

ちなみに本日、坂本九が歌ったスキヤキ。
つまり「上を向いて歩こう」がビルボード誌のヒットチャートの週間ランキングＮｏ．１になった日なんだ。
朝のニュースで小耳に挟んで、多分、それが頭のどこかに残ってた、それでスキヤキ。

１９６３年のコトだって言う。
こうしてフィルムを見ていても、この頃の日本は本当に貧しかったんだなぁって思う。
ボクが３つの時のコレ。
けれどこの歌、あるいはこれを謳う九ちゃんのこの笑顔。
経済的に貧しくって、ココロは貧しくなかったんだなぁ…、ってしみじみ感じる。
今も大変な時代だけれど、このコロほどは恵まれていて、けれどココロが貧しい人や、ココロを貧しくさせてしまうような出来事ばかりがあるのが哀しい。
明日も上を向いてあるきましょうネ…、ニッコリと。

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