夕刻、プロントにて打ち合わせ。
カフェタイムからバータイムに移行する、寸前のコト。
昼でもない。
夜でもない時間のコトを「逢魔が時」と呼んだりする。
いわゆる黄昏。
どちらもでもない宙ぶらりんな居心地悪さを魔物が出てくると例える昔の人の知恵。
そしてセンスがボクは好き。
そして今。
このプロントはまさに逢魔が時な時間であって、ちとオモシロイ。
客席側はノンビリ静か。
ところがカウンターの中は夜の準備をしているというチグハグで、そのにぎやかが結構たのしく、面白かったりするのです。
さてコーヒーを飲みましょうか。
いっそハイボールにでも手を出してみましょうか?と思って、にんじんジュースをたのんで飲んだ(笑)。
千葉県産の赤にんじんを搾ったジュース…、これがおいしい。
不思議においしい。
にんじんギライには絶対飲めない。
封を切った瞬間に、にんじんらしい匂いがネットリ、鼻をくすぐるまさににんじんの絞り汁。
にんじん好きにはたまらんです。
あるいは、にんじんが好きでも嫌いでもない人が、これを飲んだら「あぁ、にんじんってこんなに甘くておいしいんだ」って魅力に開眼するに違いない。
にんじん風味のジュースはたくさんあるけど、にんじん味のジュースはかなり珍しい。
なにしろ瓶の底の部分に、かなり沢山のにんじんカスがたまってる。
搾った際に壊れてジュースに混じった繊維。
振らずに注ぐと底にタップリ残ってしまう。
だから振る。
かなり盛大に何度も何度も振ってやり、それでグラスに注ぐとサラサラ。
繊維が一緒に降ってくる。
それもタップリ。
氷の上に乗っかって、プツプツ、あばたを作るほど。
ストロー使わず、グラスに唇あてて飲む。
サラサラ唇に繊維がさわって、「今、にんじんを飲んでいるんだ」って気持ちになれる。
甘くてほどよく酸味があって風味豊かで体の中が明るくなってく…、健康的をのんでるみたいな味わい、香り、オキニイリ。
実はラ・フランスティーっていうのがあって、それを本当は飲みたかった。
けれど商品名のところを見ると「ぷるぷるラ・フランスティー=ヒアルロン酸入り」って書いてあったのですね。
コラーゲンにヒアルロン酸。
美容に良いと言われつつ、飲んだり食べたりしても効果がほとんど得られるコトがない。
そんなモノで妙な付加価値付けた食品が、ボクはあんまり好きじゃなく、それで自然な飲み物を選んで飲んだ…、うまかった。
それから夜を「せんごく」にくる。
本郷三丁目の交差点にあるステーキハウス。
今ではちょっと敷居を下げて、「洋食せんごく」ってなっているけど、ボクの中では永遠の気軽でたのしいステーキ屋さん。
近所にオフィスがずっとあって、だからその頃、頻繁に通っていた店。
最近、改装したんですよ…、ってお店の人から連絡がある。
結構、評判いいんですよってそうも言われてどんな具合になったんだろうと。
ワクワクしながらやってきた。
カウンターが中心だった前の店。
テーブル席が多くなり、しかも中にはブース席まで作られている。
オープンキッチン。
キッチンの前に沢山下がるペンダント。
とても明るく、だから食堂風にみえているけど、もし照明を落としたらワインバーのように見えなくもない雰囲気で、なんだか落ち着く。
それまでランチを食べるのがピッタリくるような店だった。
けれど今では、夜にお酒を飲みながら…、って使い方もできるよう。
レストランのメインの時間はやっぱり夜。
昼はお試し感覚で、そこで気に入ったお店を夜に贔屓できるようになるのが大人な外食。
そんな気持ちに対応できるお店になった…、なんだかちょっといい感じ。
ここの名物、ステーキハンバーグ。
お店の人はステバーという。
うま味の強い赤身の肉を、千切りにしてそれを玉子をつなぎにしただけで、ハンバーグ状に整える。
表面カリッと。
中はシットリ、ジューシーに焼き上げ鉄板でジュウジュウしながらやってくる。
塩の風味が肉に直接乗っかっていて、そのまま食べても十分おいしい。
噛むたのしさと、噛めば噛むほどおいしさ増してく、その食感はまるでステーキ。
けれど脂を持たず、サッパリとして、どこを食べても同じくおいしい、ハンバーグ的親切な料理でもあるお得な一皿。
アンチョビ風味のバターをのっけ、それを肉の温度でとかして食べると風味、コクがドッシリとする。
ご飯のおかずに見事にピッタリ。
肉汁、スパイス、溶けたバターをもやしが受け止め、おいしくなってく。
しかもどんどんもやしが焦げていくのですよね…。
その香ばしさ。
どんどん甘くなってく味にこれまたご飯がすすむわい…、とウットリしながらパクリパクリと食べ進む。
実はコレ。
売りだしてからもう200万食も売れた人気の料理だという。
多分その200万食の中の最低50食、もしかしたらば100食位はボクが食べた分だろうなぁ…、って思ったりした、オキニイリ。
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