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2024/12/04 (Wed)
昼のはしご飯、寿司と蕎麦
新宿西口で、立ち食い二軒をはしごする昼。
まずは寿司。
魚がし日本一のランチをつまむ。
にぎりに手巻きでほどよくお腹を満たしてくれて、それでワンコインとちょっとという程よきクオリティの寿司ランチ。
悪くない。
ネタもしっかりしているし、なによりこちらが食べるスピードに合わせて握ってくれるのがいい。
寿司屋に行くとボクの中の早食いDNAがフツフツと湧き上がるのでありますネ。
握られた寿司が目の前に置かれるや否や、口に運んですぐさま次の寿司に手を伸ばすというジーグなリズムでスピーディーに食べ上げる。
座って食べても2、30分で仕上がるっていうのが理想的。
マグロにサーモン。
イカ、鯵、ゲソとホタテに軍艦。
次々でてくる寿司をつまんで5分とちょっとで仕上がった。
このくらいの時間であれば、立って食べるのも粋というもの。
それにしてもココ。
来るたび、中国系のお客様がふえて感じる。
ここだけじゃなく新宿の回転寿司も中国の人がとても多くて、レジ脇に中国語の東京ガイドのフリーペーパーが置かれるようになってきた。
みなさん、上等なネタばかりを選んでたのまれるんでビックリするような単価になっちゃうんですよ…、ってレジのおねぇさん、うれしそうに言っていた。
過ぎた早食いのせいもあったのでしょう。
お腹にまだまだ余裕があって、それで立ち食い蕎麦にくる。
京王線の新宿駅を出たちょっと先にある「新和」っていう店。
どこと言って特別なところのない、本当に普通の立ち食いのそば。
というか、むしろ商品的にはパッとしない。
やわらかな麺。
出汁よりも醤油の風味が勝ってしまったぼんやりとした汁。
食べているうちにどんどん麺が膨らんで、腹一杯にはなるけれどちょっと残念な蕎麦なのですね。
なのに来る。
たまに無性に食べたくなって、それでやって来てしまう理由はひとつ。
「冷やし天ぷらそば」なる一品。
これだけは、絶品クラスのオキニイリ。
ここの冷やし蕎麦用のタレが、醤油っぽくってなんとも旨い。
讃岐の生醤油うどんに共通する、醸造食品独特の旨味とコクがそのまま素直に麺にまとわる。
甘味控え目。
出汁の風味が最後にほのかな後味になる、そんな程度の素直で素朴な醤油味。
太目のムッチリとした茹でた麺。
温かくするとたちまち伸びて膨れてくのを、冷たいままだとその心配をしなくてすむ。
ちょっともそもそした麺が、タレを存分に吸い込んで不思議においしい。
揚げ立てじゃない、どことなくフリッタのようなかき揚げもこのタレと一緒に食べると天ぷらとはまた違った食べ物ようになる。
わさびをのっける。
一緒に七味をタップリかけて、モソモソモグモグ、食べ上げる。
お腹いっぱい、満足す。
[0回]
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2009/11/26 (Thu)
はしご飯
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神保町飯、ごきげんな昼
昼、電車にのって神保町。
グランのメンチカツにしようか、それとも長い間いってなかったキッチン南海にしようか電車の中でズッと迷った。
時間は1時を遥かに過ぎた。
そうだ、この時間ならキッチン南海で単品料理をたのんで食べることができる…、ってそう思い出しそれで南海。
単品カレーに単品チキンフライを一緒にたのんで昼、といたします。
ドシンとした辛味タップリの黒カレー。
サラサラしてて、脂をあまり含んでない分、お腹に負担が少ないのだけど辛さは真剣。
ひいひいするほど舌に辛い。
カイエンペパー系の辛味がメイン。
そこに胡椒の甘味を帯びたうねるような辛味が混じって、口中火を噴く。
そんな味わい。
ご飯熱々、カレー熱々でホット(辛い)な上にホット(熱い)でもある。
食べ続けるとどんどん汗が噴き出してくる。
細かなパン粉をギッシリつけて、カリッと揚がったチキンフライ。
身はふんわかで、揚げているのにとてもやさしい味わいで、だからタップリ、量を食べれる。
千切りキャベツで油と辛味を拭いつつ、ハフハフ食べて、腹満たす。
それにしてもこのお店。
1時を過ぎてもずっとウェイティングの行列続く。
その行列をとても冷静にさばいて次々、サービスしていくクールなサービス担当のオネェさん。
今日も健在。
厨房の中は髭の暑苦しいオトコ世界。
お客様もほとんどおっさん、兄さんたちでそんな野郎世界をひとりで仕切るオンナ力にウットリします。
ごちそうさん。
食後のお茶を近所のお店。
さぼうるにてコーヒーを飲む。
東京の喫茶店のコーヒー価格はどんどん高くなっていく。
今、一番多い値段は400円から550円じゃないかなぁ…。
カフェって名前がついたりすると、一挙に600円オーバーになってしまうのが当たり前。
ここのコーヒー。
未だに350円。
毎日飲んでもおしくない、多分、コーヒー一杯の値段はせいぜい300円台じゃないと駄目、ってやっぱり思う。
スタバのコーヒーもかろうじて、300円台で頑張ってるし。
熱々カップ。
ちょっと小振りで、ハンドルのとこに指を軽くひっかけてスイっと自然に持ち上がる、程よき重さが喫茶店的。
酸味を帯びたコーヒーの味も、昔なつかし昭和風。
朝、ここに来てこれをたのむと、ピーナツが付く。
それをカリカリ齧りつつ、コーヒーすすって新聞を読む。
そうした大人な朝の境地になかなかたどりつけない、ボクはまだまだ子供というコト。
壁一杯に落書きがある。
近所の学生。
あるいは出版社の編集者のひとたちなのかなぁ…。
落書きの言葉使いや内容が下品でないのがステキなところ。
誰かが規制をしたわけじゃない。
ルールがどこかに貼り出されてたりするわけでもなく、ただただここのお店の空気。
キッチリとした商品作りや、ピシっとどこかに緊張感をただよわせる、といってかたくるしくはない働く人の息づかい。
それらが自然とお客様に伝わって、ごきげんな内容の落書きばかりを書かせるんでしょう。
例えばネットの世界もそう。
このブログにもいつもたのしくステキなコメントいただいて、ありがたいなぁ…、っていつも感謝するばかり。
ボクも背筋をびしっとのばしてがんばりましょう、ご機嫌に。
[0回]
2009/11/24 (Tue)
はしご飯
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鍋焼きで〆る寒い夜
さくら水産でかるく飯。
新商品という「塩昆布キャベツ」をまずはじめにとった。
ふむふむ。
セブンイレブンの名物商品でありますな。
元は銀座の「黒尊」っていうところの人気ランチの付き出しとして出ていた料理をなぞったモノ。
ざく切りキャベツ。
塩味つかたごま油ダレに白ごま。
それから塩昆布をタップリちらした、シンプルだけど味わい深い気のきいた味。
それにしてもよくもまぁ、ココまで見事に再現したものでありますね。
てらいも無くそのまんま。
なんのひねりも無いコピーっぷりに、逆にスゴいって感心しちゃう。
完成された料理はそのままやるのが一番というコトなんでしょう。
しかも飲食店の料理じゃなくって、コンビニの人気商品をコピーする。
今はそう言う時代なのかもしれません。
甘エビの磯辺揚げ。
太った甘エビをそのまま粉と青海苔をつけて揚げたもの。
随分、ボッテリした揚げ上がりだなぁ…、と思って食べたら、おやおやビックリ。
小麦粉じゃなく、米粉を使って揚げたモノ。
だからモッチリ。
お餅でくるんで揚げたような、そんな食感。
まるで出来立ての海老せんべいを食べてるみたいな風味がたのしい。
揚げ物がおいしいっていうのは、気軽な居酒屋さんではとてもありがたいコトであります。
例えば唐揚げ。
あるいはかき揚げ。
それにちょっと変わったこうした料理があるとたのしくお酒が飲める。
他にもカマンベールチーズをしゃぶしゃぶ用の薄切り餅でくるんで揚げたアイディア料理があったりして、結構、工夫をしているのがいい。
今の季節の秋鮭料理がいくつかそろい、その一つ。
秋鮭のザンギってのがあって、それ。
ザンギ…、北海道の郷土料理の一つで下味をしっかりつけた鶏や魚に片栗まぶしてカラっと揚げた料理のコト。
ボクの田舎の愛媛県では鶏の唐揚げのことを「せんざんき」って呼ぶこともあり、なんだかちょっと身近に感じる。
野菜の上に鮭のザンギを散らして甘酢をタップリかけた、健康的に感じる料理。
おもしろい。
それにしても今日のココ。
金曜日。
しかも時間は8時過ぎという居酒屋にとっては一番忙しくて当然の、そんな時間にかかわらず大きなお店にお客様はボクらを含めてたった3組。
今の日本はどうなっちゃったんだろう…、ってちと心配になったりしちゃう。
しょうがない。
〆にちょっと歩いて弁天庵。
鍋焼きうどんをズルッとやった。
中まで色が変わるほど、ジックリ強めに煮込まれたうどんの麺。
椎茸、鶏肉、葱に玉子といろんな具材の味が出汁に溶け出して、味わい濃厚。
すなわち「鍋」のおいしさ。
これにご飯とかき揚げがつく。
海老のプルプル、イカのクニュクニュ。
そしてレンコンのカリカリとした食感がとてもたのしいかき揚げを、出汁に沈めて油をとかしだして旨味にす。
玉子を一個。
出来ればよく火を通してほしいんですけど…、ってお願いしたら「玉子、先入れでお願いします」って厨房の中にオーダー通る。
なるほど、粋な注文方法…、覚えとこ。
で、出来上がってきた玉子をみれば、これが惚れ惚れするほどの出来。
白身はシッカリ固まっていて、白身に接する黄身のところはキチンと熱が入ってる。
ところが黄身の芯のところはとろっとろ。
ご飯の上にのっけて玉子ご飯にしてみる。
黄身がピトっと口にはりつく、肉感的な食感にうっとりとなる。
鍋焼きうどんの汁をかけてザブザブ食べる。
出汁に浸したかき揚げをご飯にのっけて、黄身をからめてパクンとやるとニュースタイルな天丼みたいな味になる。
熱々の汁をすすって、体あったか。
日本の北は随分寒い週末のよう、風邪ひかぬようお元気で。
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2009/11/20 (Fri)
はしご飯
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ココロにおいしい居酒屋、そば屋
夜、天狗に来ます。
ココしばらくの間、この会社がはじめた廉価版のテング酒場ばかりを使って、本家本元の天狗はとてもひさしぶり。
実は昨日。
新橋の餃子のお店で会食したあと「いわゆる今時の居酒屋料理」の勉強をちょっとしたくなり、個室系のチェーン居酒屋で食事をしました。
テーブルの上にタッチパネルのオーダー端末が置いてある。
プライバシーを尊重しますという名目の、手抜き万歳!みたいなひどい扱いで、まずはビックリ。
それにも増して料理のまるでココロもなにもこもっていない、そのおざなりにかなり下がって、やっぱり天狗って偉大よね…、って、逆にみんなで盛り上がった。
まるで「戒めみたいな時間だよね」ってボクらは思う。
けれど周りの若い人たちはみんな料理やサービスのことはほったらかしで、夢中でおしゃべり。
ここは食事をするところじゃないんだね…、って、そんなことも思ったりした。
それで今日。
酒と食事をたのしむ、つまり「昔ながらの居酒屋」がかろうじて残っている場所、天狗を選んだという次第。
魚にします。
今の季節はブリが旬。
まずは刺身をたのみます。
脂がのってキトキトの、見るからにおいしそうな分厚い切り身。
わさびをタップリ乗っけて醤油をササっと拭う。
醤油皿を満たした醤油に脂がススっを広がっていくのが目に麗しい。
脂の甘味。
季節の魚の濃厚な味、最後に残る酸味を帯びたやさしい風味。
冬はすぐそこ、ってそう思う。
何よりココには笑顔があって、すいません、って手を上げたなら、はい!ってすぐに飛んで来てくれる元気なスタッフがいるということ。
それが今日の一番うれしく、たのしいところ。
ブリ大根。
骨を抱えた頑丈な身と、ハラスにヒレ。
どこも切り身で食べるブリとは違った逞しさ。
出汁でにこんでなおもブリの風味は壊れず、煮汁にキラキラ、おいしい脂が浮かんでる。
ブリって魚。
煮込むと魚ばなれした濃厚で、ドッシリとした味、食感を発揮する。
そのおいしさを存分に、飲み込みおいしくなった大根。
飴色。
ツヤツヤ、テカテカ。
噛むとクチュっと中からブリの旨味がジュワッと滲み出してくる。
これまた冬はすぐそこにまで来てるんだよ…、ってそう声高に宣言するよな今の季節のオゴチソウ。
しばらく肉にまみれた口が、ほっと一息。
いい気分。
居酒屋も出汁がおいしいと、うれしくなります。
例えば季節の商品に、豚と葱の鍋っていうのがあった。
小さな鍋に、出汁をはりそこに薄切り豚肉を置く。
クツクツ煮込んで、提供する直前にネギをタップリ乗っけただけ。
厨房の中から客席にくるまでの間にほどよく熱がネギに通って、シャキシャキシャクシャク。
その食感はそのままに、生っぽさだけを無くしてく。
肉でネギを包んで食べる。
出汁の味。
醤油の風味、それにビリリと山椒の痺れと香りが加わり、手をかけてるわけじゃないのに、とてもおいしい。
気がきいている、ステキな料理。
おもしろい。
それから唐揚げ。
今までの唐揚げとは違ったニュータイプ、ってメニューに書いてた。
どんな具合にニューなのか?って、たのんでみたら、なんと胸肉一枚を、そのまま粉つけカラっと揚げる。
それをザクっと切り分けて、甘酢のタレをかけたもの。
ユーリンチーのなぞりの料理。
塊で揚げている分、中はフックラ。
とてもジューシーで肉汁タップリ。
けれど表面はカリカリサクサク。
揚げるのにちょっとしたコツと時間が必要だろうけど、鶏の味わいをより濃厚にたのしめるのが、こりゃいいなぁ…、って思ったりした。
タレをもうちょっと工夫すれば、もっとおいしくなるのに…っても。
まぁ、それは好みというコトで。
シーザーサラダを〆替わり。
レタスの上にタップリ生ハム。
生ハムでレタスを包むようにして食べると旨い。
生ハムだけをつまんで食べて、レタスでシャクっと脂を拭ってリセットするのもまたおいしい。
それにしても生ハムの脂のなんともおいしいこと。
熟成のきいた肉のタンパク質の噛めば噛むほど口の中で旨味を吐き出す、まるで昆布やするめや鰹節。
そんな味わい…、とても好き。
ところで今日のこの店は、週末というのにちょっと暇。
サラリーマンのおじさんたちも、みんなお小遣いの使い控えをしてるんでしょう。
いつもならば超満席で、二人で行けばカウンターか相席になる。
それが今日は6人テーブルを二人で独占。
日本の景気はどうなっちゃうの?…、そんな心配ちょっとした。
歩いてテクテク、四ツ谷の街から一駅歩いて、弁天庵で〆の〆。
途中、サルバトーレはほぼ満席で、でもテーブルの上にはせいぜいピザが一枚。
せいぜいグラスのワインか生ビール。
何軒もある寿司屋はガラガラ。
ホルモン屋さんは若い女性で満タンで、Coco壱番のカレーも一杯。
流行るお店と暇なお店の差は歴然で、一体、今の日本てどんなところなんだろう…、ってかなり悩んじゃう。
わかんない。
弁天庵はほどよき具合。
お店に入ってまずは注文、そしてお金を払って出来たらとりにいく。
…、っていうココ独特の作法もすっかり定着しちゃった。
お酒を飲む人。
ただただ蕎麦をたぐる人。
いろんな人に等しく優しい博愛主義がいいのでしょうね。
ボクは蕎麦。
梅おろしそばをぶっかけにした。
ボクらの隣は、焼き味噌つまみに日本酒を飲む粋なおじさん。
反対側のテーブルでは、スモークした鴨に板わさで焼酎のお湯割り、たのしんでいる。
みんなニコニコしあわせそうで、その雰囲気がまずご馳走。
一緒に行った相棒は、鍋焼きうどん。
それにつく白いご飯をちょっとかり、梅干し齧って、白いご飯をバクっと食べる。
梅干しご飯。
なんて素朴でシンプルで、なのにこんなにおいしく感じる。
口を酸味でみずみずしくして、それで蕎麦をズルズルたぐる。
お酒でポカポカしたお腹。
スッキリ、サッパリ、落ち着いた。
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2009/11/06 (Fri)
はしご飯
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はしご飯する風の夜
家の近所のベトナムレストラン。
ティンフック
で晩ご飯をとる。
ずっとここの激安ランチばかりを食べてて、お店のママに「たまには夜にも顔出して…」ってこの前、言われた。
母国を遥か遠く離れて、日本でこうしてがんばっているママのたのみは抗しがたくて、それでテクテク。
それにしても強い風。
冷たい雨が混じった風がビュビュンワワォンってふきつけて、いろんなモノが吹き飛ばされてる。
秋の嵐…、っていう感じ。
わぁ!ありがとう…、って厨房の中のおかあさんに出迎えられて、ああ、来てよかった。
温かい料理を下さいって、それでイカ団子を揚げてもらった。
暑いベトナムの料理はどしても体を冷ます料理が多くて、こうした熱々揚げ物も生の野菜の上にのっかりやってくる。
生のイカを包丁で叩くようにしてミンチにし、それをまとめてカラっと揚げたの。
だからプチュンとすり身のようで、でもところどころにゴロンゴロンと大きなイカの塊もある。
手作り。
素朴な食感で、けれど味わい力強い。
あわせてお酒をもらおうと、紹興酒をボトルでもらおうとそう思った。
けれど多分、まだ日本にやってきて間がない新人スタッフ君がボクの注文を間違えて聞いちゃった。
それでやってきたのが、透明な液体で満たされたオンザロックの小さなグラス。
なんだろう?って香りを嗅ぐとナッツの匂い。
アーモンド?
それともヘーゼルナッツの香り?
ほのかに甘いやさしい香りで、なのに口にそっと含むとスカンと広がるサッパリとしたアルコール分。
香りを裏切る甘味をもたない、例えばジンから苦い香りを全部取り去り代わりにナッツの匂いを入れた。
そんな味わい。
聞けば「ネップモイ」っていう餅米で作った焼酎。
ベトナムの大衆的なお酒なんだというんだね。
たしかにここのニュクマム臭をタップリ含んだクセある料理にピッタリとくる。
揚げ春巻きを葉っぱで巻いて、ライムで割ったスイートチリソースをタップリつけてパクッと食べる。
そしてコキュっとベトナムの酒。
口の中が南国になっていくのがたのしい。
新人君が間違わなけりゃ、多分、永遠に経験せずに終わったたのしみ。
結果よければ、すべて良し。
体をあっためてくれる炒め料理。
海老と玉子のカレー炒めというのをたのむ。
セロリ、タマネギ、ピーマンと才巻き海老をカレースパイスでササっと炒める。
素材からでた水気の中に、溶いた玉子をそそぎこみ強火でガサガサ、油と一緒にいためていくとホロホロまとまり、まるでそぼろのようになっていく。
海老の旨味とカレーの風味をタップリすった玉子そぼろが、具材にビッシリこびりつき、それと一緒にスプーンですくって食べるとなんと、おいしい、旨い。
カレーというと、シットリとして滑らかな料理を即座に思い浮かべる。
そんなボクらの貧しい発想を笑い飛ばすようなたのしい料理。
ほんとはこれでご飯を食べれば、最高なんでしょう。
あるいはココの鶏を煮込んだ田舎風のサラサラカレーと混ぜて食べると、それぞれの味を引き立てあってすんごくおいしくなるに違いない。
けれど…。
今日はも一軒、いかなきゃいけないお店があって、それでここで〆することを遠慮する。
あら、カレーを食べていかないの?って哀しげな顔するママにごめんなさいね…、っていいながら大風の中を歩いていきます。
弁天庵。
実は「鍋焼きうどん」が先日スタート。
ほぼ一年ぶりのご馳走にありつこうと、それで今日。
というのも午後3時からの時間限定販売商品ということで、例えば週末の昼なんかには食べることができぬ商品。
たしかに手間がかかる料理でもある、それでワザワザ。
それにしても夜のこの店。
すっかり「飲めるお店」のイメージが定着したようでありますね。
焼酎、ビールを飲みながらまずはつまみをつまんで最後に蕎麦で〆。
そんな食べ方をしている人がほぼ半分という状況。
立ち飲みの店で立ったまま飲むより、セルフサービスではあるけれど座ってジックリたのしめる店。
たしかに便利に違いない。
さてさて、一年ぶりの鍋焼きうどん。
期待通りのこの勇姿。
グツグツ沸き立つ土鍋の中に角ばった麺。
しいたけ、かまぼこ、ネギに麩、それから落とした玉子が一個。
具沢山にしてとてもにぎやか。
しかもこれに海老のかき揚げ、それに小さな茶碗にご飯がひとつお膳にギッシリ並ぶ。
見事なり。
甘辛い出汁。
コクはあるけど決して辛くはない絶妙で、汁替わりにしてご飯を食べることさえ出来る。
箸で触るとホロホロ崩れる儚いほどの天ぷら衣。
それをうどんの上にパラっと散らすとみるみる、スープが油で汚れてく。
おいしい汚れ。
油の旨味が出汁に混じって、うどんをスベスベ、なめらかにする。
ああ、おいしい。
蕎麦+ここのかき揚げもおいしいけれど、より力強いうどんにここのかき揚げのこの絶妙なる相性に、ウットリしながらハフハフ〆る。
ゴキゲンな夜、風の夜。
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2009/11/02 (Mon)
はしご飯
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