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2024/11/24 (Sun)
三州屋のち中華松富
骨太映画を観たあとの、晩のご飯を三州屋。
東京に何店かある、支店経営なのか暖簾分けなのか、銀座の街にも2軒ある大衆割烹。
居酒屋という言葉がまだ日本になかった頃からずっと、サラリーマンが仕事帰りにフラってきて、酒に肴をたのしむお店がたくさんあって、そのほとんどが自らのことを「大衆割烹」って呼んでいた。
大衆価格のまじめな料理!
そう考えれば、理にかなってる言葉でしょうネ。
今日も時間はまだ6時台。
なのにお店の中にはサラリーマンがギッシリ、みっちり。
6人がけの小さなテーブルの両側に、二人ずつ。
つまり4人でほぼ満タンに近い状態の、間の二席。
すいませんね、ちょっと寄ってくれますか…、って満員電車の座席の隙間に大きなお尻を押し込むようにミシミシって体をねじ込み、食事のスタート。
ビールをもらうとお通し一鉢。
刺身用のマグロの切り身を切り出した、骨の周りにこびりついてた身を出汁醤油で煮込んだのでしょう。
マグロの醤油煮缶詰の中、みたいなお通し。
始末な感じで、結構、おいしい。
まずはここの名物のコレ。
鶏豆腐。
牛肉や豚肉を豆腐と一緒に甘辛く煮た、肉豆腐ってのはいろんなところにある居酒屋の定番料理。
けれどココのは鶏の肉。
鰹の出汁に鶏のスープと脂がたっぷり混ざったスープで、豆腐と鶏を煮込んだまるで水炊き豆腐…、みたいな料理。
ポン酢が一緒についてきて、ますます小鉢に取り分けた鍋のような風合い、漂う。
大量に煮込んで仕込んでいるのでしょう…、注文したらばすぐに来る。
瓶のビールの栓を抜き、さて乾杯とグラスとグラスをカチンとやったら、もう目の前にこれがある。
なんともウレシイ…、ありがたい。
豆腐が旨い。
お腹がポワンとあったまる。
スープもコクがあってゴクゴク、思わず飲んじゃう。
お酒を飲む前。
体を中からあっためるのは、呑んべの知恵でもありましょう。
ホタテのフライ。
今の季節はホタテが売りのようでもあって、バタ焼き、刺身、タタキ風といろんな料理があるけれど、ホタテの一番好きな調理法はフライだ…、ってかねがね思ってる。
ツルンとしたハリのある身。
生のときには所在なさげにブルンブルン揺らす体も、パン粉をまとって油の中でカチっと背筋が伸びるのがいい。
甘みも増す。
香りも一層、妖艶になりサクサクとした衣と中身の見事にステキなコントラストがいい感じ。
しかもここのコレ。
貝が申し分ないレアな状態。
これでご飯を食べたらどんなにおいしいだろう…、ってそんなことを夢見たりする。
ホッキのバタ焼きを間にはさみ、ブリのあら煮を作ってもらう。
本当は銀ダラの西京焼を食べたかった。
けれどたのむと、今日は品切れ。
西京焼は人気があるの…、って、確かにしっかり使った飴色銀ダラ。
脂がのってて、ご飯のおかずにも酒の肴にもこれほどおいしい焼き物は、他にたぐいのない程で、売れてしまうのもしょうがないこと。
代わりにもらったブリのあら煮もなかなかの出来。
くどい程に醤油の香りとみりんの甘みをたたえた煮汁。
脂をたっぷり含んだ白身が、ぼろっと骨からこぼれ落ちるようにとれてゆく。
皮の下にあるゼラチン質。
ツルンと唇、なぜるように喉の奥へとなだれこんでく、おゴチソウ。
暖簾ごしに厨房の中をながめてみれば、おそらく平均年齢オーバー50というとこでしょう。
中でも作業を差配するおじいちゃんは、70過ぎは確実のアダルトな店。
20年後はどうなるんだろう?
そのときゃボクも70手前。
そんなことをふと思う。
〆を歩いて松富にくる。
銀座六丁目。
とはいえ、有楽町の方が近い場所。
路地裏。
それもどこが入り口がなかなか判別できないほどに、暗くて細い路地に面した小さなお店。
銀座という街。
高級で高価な店ばかりの街のように思われがちで、けれどこうした気軽な店が結構、ある。
こてこてのラーメン屋のような店は少ないけれど、ラーメン「が」おいしい中華料理屋みたいな感じの店がたくさん。
ここも夜には晩酌セットのような気軽な中華料理が揃ったお店。
今なら「中華居酒屋」とか「ラーメン居酒屋」とかって気の利いた名前をつけるところなのだろうけど、昔からあるココ。
あくまで中華料理のお店。
長く続いたお店の常の、他聞に漏れず名物料理がひとつある。
特許しうまい。
肉をタップリ詰め込んで、胡椒の風味がドッシリと来るその独特の製法を特許請願して本当にとった。
特許番号1382760号!って、お店のポスターに誇らしげに書いてある。
特許があるなし関係なく、本当に旨い。
肉、ムッチリでプチュンと歯ごたえしっかりするのに、口に含むとホロっとほどける。
そのなめらかさ。
その儚さが、とてもやさしくデリケート。
お酢や醤油を必要とせぬ、ただそれだけで完結してるというのがステキ。
極薄の皮が存在感をまるで消してるところも立派。
肉をたのしむ肉シュウマイ。
そして今日の〆の〆。
あさりラーメン。
本来これは、一日20食限定の幻の麺。
今日は運良く、こんな時間まで残ってた。
スッキリとした塩味に、アサリの旨味が滲んでる上品にしてコクのある味。
細くてちょっと透き通った麺も、ムッチリとした噛むたのしみに満ちたおもしろ食感。
これ、好きな味。
ボクの中での塩ラーメンのデフォルトは「さっぽろ一番の塩ラーメン」ですっかり出来上がっているのだけれど、その塩ラーメンに限りなく近い味わい。
これ一杯で満腹と同時に満足を得ようとすると、ちょっと力不足かも。
けれど、銀座で飲んだそのあとに、軽く〆してお腹を痛めつけない味わい、やさしさが、結構いいなぁ…、って。
銀座味。
昼はシジミで、ホタテのフライで酒をたのしみ、そして〆にアサリを食べる。
なんだか今日は貝づくし。
長い一日、おやすみなさい。
[0回]
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2009/08/13 (Thu)
はしご飯
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そうそう、目抜き通りは華やかなブランド店や老舗立ち並ぶ街ですけど、
裏に入ると気軽に入れるおいしいお店が沢山あるんですよね。
先日インスタントラーメン(袋)で一番好きなのは、という話になり、
やっぱり私はサッポロ一番だなぁと、それに近いあさりラーメン、
おいしそう、食べてみたいです。
あーたさん / 2009/08/13(Thu) /
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サッポロ一番風!
> あーたさん
サッポロ一番的というのが、お店のラーメンに対する褒め言葉になっちゃう…、というのがちょっと不思議で、恐縮しちゃったりいたしますが、それにしてもココのアサリラーメンはほんとにサッポロ一番的。
すんごいお気に入りなんです。
銀座の昼は特にお得。
夜はなかなか敷居がくぐれないようなお店が、驚く程に気軽な値段でランチを提供してくれてます。
うれしいですよね。
サカキシンイチロウさん / 2009/08/13(Thu) /
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