サカキノホトンブログ富山のシアワセ、デジカエン

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富山のシアワセ、デジカエン

さてさて今日の富山出張。
その目的はまもなくオープンする韓国料理の専門店のテスト営業に立ちあうため。

「テジカエン」という名前で富山の街の郊外で、つい最近まで外車のショールームだった場所。
車での寄り付きもよく、周辺に人が集まる要素もほどほどあって例えばファミリーレストランには向かないかもしれないけれど、ワザワザ来たくなる魅力的な専門店にはよいロケーション。

もともと街の真ん中で、ながらく韓国料理のお店をやってた人たちで、焼肉に頼らない純粋的な韓国料理のお店が地方都市で成功する確率ってかなり低いといわれているのに、彼らの店は大繁盛。
お酒を飲ませるコトがとても上手で、しかもおいしい。
気軽でたのしく、居心地が良い。
だから街中で繁盛店を手に入れることができたのだけど、今度のお店は郊外の店。
場所が変わればお客様の期待も変わる。
当然、サービスや調理の仕方もかわってしまう。
お酒をどんどんおすすめするのが良いサービスではなくなったりする。
メニューもかなり手直しをして、いろいろ準備をしてはきたけど、果たしてお客様がどんな注文の仕方や、楽しみ方をするんだろう…、と。
それを頭じゃなくて体で感じて理解するため、開店前に、実際の営業に限り無く近い状況を作りましょうと、知り合いにたのんでロールプレイングをすることにした。

窓の大きな明るいお店。
レストランというよりカフェのような作りをあえてしたのですね。
大久保的でない韓国料理。
伝統的をお客様おしつけるのでなく、今のソウルで若い人達が好んで使う気軽なお店の雰囲気を作ってみよう。
テーブル席が中心で、女性が座ってたのしいよう照明計画や椅子のデザインにもこだわって、グループ客や子供を連れたファミリー用に、お座敷席も作りはしたけど基本的に椅子がメインの快適空間。

韓国の食品や雑貨を飾った棚の向こうにオープンキッチン。
飲食店を人の体に例えると、厨房は心臓にあたる場所。
そこが強いか弱いかで、料理のレベルがテキメン変わる。
だから大きく、機能的な厨房作りを心がけ、なかなかに良いモノになったと、ちょっと感激。
思ったようなお店が出来て、だから写真をたくさん撮ろうとカメラを構えてみるのだけれど、不思議とレンズを通したお店はあんまり魅力的じゃない。
写真写りがいいお店って、居心地悪かったりするコトがある…、だからこれでいいんだって思ったりする。

料理の最後の仕上げをいくつか。
厨房が変わると不思議と、同じレシピでも料理の出来栄えが変わったりする。
特に今回、この店ではじめて鉄板焼き用の鉄板を置いたのですね。
屋台料理のような気軽な料理を出したくってそれで鉄板。
そこでチヂミを作りましょう…、とそれがメインの使用目的。
けれど今まで、この会社ではチヂミはフライパンで作ってて、レシピがピタッと決まらない。
分厚い鉄板と、薄いフライパンでは熱の入り方がまるで違って、いつもの味になかなかならない。

いつもの味を無理やりココで作るより、鉄板の上で焼いておいしいモノにしようよと、試行錯誤を一緒にします。
具材の分量。
粉の配合。
粉と水の割合と、あれこれ試して失敗作が死屍累々。
勿体無いから、失敗したのもみんなで食べつつ、それでやっとレシピが決まる。
軽い仕上がり。
表面サクッと歯ざわりよくて、しかも中はモッチリ、ムチムチ。
ニラだけ。
あるいはネギだけ使って風味は胡麻で仕上げただけが、なんともおいしくクセになる。
それから鉄板のメンテナンスの仕方を伝授。
実はアメリカにいたときに、鉄板焼きのお店でバイトをしていたことがありまして…。
昔とった杵柄発揮で、役に立つ（笑）。

それからキンパ。
細巻きのり巻き、具材はタクワン。
ほうれん草とニンジンナムルを芯にして、ご飯にトビッコを混ぜ込んでいる。
胡麻の油の匂いがふんわり。
ムチュンとご飯が前歯を撫でて、次の瞬間、コリっとタクワンが歯切れてナムルがハラハラ散らかる。
トビッコぷちぷち、奥歯で潰れて食感とても賑やかなのがいい。
しかもコレ。
甘酢っぱいタレにマスタードを溶かして食べる。
カンジャン市場キンパって食べ方だそうで、別の名前は「麻薬キンパ」。
いくらだって食べられちゃうって意味なんだっていうのだけれど、確かにおいしい。
胡麻の油とマスタードの酸味混じりの辛味が互いに引き立てて、一口食べるとスキッとさわやか。
次の一個をおねだりするよなオモシロさ。

６時をむかえて、一組、そしてまた一組とご招待したお客様たちがやってくる。
メニューから好きなモノをたのんでもらう。
注文をとるところからトレーニングで、次々、厨房の中に注文入って忙しくなる。

ボクもお客様の一人になってあれこれ試食。
スッキリとした辛味と旨味が層なすココ独特のブデチゲをラーメン付きでハフハフズルリ。
フワフワとしたスープをタップリ抱き込んだ玉子の食感に、プチプチ爆ぜるトビコの歯ざわりケランチム。
フッカリとした唐揚げに、甘辛ソースを吸い込ませ、プチュンと味わうヤンニョムチキン。
どれも立派なオゴチソウ。

ひとつの料理をおいしく作るというコトと、いくつもの料理を同時に作ってしかもおいしくするというコトは、まるで違った次元の仕事。
モタモタしたり慣れぬところもありはしたけど、十分、シッカリ仕事をこなしお客様はニコリとなってく。
こういう仕事をやっていて一番シアワセな瞬間が「二軒目の店の成功に立ち会う」時間。
飲食店を一軒成功させようと思えば一人の人が一生懸命がんばればいい。
けれどその成功を２軒、３軒と増やしていくには、「みんなの一生懸命」がなくちゃいけない。
みんなの一生懸命が、みんなの未来を明るくさせる。
だから二軒目。
この店、たしかにみんなの未来の扉になるネ…、ってそんな実感、それがウレシクありがたい。

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2011/05/24 (Tue) おいしい仲間 Trackback() Comment(8)

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看板娘

可愛い豚さんに、ハートわしづかみ！店内も爽やかなグリーンが新鮮ですね。お料理も美味しそう。この雰囲気だと韓国デザートも頂けるのですか？
素敵なお店の立ち上げ、おめでとうございます。

梅さん / 2011/05/24(Tue) /

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パッピンス

> 梅さん
しばらくはパッピンスに絞り込んで、けれどおいしいモノをと考えています。
それから韓国のお茶。
お店の運営に慣れた頃から徐々に、韓国らしいお菓子の種類を増やしていく予定です。

サカキシンイチロウさん / 2011/05/24(Tue) /

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お仕事。

ふと思ったんですけれど、「仕事」に楽なモノって無いんですよね・・・。自分があまりイヤな気持ちになり過ぎず、かといって面白い・楽しいだけ、な感じもなんだかやり甲斐や手応えが無くて物足りない・・・。どんな仕事であれ、「誰かの役に立っている（気がする）」という気概を持てているだけでも違うでしょうしね。

まぁ具体的には言えませんが、人がやっている「仕事」の誹謗中傷ばかりをするのは良くないコトだと認識しています（特にネット上で良く見かけるんですよね・・・やるせないです）。

自分に相手の苦労が解っている・実感しているならまだしも、軽々しくそういったコトを言ってしまう人は信頼が置けないなぁ・・・と思いますね。

りりこりあさん / 2011/05/24(Tue) /

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仕事

> りりこりあさん
仕事をたのしむ、というのはある意味、とても難しいコトだと思います。
自分がたのしいだけでは独りよがりになりますし、他人をたのしませるために自分だけが犠牲になるようなことではまた哀しいし。
しかも人に理解される仕事もあれば、そうではない仕事もありと。
互いが互いを理解しあって苦労、たのしみを共有することが一番大切なことなんだろうなぁ…、と思います。

サカキシンイチロウさん / 2011/05/24(Tue) /

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ご無沙汰しています

ごぶさたしています。初めての一人での決算で泣きながら踏ん張っていて、なかなかおじゃまできませんでした。
富山で新しいお店の立ち上げに携わられたのですね！見ているだけで美味しそうで元気をもらえそうなお料理ですね。
久しく富山へいっていないので、ぜひお邪魔したいと思います！！

あっくんさん / 2011/05/26(Thu) /

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お疲れ様です

> あっくんさん
慣れぬ仕事で大変だったようですね。
お疲れさまでした。
このお店。
気軽でしかもおしくて、絶対、満足していただけると思います。
正式オープンは６月１日。
機会があればぜひ。

サカキシンイチロウさん / 2011/05/26(Thu) /

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ありがとうございます。

実は通勤道でして、このお店。一軒目はかなり食事会に利用させえていただいてます。今回のお店、外から見る限り、韓国のカフェっぽくってわくわくします。近々初来店します。ランチやカフェとして気軽に日中利用できればうれしいのですが。
偶然ＨＰ拝見したので、コメントしました。

韓国好き地方民です。さん / 2011/06/08(Wed) /

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可愛がってあげてください。

> 韓国好き地方民です。さん
郊外という場所で、ちょっと試行錯誤が続いています。
料理の味は手を抜かず、郊外ならではの気軽なたのしさをとスタッフみなさん一生懸命。
週末はランチ営業をしています。
ぜひ、可愛がってあげてください。

サカキシンイチロウさん / 2011/06/08(Wed) /

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