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2024/11/24 (Sun)
変わらぬ、古久家
半日、これからの外食産業のコトをみんなであれこれ考える。
今の時代。
急速にさまざまなことが変わりつつあるこの時代。
お客様が「これからの必要」と「これからの不必要」を取捨選択しようとしている。
できることなら必要と言ってもらえるお店になりたい。
ならどうすればいいんだろうネ…、ということを、あれこれあれこれ。
結局、変わるべきでない部分を変えなくてもすむように、それ以外の部分を時代に合わせて変えるコト。
そこに尽きるネ…、って結論になる。
その見極めが一番むつかしいコトではあるけど、でもしなくちゃいけない。
勇気を持って…。
で、勉強を終え、その「変わらぬように変わった良き実例」を藤沢にまで見に行った。
古久家という店。
ボクが高校時代の最後の一年。
ちょうど松山から引っ越してきて、鎌倉高校で受験準備をしてた頃、よくお世話になったなつかしき店。
実は当時、住んでた場所は葉山の山奥。
だから本来。
高校前から江ノ電にのり、東に向かって鎌倉方面に行かなきゃいけない。
けれどその鎌倉という町。
腹ペコ高校生にやさしいお店がほとんど無くて、それに不思議と同級生はそのほとんどが藤沢、茅ヶ崎に住む人たちで、だから一緒に西に向かった。
藤沢駅の駅前のビルの地下の商店街の、その入り口がボクら腹ペコ高校生の天国に行く入り口だった。
安くて旨くて、何より温かい人間味にあふれてて、たとえば3人でお店に入る。
ごめんね、おばちゃん。
今日は二人前でいいかなぁ…、って言うと、いいよって。
いつも以上の大盛りで作ってくれて、2皿なのに充分3人のおなかが膨らむ、とてもうれしいおもてなし。
ボクの体の何パーセントかは、絶対ここの料理でできてる。
そう感謝する、ステキなお店。
当時はボクも学生で、ボクの親父がやってる会社のお客様でもなかったので、ボクはただただ純粋にこのお店のファンだった。
ところがボクが仕事を始めて3年ほどしてからだったかなぁ…。
問い合わせがあり、気づけばうちのお客様になってくれてた。
うれしかった。
これから一生懸命ご恩返しをいたしましょう…、って。
しかもこの店。
数年前に世代交代を見事に果たして、気づけば二代続けてのお付き合いをさせていただく誉に浴す。
世代を超えて続く繁盛。
味にサービス。
なんとステキなコトでしょう。
天井に張り付くシェードにテーブルに椅子。
どれも昭和にできたものにて、もし壊れたら補充すること叶わぬ今は作られてないモノ。
気持ちが当時に飛んで行く。
さていただきます。
まずは焼きそば。
ああ、なつかしい。
しかも今日は、普通の焼きそばじゃなくて「五目焼きそば」。
普通の焼きそばは、とろみのあんがかかった固焼きそばで、五目とたのむとそこに、五目の具材が貼り付けられる。
海老のてんぷら。
周りの赤い香港風の叉焼や、茹でイカ、かまぼこ、ゆで卵。
塩スープの五目ラーメンの上にのっかる具材をのっけた…、という具合にて、わかりやすくて華がある。
具を高級にして炒め合わせたのじゃなくて、具材をのっけるというこの脱力感がなつかしくって、ボクは好き。
細い蒸し麺。
それを中華鍋の中で水分を吐き出させながらこんがり焼く。
歯ごたえ、見事。
バッサバッサとした歯切れ。
でも麺の内側にはほどよく水分がのこってて、決して乾いているのではないパリパリ感がとてもたのしい。
白菜の甘みがタップリ混じって甘い、とろみあん。
シャキシャキもやしに、クニュクニュきくらげ。
どれをとっても昔ながらで、「甘いがご馳走」の昭和中期をいまだ引きずるおご馳走。
それからもひとつ、ここの名物。
サンマーメン。
横浜地方独特の、とろみのついたあんかけそばで、基本的には焼きそばのあんと同じあんがかかってる。
これまた甘い。
ちょっと太めの平打ちの、もちもちっとした玉子麺。
イタリアパスタのタリアッテレのような喉越し、そして歯ごたえ。
ヌメヌメっとしたその麺にとろみがからまり、なめらかなこと、この上もない。
実はこれ。
日本人が大好きな「玉子かけご飯」の喉越しを、ラーメンで再現したらどうなるんだろう…、って考えながら出来上がったモノ、なんだそう。
たしかに喉を満たしておなかにユルンと辿り着くまで、ヌルンヌルンとやさしく粘膜撫で回す、この食感はとても独特。
熱々がずっと続くのもあんかけパワーのすばらしいとこ。
学生の頃は贅沢で、たのむことすら考えなかった、シュウマイ。
それから餃子を食べる。
もともとここは和菓子屋さんからスタートした店。
だから粉を扱うことにかけてはこだわりがあり、今でも皮や麺は手作り。
ツルンとした皮。
ハリがあってモチモチしてても歯に張り付くような粘り気がなく、だからスルンととても軽い食べ心地。
皮そのものに甘みがあって、麺を食べても餃子を食べても、どれを食べてもやさしく甘い。
ほっとする味。
ありがたい。
昔の通ったその店が、今もこうしてあってくれること。
昔、食べた懐かしい味。
それが今もこうしてここでたのしめること。
当然といえば当然で、でもそこで働く人の我慢と情熱で、はじめて叶う奇跡的なコト。
そんなことを思ったりして感謝する。
バイバイ湘南、新宿経由で帰ります。
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2009/06/17 (Wed)
おいしい仲間
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消えてなくなる。
まだ、若き頃行っていたお店、思い出の場所どんどん無くなっている僕の町。富山ブラックは健在でいてほしいです。
ところで…。
最近、ニッコリと会社に行けないくらい最近つらい僕がいます。
変わり者ミダさん / 2009/06/18(Thu) /
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溶けてなくならないように…。
> 変わり者ミダさん
会社の経営で一番大切なことは、継続することだ…、って思います。
今の店をなくさないようにする執着心。
それがお客様に伝わらないと、いつかは溶けてなくなってしまうかもしれない。
がんばらなくちゃです。
ニッコリは無理やり搾り出そうとすると、どんどん枯れてきちゃうもの。
しばらくは自然体が一番いいのかもしれませんね。
サカキシンイチロウさん / 2009/06/18(Thu) /
編集
なつかしいです!
はじめまして、サカキさま
湘南育ちのわたしも、古久家が大好きでした。
ペンペコリンで底なしの青春時代のおなかを、いっぱいにしてくれたのが古久家さんです。
湘南を離れて長いのですが、ぜひまた機会があればタン麺(大盛り)をたべにゆきます。名店ビルの、あのちょっとあやしい感じが、またいい味かもしだしてましたよね。
古久家健在と知って嬉しいです。
ありがとう!
超級浮雲さん / 2009/06/19(Fri) /
編集
まだまだがんばる古久家さんです!
> 超級浮雲さん
昔からのお店がしっかり健在でがんばっているって、本当にステキなことですよね。
代が変わっても昔と変わらず。
商品の味も、気軽な雰囲気も、そしてなによりサービス精神旺盛な盛りの良さも昔どおり。
ぜひ、機会があればたのしんであげてくださいね。
はじめまして。
コメントどうもありがとうございます。
これからも、たのしい書き込みお待ちしています。
サカキシンイチロウさん / 2009/06/19(Fri) /
編集
無題
辻堂にある高校に通っていた30年程前、学校の帰りにほぼ毎日「サンマーメン」を食べていました。健在、と聞いて感涙です、ウッ。酢をドボドボ入れて食べるのが私達の間でのお約束。時々、見知らぬおばあちゃんと相席になり世間話しをしたりして、あーいう形で「コミュニケーション能力」を養っていたのかも?今時の子の放課後はマックかな?サカキさん、HP変わりましたね。前のブラックの画面が好きでした。見易かったです、個人的には。でも何でもいいんです。毎日楽しみにしていますので。
エルさん / 2009/06/19(Fri) /
編集
無くなってもらっちゃ困る店
> エルさん
ずっと変わらずいてほしいお店ってありますよね。
特に、若い頃によく通っていた地元のお店がずっとそのままあってくれると、とてもありがたく思います。
古久家。
行くたびに高校時代のいろんなことを思い出すことができる、とてもうれしいお店です。
新しいこのブログデザイン。
次はどんなふうに変えてやろうか、とちょっと思案中でもあります。
よろしくご愛顧を!
サカキシンイチロウさん / 2009/06/19(Fri) /
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