今日は大人の遠足の日。
去年の春からはじまった、大人の遠足シリーズも今日で3回目。
毎回テーマを決めて開催していて、今回は「ミステリーツアー」。
企画を立てた、ボクと友人だけはどこに行くかを知ってて、けれど他の参加者にはザックリとした予定は知らせているのだけれど、細かな内容までは伝えず。
旅のしおりもミステリアスな内容にした。(ちなみに夜中に作った栞…、表紙にいきなり誤植を発見、それもまたよし、笑いの種といたします。)
実は一ヶ所…、ボクらも行ったことがない場所に行くことにしていてまさに、ミステリアスな旅をみんなでたのしめそう。
さて、その前に腹ごしらえ…、ご飯の代わりに甘いケーキを食べてすませる。
「ノワ・ドゥ・ブール」って言うお菓子屋さんのキャラメルバナナケーキをパクリ。
伊勢丹のお菓子売り場の一番目立つ場所に去年できたニューフェイス。
カヌレ、フィナンシェ、マドレーヌ。
フランス菓子の古典的にして典型的ななる焼き菓子ばかりを扱っている。
店名の「ブール」はバター。
だからバターの匂いがお店の前には漂い、見た目は地味…、なのに香りは華やかというギャップがなんだかたのしく感じる。
上手いなぁ…、と思うのが、まるでフランスからやってきたかのような顔をしているところ。
もともとココにあったのが、アンリ・ルルーってフランスから来たキャラメル屋さん。
だからココも?と思わせる。
ロゴデザインもデメルのようなエシレのような、日本のお菓子の世界が得意としない「地味で上等」な雰囲気を発散している…、見事なり。
そしてキャラメルバナナケーキ。
包んであった布の袋を開けた途端に、バターと砂糖の匂いにむせる。
形はテリーヌ型で焼かれた長方形。
見た目以上にズッシリしてる。
しかもシットリ、バターがすでに手に滲む。
分厚く切り分け、口に運ぶとボソリと生地が崩れて舌の上にのっかる。
甘い。
手加減のない甘さにしばし、口がたじろぐ。
甘くないのがおいしいなんてお菓子にあるまじき評価を受けて喜んでいるヘタレスイーツが多い今の日本で、こんなに甘くて、しかもおいしいお菓子がある。
ステキじゃないか…、ってシナモンの香りにむせ返りつつユックリ顎を動かすと、クルミがコツコツ、奥歯を叩く。
不思議なコトに、最初はまるで感じなかったバナナの香りが、そこでやっとやってくる。
甘くて切ない南国の、本来ならば他の香りを押しのけて自己主張するバナナの香りに、負けぬバターの力にウットリ。
それと一緒に、香ばしくて苦味を帯びた香りが鼻から抜けていく。
なるほどこれがキャラメルだ。
全てを混ぜて一度に焼いて、どこに継ぎ目があるわけでなく、なのに口の中でいろんな味が次々、やってくる。
やってきては主張して、そして次のモノに譲って収まっていく。
歌舞伎やオペラの顔見世公演みたいな味の競演が終わると今度は、それらがひとつにまとまって喉の奥へと去っていく。
ウットリします…、オキニイリ。
ミルクを飲んで甘いオペラの幕引きとする…、いざ、遠足に出発です。
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