渋谷のはずれでちょっとたのしいお店を発見。
渋谷の道玄坂を上り詰めた先の街…、というか、渋谷から電車にのって一駅の「神泉」という小さな駅からちょっと歩いたところに個性的なる飲食店があつまる街があってそこをぶらぶら歩いてご飯を食べる場所はないか…、と。
そしたら、なんだかおいしそうなお店を一軒。
白い箱のような建物、通りに面して大きな窓、中を覗くと立ち飲みバルのような雰囲気。
「ピッツェリア・メリ・プリンチペッサ」という名前で、見ると地下がレストラン。
1階部分はキッチンと立ち飲みコーナーになってるという。
こりゃ、オモシロイ。
中に入って、案内された場所がビックリ…、ピザ窯の前。
小さな厨房。
そこに調理スタッフが3人入ってギッシリという、その臨場感もさることながら、薪のパチパチはぜる音が聞こえて、その温かさを直に感じる一等席。
普通のお店だったらば、どんなにピザ窯に近くてもこれほど近くに感じない。
立っているからこその距離感。
窯の中まで見えるたのしさ。
ピザを焼くだけじゃないんですね。
事前に仕込んだ素材を窯で温める。
今が最後の季節の牡蠣を、窯の中に放り込みコンガリ焼くってコトもしている。
ピザの窯がオーブン代わりという扱い。
ピザのおいしさにこだわるならば、薪の位置とか釜全体の温度とかをキープすることに一生懸命にならなきゃいけない。
だからこうしたコトをしてはいけないんだろうけど、ココはそれほどかたくなじゃない。
せっかくだから、そこでいろんなモノを作ってみましょうかってコトなんでしょう。
自由自在でとてもたのしい。
たのんだトリッパのトマトソース煮。
まずはフォカッチャをスライスし、ピザ窯の中でサクッと表面焦がす。
耐熱陶器にあらかじめ煮込んだトリッパを入れてグツグツ。
沸騰させてやってくる。
中身だけじゃなく器が熱くてグツグツ状態が続くのが、お行儀の良いレストランではなかなかなくて、とてもたのしい。
トリッパ自体は丁寧に下ごしらえがされてて噛むと、ムチュンムチュンと歯茎を撫でる。
表面サクサクしたフォカッチャも口の中でとろりととろけて、トリッパのムチュンムチュンをひきたてる。
さてそして、ピザをこれから焼きましょう…、となると一転。
ピザ窯の周りがピリッと緊張してくる。
生地を一枚分に取り分けて、丸く伸ばしてスコップ状の板に乗せ窯の中にそっと滑らす。
生地の膨らみ具合をみながら窯のほどよい場所に生地を置き、しばらくしたら板に再びのせて窯の熱の対流利用して、おいしい焼き上がり状態を作り出すための温度帯を探して焼いてく。
焼きあがったのをお皿にうつし、6枚に切りそこにオリーブオイルをかけまわす。
これらすべての作業がボクの目の前で。
それこそ手が届くくらいの場所でずっと繰り広げられる、なんてたのしい。
ピッツェリアって名前がついている通りピザがメインのメニュー構成。
ワインのために前菜メニューが充実してて、パスタも数種類ありはするけどピザの種類が20種類ほど。
マルゲリータとマリナーラだけ一枚500円というサービスプライス。
ためしにマルゲリータをたのんでみたら、なかなかおいしい。
ナポリ風とミラノ風の真ん中くらいのちょっと固めの焼き上がりで、トマトソースもフレッシュ感が漂うほどよいおいしさで、もっとおいしいピザを作って食べさせるお店は他に沢山ある。
けれどこんなたのしいお店はあんまり無いね。
なにより、これを一枚にグラスワインで済ませれば、たった1000円でお腹も気持ちもシアワセになる。
この2種類以外のピザは1000円前後の値段でこちらは値段通りのシッカリレシピ。
5種類のチーズを使ったピザを食べたら、チーズたっぷり。
濃厚にして満腹感を味わうコトができるお食事ピザだった。
目玉料理を安くしてもみんながそれだけ食べて帰るわけじゃないから、こうした工夫にやり方はいいんじゃないかと思ったりした。
1時間足らずのお腹と心を満たす一本勝負…、こんなお店が近所にあればいいのになぁって思ったりした、またいつか。
関連ランキング:イタリアン | 神泉駅、渋谷駅、駒場東大前駅
[0回]
PR