ランチを表参の「ル・プレヴェール」ってお店にて、ユッタリ、ニッコリ。
表参道のシャネルやブルガリが入っている「ジャイル」っていう商業ビルの4Fにあるフランス料理の気軽なビストロ。
このビル。
運に突き放されてるような不幸なビルで、さすがにメインテナントのゴージャスブティックは安泰だけどレストランは出たり入ったりがかなり激しい。
この店も、できたときには窓に面して100席くらいのお店だったのに今では窓辺のフロアーを手放し半分くらいのサイズになってしまった…、しかも平日昼はお客様もまばらな感じ。
小さくなって、ボクはむしろ小さくなってからの方が好きなんだけど。
窓がない分、ミッチリとした空気感が生まれてしかも料理に向きあう集中力を手に入れられる。
半分サイズの箱になった分、天井が高くなったようにも感じて、空間全体にたのしい緊張感が生まれた。
お店の奥のテーブルに座るとまるで、パリのビストロみたいな感じがしてステキ。
前菜にメインにデザート。
それぞれ好みのモノをたのめる、典型的なるプリフィックス。
まずは前菜。
ニンジンとビーツを細切りにして、レムラードで味を整えたサラダ仕立ての野菜の前菜。
アンチョビやタラゴン、ガーリックの風味をくわえた軽いマヨネーズみたいなソースでやさしくドレスされた野菜がコツコツ。
歯ごたえたのしい。
生のニンジンのコリッと砕ける歯ごたえが、キャロットラペにはない騒々しさ。
甘みよりも香りが先立ち、ビーツのツルンとした食感が騒々しさに拍車をかける。
奥歯から顎を伝って頭に直接響くおいしさ。
サイドに添えたハーブ野菜はオリーブオイルと柑橘系の酸味でシャキッと鮮やかな味、野菜といってもこれほど違った食感、味わい、なんだかとてもオモシロイ。
胡麻がパラリと風味をそえて気持ちはちょっとオリエント。
メインは自家製ソーセージ。
粗挽きの豚肉を使った、だから齧るとボロッと肉が口に崩れる。
腸詰にする。
だから練って粘り気ださなくても、つなぎを何か使わなくてもひき肉のまままとまっていく。
ボロッとホツホツ、粗挽き肉が奥歯に当たるこの食感。
肉を食べてる!って感じがします。
なにより香りが強烈で、豚の油の甘い匂いとそれが焦げた香ばしさ。
むせ返るような肉っぽさに、たじろぐほどの力強さにウットリします。
ソーセージと一緒にやってくるのがお豆。
レンズ豆をトロンと煮込んだモノでこれが風味満点。
タイムやセージ、あるいはクミンの香りがフワッと漂って、味わいまるでソーセージ。
本来ならばソーセージの肉をこのスパイスで風味を整えるモノなのに、それを一旦外に出し、肉は肉の風味で食べる。
そこで豆を頬張ると、口の中で香り高いソーセージが出来上るってそんなステキな組み合わせ。
なんてたのしい。
プリプリとした肉の食感、ホツホツとした豆の食感、どちらもたのしく情報量が多くて顎が止まらぬたのしい食感。
もともと「シャルキュトリー」っていう肉をおいしく味わうための、ソーセージだとかハムの世界。
それを日本に伝えよう。
自家製の加工肉のおいしい食べ方の提案を一生懸命している店で、だからこうした料理が得意なのでしょう。
大量に肉を食べなくても肉のうま味を凝縮すれば、ココロが肉で満たされる。
デザートはババ。
ブリオッシュ生地にラム酒とシロップをタップリ吸い込ませた大人のお菓子。
ブリア・サヴァランって19世紀を代表する美食家が、自分の名前を関したのが、ドーナツ状のババだったりもする。
古典的でありながら、いまだ変わらず愛されるお菓子で今日のランチをしめくくる。
ザックリとしたブリオッシュ。
気泡たくさん。
そこにラム酒風味のシロップがタップリしみこみ、フォークで持ちあげると崩れそう。
スプーンでそっとすくいあげ、食べるとジュワッと甘みが口に広がっていく。
虫歯があると染みそうな、涼しさすらも感じさせるドッシリとした甘みをホイップクリームで、なだめて食べる。
それからミルクのジェラートを食べるとさっぱり、甘みが消えていくのも不思議。
フレンチドリップのビターなコーヒーで口をスッキリ、リセットさせて今日のランチをめでたく終える…、午後の仕事をがんばろぉ!
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