新橋で昼。
カレーを食べます。
地雷也という店。
新橋の駅の烏森口。
サラリーマン帝国への入り口を背にして虎ノ門の方にテクリと5分少々。
歩いた路地の雑居ビル。
小さななんのへんてつもないビルの1Fにある小さなお店。
しかもちょっと奥まった場所。
通りに置かれた看板がなかればまずは気がつかない。
夜は網焼きステーキの店。
焼肉じゃない。
分厚いステーキ肉をテーブルの上の網で炙って、塩や醤油、最小限の薬味で食べる。
生でそのまま食べても旨い。
肉そのものの味を知っているからこその、見事な肉のセレクション。
そして扱い。
刺身から始まって、黒毛和牛のいろんな部位をちょっとづつ焼き、味わって、最後の〆にやってくるのがカレーライス。
牛肉のうま味スープがドッシリとした、カレーをほんの二口、三口。
その日に食べた牛肉の、うま味、風味が再び口の中にすくっと蘇ってくる。
そんなゴージャスなカレーを昼に、気軽に食べるコトができるという贅沢。
昼はカレー、一品しかない。
だからテーブルに座って何を言わずとも、自動的にカレーが出てくる。
大きなお皿からこぼれ出さんがごとき勢いでゴロゴロ、肉の塊が。
コロコロとした肉の塊をカレーの中に見かけることはたまにある。
けれどゴロゴロ。
コロコロに濁点の付いたゴロゴロとなると、めったに見かけぬ。
赤身の部分。
それから脂ののったハラミやあるいは牛すじ部分。
パーツさまざま3塊が、ゴロゴロドッシリ。
そこにカレーがかかってる。
肉は肉、カレーはカレーで仕込んで肉はスープストックで温めてある。
それをのっけて、カレーをかける…、つまりビーフシチューのシチューの部分をカレーに変えたような感覚。
肉はシットリ。
しかもキッチリ煮こまれていて、スプーンの背中で押すとホロッと崩れてく。
壊れたかけらの一口分を、口に含むとクチャっと潰れる。
まずはゼラチン質を感じます。
ピトッと舌に貼りつくような、肉の脂と筋のムッチリ。
ほぐれた肉の繊維がバサッと奥歯にからんで、そして潰れる。
肉のうま味がジュワッです。
それにしてもこれほど肉がおいしいカレーをボクはしらない。
かなり熟成が効いている。
肉をしっかり低温で熟成すると、タンパク質がアミノ酸に変わってうま味が強くなる。
けれど同時に匂いが出てくる。
肉の臭みを煮ながら消して、しかもカレーの風味を添える。
肉だけ食べると、ムワッと獣の香りがしてきて、あぁ、肉だって体が震える。
カレーの味はとても上品。
サラッとしててしかしとってもスパイシー。
食べてるうちにどんどん汗がやってくる。
野菜はニンジン、それからじゃがいも。
どちらも生が終わってこれから煮こまれているという寸前の、歯ごたえたのしい煮加減で野菜の味がシッカリ伝わる。
固めに炊いたご飯の状態が、カレーにピッタリ。
サイドの野菜はサラダというより、塩で味を整えたキャベツとキュウリの浅漬風。
シャッキリとした歯ごたえと、塩の強めの味わいが口をスキッとさせるステキに、お腹もたのしく喜んだ。
ちなみにこれで850円という破格の値段…、また来ましょうと、店をでる。
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