朝を渋谷でゆっくり過ごす…、土曜日の朝。
地方から、お客様がやってきて朝を一緒にいたしませんかとお誘い受ける…、泊まりの場所を聞いてみたらば、渋谷のホテル。
ならばここか、あそこでしょう…、と。
「あそこ」というのははヴィロンのパンの朝ご飯。
「ここ」というのはマメヒコで、ご一緒したのが地方でお茶を扱う老舗の人たちだからこれもひとつの勉強とマメヒコ選んで、コーヒーの甘い香りで朝を迎える土曜日にする。
東京らしい店であります。
しかも、はじめてお連れする人が、かならずビックリするロケーション。
一度きたらば絶対、再び来たくなる。
その二度目には、誰かを連れてきたくなる。
メインの動線はセブンイレブンのお店の中にある階段で、地下に降りたかと思い込んでいたらばなんと、そこが一階。
へんてこりんの極みの立地。
ロケーション。
渋谷というのに、渋谷らしさをあまり感じぬまるで避暑地のリゾートホテルのロビーのような不思議な落ち着き。
過ぎゆく時間をやさしく縁取る、ほどよき影があるのがステキ。
お昼を過ぎると待ちの行列ができてしまう。
だから朝一番の開店時間にあわせてきましょうか…、ってそれで9時。
お店のドアの前にもう2組ほどが、待っていた。
店に入ってここの象徴みたいな大きなテーブルの端に座って大きく息を吸い込むと、気持ちがホッと穏やかになる。
椅子の背中に荷物をかけるフックがギリッと。一本、ねじ込まれていて、女性の小さなハンドバッグをかけて置くのにちょうどいい。
しかもそのフック自体がシンプルなのにうつくしく、素材自体も金属のクセしてとてもなめらかな質感でニッコリしました、やさしい感じ。
朝食用の料理をあれこれ。
ザックリとしたスコーンにタップリ、クロテッドクリームをのっけて食べる。
ボソッと生地が口で壊れて、それをクリームがトロンと包み込み、そのクリームのほのかな酸味が生地の甘みを引き立てる。
ホットドッグは味わい豊かなソーセージ、レタスにピクルス。
しかもそのピクルスが長い縦割りでなんだか独特。
オモシロイのがこの硬そうに見えるパンが手でちぎってサクッ、サクッと切り分けられる生地そのものはやわらかなのにちょっとビックリ。
ただココで一番人気の朝食メニューは、やっぱりトースト。
サックリとした食パンで、手で引きちぎるとスパッとキレイに割れていく。
繊維が粗くて、コンガリ焼けてる。
だから歯切れがよくって粘らず、小麦の風味がシッカリ漂う。
そこにはちみつのっけたハニートーストや、アンコをのっけたアンコトーストが朝の頭を目ざませる。
オモシロイのがそれらの盛り方。
粘土の高いはちみつをそのままポッテリ。
トースト自体の温度でゆっくり、とろけてパンに馴染んでく。
あらかじめ塗ってしまうとどこを食べてもおんなじ味。
ところがこうして真ん中にのせてくれると自分の好きな食べ方を、できるところがなんだかウレシイ。
アンコもバターと一緒にコンモリ盛って、これをキレイにパンに塗ったら名古屋名物のアンコトーストになるんだろうけど、こうしてみるとちょっとケーキのように見えたりするのがステキ。
アンコはつぶあん…、ちょっと苦手なタイプなんだけど、指で軽くひとつまみ。
食べてみたらば甘み控えめ、やさしい味で豆がホツホツ奥歯で潰れる。
ちょっと甘めのあずきの煮込みのようでそれとバターを混ぜるとコッテリ…、チョコレートっぽい風味がするのがなんだかたのしい。
料理自体の味をどうこうするのでなくて、たのしい食べ方。
しかもお客様が創意工夫を発揮できるような料理を作って提供している。
それがたのしく、話もはずむ。
当然、飲み物もたのしい提案がたくさんあります。
牛乳珈琲って商品があり、人肌に温めたミルクに人肌コーヒーを注いで割った、家で作ってのむコーヒー牛乳みたいな味で、ほっとする味。
コーヒーを楽しむ飲み物ではなくってこれは、ミルクをおいしく飲む提案。
ミルクの生臭さをコーヒーで覆ってしかも甘みをたのしむ。
家でもためしてみたくなる。
マグに茶葉を入れたストレーナーをのっけてお茶出し、そこにお湯を注ぐと何度も味わえる。
「マグ茶」って提案があって、お茶の差し湯は自分で注ぐ。
差し湯を沸かす可愛いやかんに可愛いコンロ。
それが置かれたテーブルもクラシックにて、水をたたえた注水器さえまるでアメリカの田舎家にあるみたいなホーロー…、可愛らしい。
朝食セットにつくゆで玉子。
ただのゆで玉子なんだけれど、黄身がトロンと程よい状態。
甘くて口の中にドッシリ、まるでソースのようにネットリ舌を覆ってウットリします。
いいお店です…、来る度、ココが好きになる。
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