昼、牛たんを食べに赤坂見附までゆく。
仙台牛たんの専門店「利久」のお店に、ご挨拶方々やってきたのでありまして…。
一年ほど前の大震災のときには、本当に大変だった。
お店の何軒かが直接被災。
被害がなかったお店もしばらく、電気やガスなどの社会インフラが完璧に止まってしまってしばらく営業できなかった。
牛たんを保管し加工している工場もしばらく稼働できず、それでも徐々に、着実に昔の通りにと努力して今ではたしかに昔のまんま。
本店のある仙台では、震災前以上の売上ができるようになってきた。
震災後。
仙台の街ではナショナルチェーンより仙台に根ざして頑張るお店や会社を応援しよう…、って機運がたかまり、それで得していることもあるかもしれない。
そうお店の人たちは言うけれど、本当に実力がありサービス精神旺盛だから応援される価値があるといわれるのでしょうね…、って。
この赤坂見附のお店も開店当初はちょっと苦労をしていたけれど、今はいつもとってもにぎやか。
今日も満席。
大きなテーブルの端の席をもらってそこでランチにします。
「極み定食」。
牛たんの中でも分厚く、脂ののった部分をカリッと炭で焼いた仙台たん焼きを麦飯、スープと一緒にたのしむ。
たんの中はキレイなロゼ色。
シットリとした肉がメリッと盛り上がり、外はコンガリ網目の焼き跡がなんともキレイ。
カプリと噛むと、ムチュンと歯切れてネットリなめらかになっていく。
普通の肉にはないこの食感。
ジュワッとうま味が強烈で、しかも炭の香りがとても濃厚。
焼いてる間に脂が滲んで、焼けた炭の上に落ちてそれが煙になって舞い上がる。
自分の脂で自分を燻製していくような、そんな焼き方、焼かれ方。
その食感にうま味、脂があまりに強烈。
だから麦飯食べて口の中をスッキリさせる。
パサッとちょっと乾いた感じの麦飯も噛めばグイグイ、うま味、香りを出してくる。
よい相性でニッコリなります。
それにスープ。
牛のテールをことこと煮込んでうま味を移した透明スープ。
煮込んだテールと一緒にタップリのネギとハフっと食べる…、胡椒をふるとあらあら不思議。
スープのうま味が甘みに変わる。
それにしても煮込んだテールは、なんでこんなにおいしいんでしょう…、ギュギュッとしまった肉の繊維がたくましく「命を食べてる」って感じがします。
それに味噌。
青唐辛子を塩漬けにして刻んでそれを仙台麦味噌に混ぜておく。
ビリッと辛い青唐辛子の辛味が口に広がって、この味噌だけでご飯がおかわりできそうな薬味以上のオゴチソウ。
牛たんにのせて食べるとタンのうま味が深くひろがり、スープにといて食べるとキリッと塩のうま味がひきしまる。
たのしくお腹が癒されて、気持ちが豊かになっていく…、オゴチソウサマ、また来ます。
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それにしても赤坂見附というこの街の、週末・昼間があまりに寂れているのにびっくり。
人がほとんど歩いてなくて、しかも車もときおり通る程度の状態…、写真に撮って見直すとまるでどこか田舎の街の繁華街の昼って感じがするのが寒々しい。
これが東京のど真ん中。
かつて東京一の歓楽街にして、外資系の会社が好んで本社や営業所をもった街とは思いがたいほどのこのさみしさに「ひなびた」感じを通り過ぎ「荒廃している」と感じる。
銀座や青山、六本木。
そうした街と並び称せられたこの街だけがなんでこんな具合になってしまったんだろう。
人が住む要素を作らず、オフィスビルと飲食店だけが次々できた。
韓国料理レストランの数はおそらく大久保エリアに肩を並べる充実具合ではあるのだけれど、小売のお店がまるでなく、目的無くしてきてたのしめる要素がまるでないのが残念。
TBSが孤軍奮闘、力足らずで玉砕しそうなそんなさみしさ…、日本のいろんな街にこうした哀しいかつて栄えた繁華街があるんだろうなぁ…、って思ったりした、日曜日。
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